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LLP

LLP設立の手順と書類の雛形を公開します

投稿日:2017年10月7日 更新日:

LLPの設立をしようと思い検索すると代行会社の宣伝、自分でできる設立キット販売への誘導が目につきますが、我が家は自力で設立しました。やる気さえあれば問題なくできます。その手順と再利用できる書類の雛形を公開します。

変更履歴

2018年2月20日

読者の方から頂いた指摘により次を修正、追記しています。

  • 払込証明書で押印するのはLLPの実印に訂正しました。
  • LLP契約書の効力発生日は登記申請日にしておくと問題がないと追記しました。
  • 組合員全員の実印とLLPの実印の持参が必須だと追記しました。

まずはいろいろと調査

検索しまくって勉強しました。で、簡単そうに思えたこの本をAmazonで買いました。

ほとんどこの本に書いてあるやり方でできました。3日間では完了していませんが、テキパキやれば短期間で設立できます。

そして僕が実際に使った文書でここを書き換えれば良いという雛形を公開しますので、それを使うと僕よりもずっと楽ができますよ。

LLPの名称を決める

LLPの構成員は僕と妻の2名で、ソフトウエア開発を主体とした事業を行うのは既に決まっていました。よって、最初に考える必要があったのはLLPの名称です。本当は違いますが、ここでは「河童プロジェクト有限責任事業組合」とします。LLPの名称には前か後ろに「有限責任事業組合」が必要です。なので「有限責任事業組合河童プロジェクト」みたいなのでも構いません。で、普段は通称として有限責任事業組合の代わりにLLPを使っていいそうです。我が家では名刺とか見積書・納品書・請求書などにLLPを使っています。

前記の書籍には同じ事業内容で似た名称が使われていると登記できないとありました。が、これは古い情報で現在ではその必要はありません。

従来は、
「同一の市町村内で、同一の営業目的で、他の会社と同一もしくは類似する商号」
の登記はできませんでした。
2006年に施行された「会社法」により、この規定が削除されて、
登記の段階での「商号の類似や同一のチェック」はなくなった、ということです。

引用:会社設立Web

現在では「同一住所、同一商号でなければ登記は可能」とされています。

LLP契約書を作る

有限責任事業組合 組合契約書の雛形を使って説明します。前出の書籍がネタ元です。

表紙

  • LLPの名称を変更します。
  • 作成日は1日にしていますが、何日でもOKです。我が家の場合は2月1日を作成日にし、12日頃を効力発生日にしました。

1ページ目

  • 事業はやりそうなことを好きなだけ書けばいいでしょう。そして最後に魔法の一文「上記各号に附帯関連する一切の事業」を書くといいそうです。何でもありですね。
  • 自宅で仕事するので事務所の所在地は自宅住所になります。
  • 組合員は僕と妻です。幸い同居しているので住所は同じです。
  • 効力発生日は登記申請日にしておくと間違いないです。

2ページ目

  • 組合の存続期間はこの時期まで事業をしているはずがないという長さにしました。どれだけ長くてもいいようです。
  • 出資金は僕と妻それぞれ10万円ずつにしました。1円以上ならいくらでもいいそうですが事業を運営する上で1円は非現実的なのでそれらしい金額にしました。なお、損失が出る事業ではないので我が家のLLPの決算上この出資金が額が意味を持つことはありません。
  • この出資金の比率は重要なので良く考えてから決めたほうがいいかも知れません。この比率が収益を分配する際の基準となります。分配比率は決算前に変更できるのですが、税務署向けの理由が必要になります。また、後日出資金の額を変更することも可能ですがそれには手間がかかるのでやりたくないです。
  • 我が家の場合は、出資金比率は1:1にしておいて、決算前に売上への貢献度や実働時間や成果や頑張りなどを考慮して分配比率を決定することにしました。
  • もし、損失が出る事業を営む場合は「調整出資金額」について調べた上で出資金額を決めて下さい。

3ページ目

  • 事業年度は1月1日から12月31日にするのがいいです。そうでない場合LLPの決算と個人事業の確定申告が大変なことになります。

4ページ目

このページはそのまま使えるのではないかと思います。

5ページ目

  • 押印に使うのは組合員個人の実印です。
  • このページの上の余白に、組合員全員の個人の実印を捨印として押印します。

まとめて一冊にします

こんな感じです。赤い丸印は僕と妻の実印です。

法務局に出向く時、組合員全員の実印を持参するので(忘れちゃだめ)、もし書類に押し忘れがあっても応対してくれた方が押してくれます。

代表者の個人口座に出資金を振り込む

通帳を発行している銀行に行って代表者の個人口座を開設します。開設済みの口座でも可能ですが、新しく開設した方がいいでしょう。通帳はそのコピーをとって証明書を作るのに必要です。最近は通帳を発行しない銀行も多いので無駄足にならないように事前にチェックしましょう。

なお、この段階ではまだLLPの登記ができていないので、LLP名義の銀行口座は作れません。作れるとしたらその銀行の窓口担当者はおかしいです。

我が家の場合は僕と妻がそれぞれの名義の銀行口座から出資金を振り込みました。どうせ1つの財布だからいいじゃないか、と言いたいところですが規則なのでダメです。また、振込の記録が大事なのでATMからの入金もダメです。めんどうでも、手数料がかかっても振込にします。(我が家の場合は大和ネクスト銀行から振り込んだので手数料無料でした。)

払込証明書を作る

雛形は払込証明書です。

  • 押印に使うのは個人の実印です。
  • 左上にも捨印として押印します。

これが払込証明書の1ページ目になります。2ページ目は出資金が振り込まれた口座の通帳の表紙のコピー(ガバッと開いて表と裏の表紙をコピーします)です。3ページ目は組合員2名からの振込が記帳されたページのコピーです。ずいぶんアナログですね。

この3枚の用紙を束ねて左端を数か所ホッチキスで留めます。そしてページの継ぎ目に実印を押します。(押印するのは代表者LLPの実印だけです。)

効力発生登記申請書を作る

雛形は有限責任事業組合契約効力発生登記申請書です。

  • 印鑑証明書は組合員の数だけ必要です。
  • 別途CD-ROMを作成します。
  • 登記する法務局は事務所の所在地を管轄するところになります。
  • 押印に使うのは代表者の個人の実印です。
  • 左上に捨印します。
  • 余白のどこでもいいので、6万円の収入印紙を貼ります。収入印紙は法務局で購入できます。我が家では「印紙類売りさばき証明書」を2枚、3万円ずつでもらって僕と妻の確定申告時に経費計上しました。

印鑑届書を作る

雛形は印鑑改印届書です。

LLPの実印を登録します。代表者の実印でもいいらしいですが、我が家ではLLPの印鑑を作りました。

実際に作った印鑑

  • 右側の立派そうなケースに入っているのはLLPの実印(太い方)とLLPの銀行印(細い方)です。我が家は印鑑本舗.comで作成しました。こちらは契約書とか重そうな書類にしか使っていません。使用頻度が低いし安価なもので十分です。
  • 左側のはLLPの角印でインク内蔵のスタンプです。我が家はアスクルで作成しました。日常の書類にはこちらを使っています。

CD-Rを作る

前述の書籍にはOCRについて書かれていますが無視して下さい。代わりにCD-Rを使います。

テキストファイルをCD-Rに書き込みます。雛形はllpです。CD-Rにファイルを書き込む際、Windowsなら[CD/DVD プレイヤー使用する]を選んで下さい。

説明するまでもない簡単な内容です。CD-Rに書き込むファイル名は自由ですが、半角文字だけにしておいた方が無難でしょう。

法務局へ登記に行く

必要なものをそろえます。

  • LLP契約書
  • 払込証明書
  • 効力発生登記申請書
  • 印鑑届書
  • CD-R
  • 組合員全員分の印鑑証明書
  • 組合員全員分の実印
  • LLPの実印
  • 現金6万円(印紙代)

そしていよいよ法務局に行きます。窓口の方はとても親切でした。一部どこかを修正して訂正印(実印)を押しましたが、叱られるわけでもなく淡々と進みました。

上記一覧にもありますが、組合員全員分の実印とLLPの実印は必須です。これらがあれば間違いがあってもその場で訂正して受け付けてもらえると思います。

登記できたら再度法務局へ行きます

登記完了予定日を教えてもらえるので、その日に電話で確認しました。これでめでたくLLP設立完了です。我が家の場合は6日後だったと思います。

そして再度法務局へ行きます。印鑑カードと全部事項証明書をもらうためです。印鑑カードは使ったことがないのですが、全部事項証明書は「契約」の場面ではたいてい提示を求められます。

LLP名義の銀行口座は要らない

LLPを設立するのだから銀行口座の名義もLLPにしたいと思うのは自然なことだと思います。(なんとなくかっこいいし。)我が家もそうでした。が、LLPの名義で口座を作れる銀行は少ないです。個人事業主の屋号で口座を作成できる銀行であってもLLPはダメというところが多かったです。

僕の結論です。LLP名義の銀行口座をわざわざ開設する必要もメリットもありません。

  • 開設できる銀行がとても少ないです。みずほ銀行は作れる可能性が高いですが、ネットでの取引が完全に無料でないなど一般の口座からサービス面で見劣りします。
  • 使い勝手を考えるとネット銀行が便利です。他行への振込も一定回数無料になるとか、そういうのはネット銀行が強いですし。その場合、まずLLP名義の口座は作れないと思います。
  • 頑張って作り、我慢して使ったところでメリットと言えば名義がLLPの名称だってだけです。他にいいことはありません。

我が家の場合、出資金を入れてある口座は別で活かしてありますが、LLPの事業用の口座はイオン銀行です。それで問題なく確定申告できます。

 

 

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