たわら先進国株式のトラッキングエラーを分析したいのですが行き詰まっているので誰か助けてください

最近トラッキングエラーに関心を持つようになり、自分で調べたいと思い始めました。材料はMSCIコクサイのインデックス、円ドル換算レート(TTM)、対象ファンドの基準価額です。ところがすぐに基準のない比較をしていることに気付き、まずは運用が上手でトラッキングエラーが少ないと思われる(そのように聞いている)たわら先進国株式について調べることにしました。

が、それでもすぐに行き詰まりました。この先どうすればいいのかご教示頂けませんでしょうか。

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事前準備

MSCIコクサイをベンチマークにしたインデックスファンドはたくさんあるのでトラッキングエラーを調べるには都合がいいと思いました。それらの中には過去3度ほど下方乖離を起こしたことで知られている(しかし依然人気が高い)ものもあるのでなおさら興味を引かれました。

それでMSCIのホームページからMSCIコクサイの日次データをダウンロードしたのですが、そのためのUIは史上最低と断言できるひどいものでした。希望する期間の日次データを素直にダウンロードできません。やっとのことで2013年1月31日から2017年末までの日次データをダウンロードできましたが、それ以前はどうやっても無理でした。(もっと過去のデータをダウンロードする方法をご存知の方、教えて頂けると幸いです。)プライス、ネット、グロスの3種類を手に入れました。

次に円ドル換算のTTMと呼ばれているデータを三菱東京UFJ銀行のホームページからダウンロードしました。こちらは苦労せずにできました。

ダウンロードしたファイルをエクセルで加工して自分に都合の良いcsvファイルに直しました。プログラムで処理するためです。

最初にeMAXIS先進国株式と比較してみたものの

最初に試みたのはeMAXIS先進国株式でした。基準価額の日次データをモーニングスターからダウンロードして次の計算をし、ベンチマークとeMAXIS先進国株式をグラフにプロットしてみました。

ある日のベンチマークの円価格を、その日のTTMの円ドル換算レートとその前日より前に遡ったプライスのドルデータから計算します。これが円換算されたプライスのベンチマークになります。これを2013年2月1日を開始点にして騰落率を求めます。同様にeMAXIS先進国株式の基準価額を2013年2月1日を開始点にして騰落率を求めます。これらの騰落率をグラフにプロットします。

すぐにこれは意味のあることをしていないのだと気付き、方針を変更しました。(eMAXIS先進国株式は配当金を含まないプライスをベンチマークにしていますが、プライスが基準では何が正しいのか分かりようがないと思ったのです。)そして選んだのがたわら先進国株式です。

たわら先進国株式の運用報告書を見る

たわら先進国株式はグロスをベンチマークにしています。トラッキングエラー(乖離)を見るには最も適したインデックス(指数)だと思われます。また、たわら先進国株式がトラッキングエラーを起こしたという話は聞きません。

昨年12月に公開された第2期の運用報告書を見ます。色の付いた枠は僕が加工したものです。

引用:たわらノーロード 先進国株式運用報告書を河童が加工

赤枠部分は基準価額のデータからすぐに確認できます。問題は青枠部分です。こうあります。

MSCIコクサイ・インデックス(円換算ベース、配当込み、為替ヘッジなし)

これはグロスのドルを円換算していることを指しますが、円換算方法は非公開です。前記TTMで円換算したものはこの表のもの(ポイント列)とは微妙に違います。が、小数点以下1桁の精度だとこの表と同じ結果が得られました。次の表は僕の計算結果です。%を小数点以下2桁で表示しています。

小数点以下1桁にすると同じ結果なのは確認済みです。よって円換算にわずかな誤差があるとしてもトラッキングエラーを分析する上では無視できるレベルだと思われます。

ここで気になるのは騰落率差です。ベンチマークとの差ですが、原理的にベンチマークから配当に課税された分と実質コスト(信託報酬+隠れコスト)分だけは下方乖離するので、時間の経過と共に差が広がるのは理解できます。運用報告書にはこのように書かれています。

引用:たわらノーロード 先進国株式運用報告書

「信託報酬等の要因を除くとベンチマークにほぼ連動する投資結果となりました。」とあります。これは僕のような素人の目には「特段報告するようなトラッキングエラーは起こしてませんよ」と言っているように思えます。また、騰落率差は想定通りと言っているようです。

騰落率差の内訳が分からない

ここで第一の疑問です。期末の騰落率差は-0.55%ポイントです。ベンチマークと基準価額の差を比率で言うと-1.66%です。運用にミスがなくても、ベンチマークから配当金への課税分と実質コストはマイナスされるのでいくらかの騰落率差はあって当然ですが、ではこの実際の騰落率差は納得できるものなのでしょうか。

たわら男爵様のブログ記事によると、たわら先進国株式の第2期のトータルコストは0.254%だそうです。騰落率差はこんなものじゃないですよね。では残りは配当金にかかる税金でしょうか。騰落率差は想定内だと説明されていると思いますが、その理由や内訳は書かれていないので評価のしようがありません。

この内訳が分かる方、コメントをお待ちしております。

騰落率差は変動します

騰落率差の変化が分かるグラフです。クリックで拡大します。

オレンジのラインが騰落率差です。変動しています。この変動のいわゆる直流成分が、運用にミスがなくてもかかってしまう費用に相当するのでしょうかね。また配当金は複利で考えないといけないでしょうか。とにかく分かりません。

そして暴れている成分がトラッキングエラーですかね。このオレンジのラインをどう評価するかがポイントだと思うのですが、ここで行き詰まりました。

運用報告書で説明して欲しい

運用報告書にある、該当するグラフはこれです。 ずいぶん印象が違います。

引用:たわらノーロード 先進国株式運用報告書

このグラフのプロット方法では差が分かりません。ほとんどないように見えます。そのように意図していると勘ぐられてもしょうがないですね。

運用が上手にできていて特段報告するような問題がないのなら、騰落率差についてもう少し明らかにできていいと思うのですが、現状では難しいですかね。投資家(受益者)がもっと関心を寄せるようになれば変わるでしょうか。

トラッキングエラーの評価方法

信託報酬や実質コストは同様のアセットクラスに投資するインデックスファンドを比較する材料としてフェアだと思います。リターンを比較する場合に1年とか3年とかのピンポイントのデータだと果たして同じ比較をしているのか確認が必要でしょう。でもまあ目安にはなりますね。

僕が問題だと思うのはベンチマークとの差です。MSCIコクサイをベンチマークとする先進国株式ファンドはプライス、ネット、グロスの異なる3種類のインデックス(指数)を対象とするものに分かれます。プライスは配当なし、ネットとグロスは配当込みですがどれも同じ土俵では比較できないはずです。インデックスファンドの比較表でネットとグロスが混ざっているのを見かけますが、3ヶ月前の僕だと何も考えずに信じてしまいます。

また、ベンチマークとの差をある時間軸上の1点で切り取って比較するのは乱暴だと思います。その数値が信託報酬や実質コストと並んであると、素人目には同様の重みを持って映らないでしょうか。もっと安定感のある、比較に適した数値が欲しいです。

それで、投信ブロガーの間でたびたび話題に上がるトラッキングエラーですが、その評価方法が分かりません。ネットを探しまくると僕の理解できない大きな変動をプロットしたグラフが見つかるのですが、トラッキングエラーがそんなにあったらみんなもっと騒ぐに違いないと思いますし、納得の行く解説を見つけることができませんでした。

また、あるインデックスファンドの騰落率の変化と比較して差があるのを指して「乖離している」「トラッキングエラーを起こしている」とする向きもありますが、これには2つの感想を抱いています。

  • その比較方法はフェアではないのでは。基準にしているインデックスファンドにトラッキングエラーがないことが証明されていないと通らない話ではないか。
  • 現実問題として同じ指数をベンチマークとするインデックスファンドが4本あってそのうち1本だけ騰落率の変化がおかしかったらトラッキングエラーだと判断しても不都合はないしこれに勝るフェアな比較方法は現状ないのでは。

この感想は矛盾していますね。

助けて頂ける方、お願いします

コメントでも「お問い合わせ」からのご連絡でも結構です。よろしくお願いします。

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コメント

  1. こんにちは。ベンチマークについて、プライス・ネット・グロスの3つに分類した上で詳細に分析されていて、大変興味深く拝見しています。
    私は、河童さまの疑問に答えられるほどの知識を持ち合わせていませんが、いくつかコメントさせてください。

    (1)トータルコストと騰落率差の説明できない部分について
    かつて発生した「ニッセイ外国株式インデックスファンド」の乖離については、以下の記事の通り、TTMの臨時変更が大きな要因のようです。

    ニッセイ外国株式インデックスファンドの乖離についての評価
    https://www.valuetrust.net/entry/2016/11171845.htm

    このような為替取引の失敗は、ファンドの騰落率とベンチマークとの差異として現れます。
    一方、為替取引のコストについては、取引の成功・失敗にかかわらず同一と見なせるでしょうから、ファンドの実質コストとして現れてこないように思いました。
    それが正しいならば、トータルコストと騰落率差の説明できない部分(の一部)は、為替取引で生じているものと考えられそうです。

    (2)インデックスファンド同士の騰落率の比較について
    本題から若干逸れますが、記事末尾の「同じ指数をベンチマークとするインデックスファンド~の騰落率」に関連して、以下のようなページを作り、運用しています。

    インデックスシリーズ騰落率表
    https://www.beatrek.com/home/invtools/isrf.htm

    その中で、「三井住友・DC兼用」と「i-mizuho」の2シリーズについては時々、他のシリーズと異なる騰落率を示すことがあり(2シリーズ同士は似たような騰落率となっています)、私もその評価に悩んでいます。
    これも例えば、為替取引にTTM以外を採用しているのであれば、他との差異の説明も簡単につきそうですが、そこまで調査の手が回っていません。
    ※上記ページ内にも記載していますが、iFreeの新興国株式クラス・8資産均等クラスやSMTインデックスの新興国債券h(為替ヘッジあり)クラス、i-mizuhoの国内REITクラスは、他のファンドとベンチマークが異なりますので、比較の際はご注意ください。

    (3)ベンチマークの配当の扱いについて
    私もかつて、ベンチマークの配当込み・除くについて疑問に思い、浅いながらも考察してみたことがあります。

    インデックスファンドの配当込み・除くベンチマークを私なりに考察する
    https://www.valuetrust.net/entry/2015/09242045.htm

    その中で、例えば「TOPIX」と「配当込みTOPIX」を比較すると、指数の知名度や入手性、入手コストなどの要因が絡み、TOPIXを選択しているのではないかと思慮しています。
    同時に、運用会社がベンチマークに特段のこだわりを持っていない可能性も、小さいながら考えられそうです。

    以上、取り留めのないコメントとなり失礼しました。

  2. 河童 より:

    アウターガイ様

    コメントありがとうございます。リンク先の記事、参考にさせて頂きます。
    インデックスファンドを評価する上で重要な要素であるにも関わらず評価、比較の基準が不明確かつ統一されていないというのは困りますね。
    信託報酬、実質コストに続いて実際の運用についても適切な比較ができるようになって欲しいものです。

    MSCIコクサイをベンチマークとする他の主要インデックスファンドについても同じ分析をした記事を準備中です。

    よろしくお願いします。