最近(食わず嫌いだった)ツイッターを始めたのですが、次のツイートに違和感をおぼえました。
The last 11 years have been amazing for U.S. investors, but it won't always be this way.
Here's a great reminder from @morganhousel that it's common for stocks to occasionally given you no returns, sometimes for years on end.
Invest accordingly.https://t.co/dukFVqNpLC pic.twitter.com/DouxGbnwKy
— Brian Feroldi (@BrianFeroldi) January 24, 2020
「直近11年間の米国株式は驚異的だったけど、いつもそんな風ではないよ」として、リターンが0%だった期間をグラフで示しています。一番左にあるのが12.8年で、2000年9月から、2013年5月とあります。
S&P500トータルリターンの推移
次はS&P500トータルリターンの、ドルベースのリターンの推移です。2000年9月から2013年5月末までです。
利益率39.0%です。でも、S&P500トータルリターンは配当金に米国での10%課税をしないで再投資したものなので、現実的ではないですね。
VOOの取引価格の推移
次はVOOの取引価格の推移です。ドルベース、配当金は無視しています。
利益率9.5%です。なるほど。こういう切り出し方をすると、S&P500と言えども、厳しい時期があったということです。
でもこれって不自然だと思いませんか。
過去32年間のS&P500トータルリターンの推移
次はドルベースの過去32年間の、S&P500トータルリターンの推移です。
こうやって見ると、リーマンショック後の直近11年はとんでもなく素晴らしかったことが良く分かります。時々発生する株価調整など無視して、できるだけ早いタイミングで積立投資を開始、継続していれば、それだけで大きなリターンを得られたはずです。
でも、黄色で塗った期間(2000年から2010年)を切り出すと、大きな変動あったけど、リターンはほぼゼロでした、となります。僕が違和感をおぼえたツイートで参照していた12.8年間は極端な例だとしても、直近11年はあまりに良すました、そんなに良くない時期もありましたよ、ということだと思います。
積立投資は好きですか
たまに積立投資をバカにする人がいますが、僕は大好きです。積立投資が最も現実的で賢明な投資方法です。
次はS&P500トータルリターンの、2000年年初から2012年末までのリターンの推移です。ドルのままです。
この期間のリターンは24.4%でした。でもそれは2000年年初に一括投資した場合のものです。もしそうしていたら、その後下落を続けた2年間はとてもつらかったことでしょう。明らかに高値掴みをしたわけですから。
次は積立投資した場合です。単位が円なのは許してください。
リターンは38.5%でした。灰色のラインが元本の推移で、それを赤のラインの評価額が下に突き抜けている時は含み損ですが、その時も積立投資を継続した結果、平均取得価格を下げることができ、その後の基準価額の上昇で、大きなリターンを手にできたのです。
早く始めたほうが良かった
これは資産クラスによりますが、S&P500については、厳しかった時期が過ぎた2012年から積立投資を開始した場合より、厳しくなる2000年から積立投資を開始した方が有利でした。
次は2000年年初から積立投資を継続した場合のシミュレーションです。右端は2019年末です。
利益率は194.3%でした。元本は税引前で2.9倍に増えました。
次は2012年年初から積立投資を継続した場合のシミュレーションです。
利益率は76.3%でした。厳しかった12年間の積立投資がどれだけ大きなリターンを生み出したかが、良く分かります。
厳しい時が来るかも
現在、11年程度続いている強気相場を堪能している人も多いことと思います。でもいずれ暴落を迎えるでしょうし、過去にあったように、厳しい10年程度を経験するかも知れません。でも、相場がどうなっても積立投資を継続できる、買い持ちできる人だけが、その後で大きなリターンを手にできるのです。
そのために必要なことがいくつかあります。
- 投資対象の基準価額が、暴落してもいずれ回復するはずと信じられること。
- 暴落し、基準価額が低迷している時も積立投資、買い持ちを継続できるメンタルと、それを可能にする無リスク資産。
我が家は、準備OKです。