つみたてNISAは「年初まとめて積み立て」と「毎月積み立て」のどちらが有利か検証しました

つみたてNISAは投資できる期間1年+ホールドしかできない期間が最長19年の1セットが最大20セット利用できる制度です。(売却はいつでもできます。)1セットあたり投資できる上限金額は40万円です。つみたてNISAは制度設計としては「積み立て」を前提としているものの、購入方法に自由度があるため年初にまとめて40万円積み立ててしまうことが可能です。実際の購入方法は証券会社により異なります。つみたてNISAの狙いは、非課税枠を設けるので最長20年かけて積み立てて下さい、でしょう。

では年初にまとめて積み立てるのと、素直に12ヶ月かけて積み立てるのではどちらが有利(=得する)でしょうか。未来のことは分かりませんが過去の実績データから検証してみました。

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検証方法

インデックスファンドの基準価額データを使い、過去のある月からの12ヶ月間をつみたてNISAの投資可能期間だったらと仮定して次の計算をします。

  • 年初まとめて積み立ては初月の月初営業日に40万円購入、約定した時の口数を計算します。
  • 毎月積み立ては、12ヶ月かけて毎月の月初営業日に初回は33,700円、2回目以降は33,300円購入します。合計40万円です。そして約定した口数の合計を計算します。
  • 年初まとめて積み立てと毎月積み立ての保有口数の差を計算します。

つみたてNISAは毎年1月から12月の12ヶ月間が投資可能期間と決まっていますが、それだとサンプル数が少ないので過去の実績データを1ヶ月ずつスライドさせながら、ある月からの12ヶ月間における積み立て方法の違いによる保有口数の差を調べることにしました。

保有口数の差を見る理由

つみたてNISAは最長20年間の1セットを最大20本利用可能ですが、各セットは独立していて影響しあいません。(この検証に関係ない制約には触れません。)各セットのリターンは最初の1年間で購入できた口数と売却時の基準価額だけで決まります。それは次の公式が真理であるためです。

評価額=保有口数×基準価額

よって、より儲かるようにするには保有口数を多くするしかありません。基準価額はコントロールできないからです。そして、保有口数は投資可能期間内に決定し、その後の最長19年間では絶対に増やせません。また売却しなければ絶対に減りません。

つまり、保有口数の差=そのセットの評価額の差となります。保有期間に関わらず、です。

補足:リターンの差はどれだけ安く買えるかで決まります

上の話では保有口数で考えていますが、一般的には平均取得価額を用いるのが適切です。インデックスファンドでより儲かるようにするには安い時に買うことで平均取得価額を下げれば良いのです。が、上の話では投資金額が40万円で固定なので、分かりやすい保有口数を用いました。

年初まとめて積み立てと毎月積み立てのどちらがリターンが高くなるかという話は、どちらが安く買えるかと同意です。

  • 投資金額が同じなら、安く買えると保有口数が増えます。
  • 保有口数が同じ場合、安く買えているなら平均取得価額が下がります。

毎営業日積み立てはどうなの?

毎営業日積み立ての効果については次の記事で検証済みです。

次のレポートをご覧になった方も多いと思います。 このレポートでは「リターンは毎日も毎月も差がない」と結論付けています。そして計...

今回の検証結果を見れば、つみたてNISAで毎営業日積み立てを利用するのが有利かどうかについての判断基準も得られます。

共通事項

  • シミュレーションの終了月はみな2018年2月です。
  • 開始月は対象インデックスファンドの設定日の翌月です。
  • 保有口数の差のプロットは毎月1回だけです。
  • 保有口数の差のプロットは直近の11ヶ月には(計算できないので)ありません。
  • グラフの上に「年初まとめて積み立て」の方が有利だった割合を表示しています。便宜上「勝率」という言い方をしています。
  • グラフの緑のラインが保有口数の差で、プラスは年初まとめて積み立てが有利であることを示しています。
  • 赤のラインは基準価額です。

eMAXIS 先進国株式インデックス

MSCIコクサイをベンチマークとするインデックスファンドを代表してもらいました。

eMAXIS 先進国株式インデックス

年初まとめて積み立ての勝率が73.0%です。基準価額が右肩上がりで増える年ほど、年初まとめて積み立てが有利です。

eMAXIS TOPIXインデックス

東証株価指数(TOPIX)をベンチマークとするインデックスファンドを代表してもらいました。

eMAXIS TOPIXインデックス

年初まとめて積み立ての勝率が67.4%です。株価が上昇傾向なら年初まとめて積み立てが有利です。

eMAXIS 日経225インデックス

日経平均株価(日経225)をベンチマークとするインデックスファンドを代表してもらいました。

eMAXIS 日経225インデックス

年初まとめて積み立ての勝率が66.3%です。株価が上昇傾向なら年初まとめて積み立てが有利です。

eMAXIS 新興国株式インデックス

MSCI エマージング・マーケット・インデックスをベンチマークとするインデックスファンドを代表してもらいました。

eMAXIS 新興国株式インデックス

年初まとめて積み立ての勝率が64.0%です。基準価額が右肩下がりだと毎月積み立ての方が20%程度も有利です。年初まとめて積み立ての圧勝でないことが分かります。

eMAXIS 先進国債券インデックス

シティ世界国債インデックス(除く日本)をベンチマークとするインデックスファンドを代表してもらいました。

eMAXIS 先進国債券インデックス

年初まとめて積み立ての勝率が58.4%です。基準価額の伸びが期待できない年は毎月積み立ての方が有利だと分かります。

eMAXIS 新興国債券インデックス

JPモルガンGBI-EMグローバル・ダイバーシファイドをベンチマークとするインデックスファンドを代表してもらいました。

eMAXIS 新興国債券インデックス

年初まとめて積み立ての勝率が60.3%です。シミュレーションからは年初まとめて積み立てを選択しておけば安心と言えますが、未来のことは分かりません。

eMAXIS 国内リートインデックス

東証REIT指数をベンチマークとするインデックスファンドを代表してもらいました。

eMAXIS 国内リートインデックス

年初まとめて積み立ての勝率が66.3%です。シミュレーションからは年初まとめて積み立てを選択しておけば安心と言えますが、未来のことは分かりません。

eMAXIS 先進国リートインデックス

S&P先進国リート指数(日本除く)をベンチマークとするインデックスファンドを代表してもらいました。

eMAXIS 先進国リートインデックス

年初まとめて積み立ての勝率が68.5%です。シミュレーションからは年初まとめて積み立ての方が圧倒的に有利と言えますが、未来もそうだとは限りません。

eMAXIS 新興国リートインデックス

S&P新興国リート指数をベンチマークとするインデックスファンドを代表してもらいました。

eMAXIS 新興国リートインデックス

年初まとめて積み立ての勝率が57.5%です。基準価額が右肩下がりの時は毎月積み立ての方が有利だと分かります。

eMAXIS バランス(8資産均等型)

8資産均等型バランスファンドを代表してもらいました。

eMAXIS バランス(8資産均等型)

年初まとめて積み立ての勝率が78.5%です。これなら年初まとめて積み立てを選択して外れたら運が悪かったと思えます。

セゾンVGBF

先駆者だった頃の実績に敬意を表して参加してもらいました。

セゾンVGBF

年初まとめて積み立ての勝率が59.2%です。明らかに不景気な年以外は年初まとめて積み立てでいいと思えます。

結論:年初まとめて積み立てをおすすめします

このシミュレーションでは毎月積み立ての方が勝率が高いものはありませんでした。過去の実績を参考にして選ぶなら、可能な限り年初まとめて積み立てがいいです。僕は来年からつみたてNISAを始めますが、必ず年初まとめて積み立てにします。

年初にまとめて投資する資金を用意できない場合は、無理しないで12ヶ月かけて積み立てましょう。毎月積み立てであっても、つみたてNISAは資産形成にものすごく有利な制度であることには変わりありません。

年初にまとめて投資するのが無理でも、年初にボーナス時設定で20万円、毎月20万円÷12ヶ月の積み立て設定のようにできるだけ早く投資した方が、多くの場合有利です。

おや、おかしいですね。僕は「一括投資しない派」だったはずです。はい、それは変わっていないのですが、つみたてNISAは年間の投資上限金額が40万と(相対的に)少ないため年初まとめて積み立てでも良いと思っています。僕が一括投資を嫌うのは、一括投資後に基準価額が暴落すると高値掴みをしてしまったと悔やんでしまう精神的ダメージが大きいというのが最大の理由です。でも、つみたてNISAは一括投資と言っても40万円でしかないことから大したダメージにはならないと思うからです。ここは個人の経済状況によるのでみなそれぞれ考え方は違うと思います。

それより今回のシミュレーション結果から、年初まとめて積み立ての方が高いリターンが期待できることが分かったので、確信を持って年初まとめて積み立てを選択します。どうせ投資するのは大好きなeMAXIS Slim バランス(8資産均等型)ですし、過去の実績では年初まとめて積み立ての圧勝ですから。

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