LLPによる節税効果は破壊的です

LLP(有限責任事業組合)は、条件を満たせば、個人事業主にとってメリットの大きな制度です。特に夫婦でLLPを構成した時の節税効果は破壊的です。

我が家は2017年2月の確定申告をLLPを通した形で行いましたがまだ何も言われていません。が、税務署から指摘されるところがないとは限りませんのでその点はご注意下さい。

なおこのLLPを使った節税の元ネタはこちらです。その最初のところを引用します。

個人事業主の節税についてはさんざん検索しましたが、LLPを使った方法はよそでは見つかりませんでした。

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我が家の場合

たまたまですが、妻もその昔、ソフトウエア開発に従事していました。出産を契機に退職してからは専業主婦でしたが、そして子供が大きくなってからはパートで働くようにもなりましたが、それでもソフトウエア開発はできます。それで僕が開業した翌年の1月に妻もソフトウエア開発を主たる事業として開業しました。手続き上は開業届と青色申告承認申請書を提出するだけで、それは僕の場合と何も変わりません。LLPに参加するのであっても普通の個人事業主でOKです。(LLPを設立するための要件はゆるいです。)

次にLLPを設立しました。LLPの設立には2名以上が必要ですが、夫婦ではダメという規則はありません。LLPの設立をどこかの事務所に依頼せず、自力でやるにはそれなりのガッツが必要ですが、決して難しくはありません。必要なのはモチベーションだけです。その具体的な手順は別途お話します。

大事なことは、僕も妻もソフトウエア開発を主たる業務とした個人事業主である点です。それにより、従来僕が一人で請け負っていた仕事を、LLPを通して受注することにより税制上の大きなメリットを享受することが可能になります。

LLPを通すことで生じるメリット

僕の個人事業の屋号が「河童ソフト」だとします。妻の個人事業の屋号が「きゅうりソフト」だとします。この2名が参加して「河童プロジェクトLLP」を設立します。僕は初年度に「河童ソフト」としてソフトウエア開発案件を受注しましたが、LLPの設立後は「河童プロジェクトLLP」として受注しています。もちろんLLPの設立後に仕事の発注元にLLPとして仕事を請けたい旨を伝えて了解を得ました。見積書も納品書も請求書も全て「河童プロジェクトLLP」名義です。で、受注した案件に僕と妻が手分けして取り組みます。ソフトウエア開発には様々なフェーズがありますが、全部を真っ二つにして取り組む必要はなく、都合のいいように分担していいのです。こうして、LLPを設立した2名が実際にその運営にも参加し、現実の業務を行うのです。出資しただけでなくてLLPの事業活動に参加していることが重要です。

LLPの特徴の1つにパススルー課税があります。これはLLP自体には一切課税されず、LLPの活動によって生じた売上と経費を参加したもの(この場合は2名の個人事業主)に分配した後、2名の個人事業主が従来通りに確定申告をする(課税される)というものです。そして、その分配率は原則として「LLPへの出資比率」とすることになっています。

ご存知の通り所得税は累進課税です。また、個人事業税は売上ー経費が290万円を超えた額の5%が課税されます。そのため仮に河童ソフトだけで年間800万円の売上、100万円の経費がある場合だと河童ソフトは700万円の所得を基準にいろいろと控除して行くわけですが、同じ金額を河童プロジェクトLLPで受注した場合は、河童ソフトときゅうりソフトには400万円の売上と50万円の経費が分配されます。

河童ソフトだけで700万円の事業所得がある場合、事業税は700万円ー290万円=410万円が課税所得となります。これの5%が事業税です。が、LLPを通した上記の例では事業所得は350万円ずつなので、

  • 河童ソフトは350万円ー290万円=60万円が課税所得
  • きゅうりソフトも350万円ー290万円=60万円が課税所得

となるため、合計で120万円の5%に事業税が減ります。強烈です。一人で700万円の所得と、350万円の所得が2名では課税総額は同じになりません。この差は破壊的です。

分配率は変更できます

分配率は出資者(参加者)の合意があれば変更できる規則です。これは内部自治というLLPの特徴の1つで、非常に大切なことです。我が家の場合、出資比率は1:1なので、本来は売上と経費を50%ずつ分配すべきですが、事業への貢献度や実働時間などを考慮してもっと現実的な比率に変えようと二人で話し合い、合意が形成できればそうしていいのです。

LLPの損益(売上ー経費)はLLP自体には課税されず、それを分配した組合員に課税されます。これはパススルー課税と言われます。この時の分配率に...

いやいや、実際の仕事への貢献度や実働時間などに関係なく出資比率で分配していいのならその方が都合がいい、ということもあるでしょう。僕が調べた限りではそれでダメだとはなりませんでした。

なお、売上と経費を異なる比率で分配するのは制度上できないと理解しています。これができると過度な節税が可能になってしまいますからね。

LLPが想定している過度な節税とは

現実には税務署がどう判断するかになりますが、LLPの制度を設計した人達は発生した損失を意図的に活用して課税対象額を減らすことを「過度な節税」と捉えたようです。が、これは損失が発生した場合にしか適用されないことで、我が家の場合は売上ー経費がマイナスになる事業はしていないので無関係です。

詳細を知りたい方は「LLP 過度な節税」でググるといいです。「調整出資金額」がキーワードです。

一方、LLPのパススルー課税そのものが、条件を満たせば柔軟に変更できる分配率と合わせて節税のツールになるのは明らかです。そんなの説明すれば中学生だって分かります。でもこれが制度であり、我が家はその制度を活用することで節税しているだけです。もちろん、LLPという制度は節税のツールとして設計されたわけではありませんが、制度を活用して節税できるのは事実であり、我が家は制度を活用しているだけです。実際僕の名刺を見た方から良く質問されます。どうしてLLPを作ったのですか?と。その時には「日本の制度を活用するためです。税制上の特典があるんですよ。」と答えています。真実です。

LLPが持つもう1つのメリット

現在の消費税の制度には大きな不満があります。課税売上額が1000万以内だと消費税の非課税業者でいられるのです。消費税を払っている側からするとそれは業者の益税になるので「それはおかしいだろ」になります。気持ちとしてはそうですね。でも個人事業主からすると「それぐらい許してよ」となります。完璧な制度はないので、決められた制度に従うしかありません。

で、LLPはパススルー課税なのでたとえ河童プロジェクトLLPが頑張り過ぎて、あるいはたまたまその年は絶好調過ぎて1010万円の課税売上があったとしても、2名に分配するので2名とも非課税業者のままでいられます。これは強烈です。理論的には2名で2000万円まで非課税業者でOKになるのです。(それは極端な言い方ですが制度上はそうです。)我が家の場合はまだまだ1000万円には届きませんが、今後めちゃめちゃ絶好調だとそういう年もあり得るかも知れません。ソフトウエアの受託開発には波があるのが常なのでその翌年はがっくり下がって肩を落とすかも知れませんしね。

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コメント

  1. ヒロさん より:

    今、このサイトを見せていただきました。
    大変参考になります。ありがとうございます。
    今後じっくりと読ませていただきます。
    今年もよろしくお願いします。