ローコスト先進国株式インデックスファンドの人気を検証しました:ニッセイ外国株式の圧勝です

特定のインデックスファンドの人気は、そのファンドへの資金流入(購入)額と資金流出(売却)額が分かればとてもリアルな実情が把握できると思います。人気があれば購入額が増え、なければ売却額が増えます。が、残念ながらそこまでの情報は公開されていません。

それでも純資産総額のデータは公開されているため、購入と売却の内訳は分からないものの、人気があれば純資産総額は他のファンドよりも速いペースで増えることから、人気を測る指標に使えます。さらに、純資産総額を基準価額で割ると総口数になりますが、総口数は株価の変動の影響を直接受けないので(購入も売却もない場合は基準価額が変動しても総口数は変わりません)、より実情に近い姿が分かると思います。

この記事ではローコスト先進国株式インデックスファンドの純資産総額、総口数の変化を比較することで「人気」の検証を試みました。

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比較するローコスト先進国株式インデックスファンド

登場頂くのは次の6本です。トータルコスト(信託報酬+隠れコスト)はたわら男爵様のブログ記事からの引用です。

商品名 信託報酬+隠れコスト(税込み) 設定日
eMAXIS Slim 先進国株式インデックス 0.21226%(推定) 2017/02/27
たわらノーロード先進国株式 0.254% 2015/12/18
iFree 外国株式インデックス 0.2742% 2016/09/08
ニッセイ外国株式インデックス 0.30412% 2013/12/10
i-SMT グローバル株式インデックス 0.2482%(推定) 2017/11/24
Smart-i 先進国株式インデックス 0.5912%(推定) 2017/08/29

出典:40代でアーリーリタイアしたおっさんがたわら先進国株でベンツを買うブログ

以下、分析に使った基準価額のデータはモーニングスターから、純資産総額のデータはYahooファイナンスから取得しました。

また、分析対象期間は設定日から2018年1月末までとしました。2月の株価下落時に総口数がどう変化したかについては別記事で検証したかったからです。(この記事を書いている時点では僕もまだその結果を知りません。僕自身、分析するのを楽しみにしています。)

おことわり

総口数=純資産総額÷基準価額

としたのですが、正しくは

総口数=純資産総額÷(基準価額÷10,000)

でした。この記事内のグラフの総口数の絶対値は1/10,000となっています。ご了承下さい。

純資産総額の変化をそのまま比較

次は純資産総額をそのままプロットしたものです。

純資産総額をそのままプロット

  • 水色のニッセイ外国株式の金額は圧倒的です。800億円超えていますからね。下方乖離の指摘など関係ありません。
  • 緑のたわら先進国株式はニッセイ外国株式と似たような増加率ですね。
  • 赤のeMAXIS Slim先進国株式は存在が分かる程度です。
  • 残りの3本は拡大版グラフで見えるか見えないかです。

総口数の変化をそのまま比較

純資産総額は基準価額の変動の影響を受けます。総口数は受けません。次は総口数をそのままプロットしたものです。

総口数をそのままプロット

基準価額の変動を受けないので細かいブレが激減しています。

総口数の変化を設定日を同じにして比較

次は設定日を同じにしてそこからの総口数の変化をプロットしたものです。グラフの変化は同じ時期に起きたものではないことに注意して下さい。

設定日を同じにしてそこからの総口数の変化をプロット

ラインを上から順に見ていきます。

  • 緑のたわら先進国株式は水色のニッセイ外国株式を凌駕するペースで総口数を増やしていることが分かります。
  • 赤のeMAXIS Slim先進国株式は信託報酬率を驚異の税込み0.11826%に引き下げると発表した頃から増加率が上がっているのが分かりますが、それまでの増加率はたわら先進国株式やニッセイ外国株式に及びませんでした。
  • 青のiFree外国株式はもう飽和点に達していて大きな成長は望めない気がしますね。
  • 紫のi-SMT グローバル株式は増えていませんね。これはダメでしょう。
  • オレンジのSmart-i 先進国株式インデックスは見えませんね。これもダメでしょう。

eMAXIS Slim先進国株式の設定日を基準にして比較

次はeMAXIS Slim先進国株式の設定日を基準にしてその時点の総口数からの増減をプロットしたものです。ニッセイ外国株式とたわら先進国株式はeMAXIS Slim先進国株式の設定日の総口数分だけ引き下げたグラフになります。(縦軸は割合ではなくてグラフの左端を0とした総口数の増減であることにも注意して下さい。)

eMAXIS Slim先進国株式の設定日を基準にしてその時点の総口数からの増減をプロット

時間軸は同じなので、同じ時期の総口数の変化を比べることができます。

  • ニッセイ外国株式の増加率は圧倒的です。たわら先進国株式の倍以上のペースで増えていますね。
  • eMAXIS Slim先進国株式は現時点で推定トータルコスト最安の先進国株式インデックスファンドですが、信託報酬率を驚異の税込み0.11826%に引き下げると発表する前の人気はニッセイ外国株式、たわら先進国株式に遠く及ばなかったことが分かります。
  • その発表後もニッセイ外国株式、たわら先進国株式ともに何事もなかったかのように同じ増加ペースを維持していますね。むしろニッセイ外国株式は増加率を上げているように見えます。
  • 残りの3本は、残念ながら、競争から脱落していると言っていいでしょう。

たわら男爵様の次のブログ記事によると、eMAXIS Slimシリーズ登場当時は信託報酬に関する方針のウケが良くなかったものの、その後信託報酬の引き下げにより評価を上げたようです。

検証結果について

これはあくまで僕個人の感想です。

ニッセイ外国株式

Found of the Yearを3連覇したことは知っていましたが、こんなに人気が高かったとは知りませんでした。今後も現在の人気を維持できるのか、いろいろな理由で変化が表れるのか動向から目が離せないです。

たわら先進国株式

ニッセイ外国株式にはかなわないものの、人気は十分高いと言えます。設定直後の爆発的な人気はニッセイ外国株式を凌駕していました。また、ニッセイ外国株式と違って運用に不安要素はありません。トータルコストはニッセイ外国株式よりも低いので、僕は新規購入はニッセイ外国株式でなくてたわら先進国株式を選ぶ人が増えてもいいと思います。が、現在ではeMAXIS Slim先進国株式がトータルコスト最安なので、たわら先進国株式よりもeMAXIS Slim先進国株式を選ぶ人が増えるかも知れません。

eMAXIS Slim先進国株式

僕はこのインデックスファンドが好きで実際に投資しています。今回の分析でeMAXIS Slim先進国株式のポジションが良く分かりました。僕はこのインデックスファンドを応援しますし、順調に総口数(純資産総額)を伸ばして欲しいです。なぜならそれはeMAXIS Slim先進国株式に投資している人(受益者)全員にとってメリットになるからです。

iFree 外国株式、i-SMT グローバル株式Smart-i 先進国株式

次は純資産総額の変化をiFree 外国株式の設定日に合わせてプロットしたものです。

iFree 外国株式、i-SMT グローバル株式、Smart-i 先進国株式

  • 赤は、上で見た通り、ニッセイ外国株式、たわら先進国株式に比べて人気が低かったeMAXIS Slim 先進国株式です。比較のためにプロットしました。残る3本はそれよりもっと人気がありません。
  • 緑のiFree 外国株式は増加ペースが低い状態で頭打ちになっています。目論見書によると総口数が30億を下回ると繰り上げ償還可能とありますが、それは純資産総額が30億円は必要だということです。10億もあれば繰り上げ償還しないと思いますが、不安ですね。
  • i-SMT グローバル株式は設定されてから日が浅いですが、極めて低迷しています。このままでは勝ち目はないでしょう。
  • Smart-i 先進国株式i-SMT グローバル株式よりも低迷しています。推定トータルコストも一世代前の水準なので人気が出るとは思えないです。

純資産総額が少ないと繰り上げ償還のリスクが高まります。i-SMT グローバル株式、Smart-i 先進国株式にこれから投資するメリットはないですね。すでに投資している場合は繰り上げ償還のリスクを真剣に考えたほうがいいでしょう。

iFree 外国株式に投資している人も新規投資はeMAXIS Slim先進国株式に変更した方がいいと思います。

結論

ファンドへの投資は、1円1票で人気投票するようなものだと思います。現実のお金がからむので、人気のあるファンドは資金を集めますが、そうでないファンドは低迷します。

純資産総額が大きいと運用会社は信託報酬から相応の利益を上げることができ、その利益によりファンドの運用を継続することが可能になります。また純資産総額に比例しない固定費のようなものは純資産総額が増えると相対的に安くなるので受益者全員の恩恵となります。ファンドの運営は安定し、資金の流入・流出の影響を受けにくくなります。純資産総額は、たわら男爵様いわく「受益者の愛」で、受益者全員でそのファンドを支えるのです。

「他人がどう考えようが僕はこのファンドが好きだから投資するよ」も自己責任だからいいのですが、人気がなくて十分に資金を集められないファンドには繰り上げ償還のリスクが払拭されないことに注意が必要です。繰り上げ償還は現実にありえます。次はアウターガイ様のブログ記事です。

ブラックロックが2018年2月2日付で、i-mizuhoシリーズの商品性を戦略的に見直すと発表しています。プレスリリースによると、見直しの具体的内容として、繰上償還・新規設定・信託報酬率引き下げ・ブランド名変更の4点を挙げています。

投資するファンドの選択は大切ですが、その後そのファンドが順調に純資産総額を伸ばしているか、受益者に支持されているか(=人気があるか)を気にすることも必要だと思います。この点でも、インデックス投資はほったかしでいいというのはウソです。ほったらかしにしていたら繰り上げ償還されてましたでは話になりません。

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