ニッセイ外国株式のトラッキングエラーを分析しました(2)

これは次の記事の続きです。

これは次の記事の続きです。 結果的にシリーズ物になりましたが、これまで次のインデックスファンドのトラッキングエラーを分析してい...

ニッセイ外国株式は2014年10月と2016年11月に十分大きな下方乖離を起こしています。その時に起こした下方乖離で失ったリターンは回復することなく失われたままとなっています。

そして2018年2月に再度乖離を起こし、その後元に戻したためたわら男爵様に「ニッセイマジック」と揶揄されました。

問題とされた乖離は、MSCIコクサイのベンチマークを使ったトラッキングエラー分析ではどう見えるのか、僕自身楽しみにしていました。

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ベンチマークとの差

青のラインが見えているところにはベンチマークとの差があります。

ベンチマークとの差

オレンジのラインがその差を示しています。問題とされた乖離は赤の矢印部分です。下方乖離、上方乖離を起こした後、しばらくして元に戻ったということですが、ベンチマークとの差で見ると元に戻ったとは言えず、細かい変動は常時あることが分かります。

また、青の矢印部分にも大きな下方乖離がありますが、これはネット上で話題になりませんでした。

もう少し前はどうだったか

これは前記グラフの左側に相当する期間です。

もう少し前の期間

オレンジのラインを見て下さい。常時細かい変動がありますね。時間軸のスケールが違うのでヒゲ状ですが、先に見たグラフと同じ変動です。

こういう細かい変動は他のインデックスファンドにもあります。僕はこの細かい変動そのものはトラッキングエラーではなく無視していいものだと思うようになりました。(為替の影響によるものではないかと思うのですが、本当のところは分かりません。投信ブロガーで僕の疑問に答えられる人はこの世に存在しないのかも知れません。)

たわら先進国株式はどうだったのか

同じ分析をたわら先進国株式でしました。似たような変動はあります。

たわら先進国株式

でもたわら先進国株式は乖離を起こしたと言われていません。それに、ネット上でニッセイ外国株式が乖離を起こしたというのは、他のMSCIコクサイをベンチマークにしている先進国株式系インデックスファンドのリターンの騰落率と違うことからそう言われているのです。MSCIコクサイのベンチマークとの差が指摘されたのではありません。

リターンの差を見る

ではリターンの騰落率の差を比較します。

ニッセイ外国株式 vs たわら先進国株式

ニッセイ外国株式 vs たわら先進国株式

(最初のグラフの)赤の矢印部分で下方乖離、上方乖離を起こした後少しして元に戻しているのが分かります。(クリックして拡大版をご覧下さい。)でも、大きなトゲ状の乖離を除けばたまに観測される程度の差です。

ニッセイ外国株式 vs eMAXIS Slim 先進国株式

ニッセイ外国株式 vs eMAXIS Slim 先進国株式

「ニッセイ外国株式 vs たわら先進国株式」のグラフに良く似ています。たわら先進国株式とeMAXIS Slim 先進国株式とニッセイ外国株式の騰落率を比べた時にニッセイ外国株式にだけ差があるので、過去に大きな下方乖離を起こした「前歴」もあることから注目されてしまうのでしょう。

たわら先進国株式 vs eMAXIS Slim 先進国株式

当然この組み合わせの比較結果も見たいですよね。僕もです。

たわら先進国株式 vs eMAXIS Slim 先進国株式

トゲがありません。ほぼまっ平らです。僅かに右下がりなのはトータルコストの差だと思っています。

結論

  • ニッセイ外国株式が過去に起こした2回の大きな下方乖離は明らかに受益者に損失を与えています。それらと比べると今回の乖離は元に戻しているので大した問題ではないかも知れません。
  • が、受益者が購入または売却する場合はそのタイミングでの時価で行うため、乖離の影響を無くしている最中に行った取引によって生じる損失があるならそれは許容できないでしょう。その点で僕は今回の「変動」は無視していいものとは思いません。
  • たわら先進国株式とeMAXIS Slim 先進国株式のリターンの騰落率変化は同じでした。この2つのインデックスファンドを運営している組織にできていること(ベンチマークを忠実にトレースすること)がニッセイアセットマネジメントにできていないのは事実です。
  • この分だと過去2回の大きな下方乖離と同じ、受益者の損失を確定させる乖離を再度起こしかねません。

これから先進国株式系インデックスファンドに投資するならニッセイ外国株式を選択する理由はないでしょう。誰もが気にするトータルコストだけでeMAXIS Slim 先進国株式の勝ちだからです。現在ニッセイ外国株式を保有している人は悩ましいでしょうね。僕は、少なくとも、追加投資はやめた方がいいと思います。

あとがき

MSCIコクサイをベンチマークにしている先進国株式系インデックスファンドの騰落率を比較して、インデックスファンドA、B、Cはほぼ同じなのにDだけが違うことからDが乖離を起こしているとするのは、わずかな抵抗は感じるもののおそらく乖離の有無を見る簡便な方法としては有効だと思います。でもそれでインデックスファンドDに低い評価を与えてしまうことの危険性を心配する自分もいます。

スッキリしないのは、乖離(トラッキングエラー)を評価する確かな方法がないからです。インデックスファンドの運営組織にとって言及したくないことかも知れませんが、受益者から資金を集めて運用している以上、目標通りに運用できているかどうかはオープンであるべきでしょう。残念ながら現在、ベンチマークとの乖離については運用報告書でさえお茶を濁した記述がされるに過ぎません。

このような現状だと、騰落率を比較して多数でない動きをするインデックスファンドを非難するのはやむを得ないでしょう。何しろ大切なお金がからんでいるのですから。

他の先進国株式インデックスファンドはどうだったの?

話の続きがこちらにあります。

次の記事でたわら先進国株式とeMAXIS Slim 先進国株式のリターンの騰落率変化は同じなのに、ニッセイ外国株式だけが下方乖離と上方乖離を...

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