iFree S&P500のトータルコストを推測しました:どう思うかは受益者次第です

S&P500指数に連動するインデックスファンドではiFree S&P500が良く知られています。まだ運用報告書が公開されていないのでトータルコストは不明ですが、人気の理由は信託報酬税込み0.243%で登場させたことでしょう。

他にS&P500指数に連動するインデックスファンドが2本あります。iシェアーズ米国株式インデックスと、ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズ(以降SSGAと略します)の米国株式インデックス・ファンドです。

商品名 信託報酬(税込み) トータルコスト(税込み)
iFree S&P500 0.243% 不明
iシェアーズ米国株式 0.405% 0.467%(推定)
SSGA米国株式 0.486% 0.544%

これら3本のリターン実績を比較しました。

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人気を比較

いきなり人気から比較します。次は純資産総額の推移です。

純資産総額の推移

iシェアーズ米国株式は2013年9月に設定されました。(最初は違う名前でした。)それから約4年後にiFree S&P500が設定され、1ヶ月遅れてSSGA米国株式が設定されました。iシェアーズ米国株式が4年以上かけて積み上げた純資産総額をiFree S&P500は半年もかからずに抜き去っています。SSGA米国株式は明らかにiFree S&P500に遅れをとっています。

次は総口数の推移です。基準価額の影響を受けないので受益者の行動をより適切に把握できます。

総口数の推移

リターン比較

3本まとめてプロットします。比較期間は設定日が最も遅いSSGA米国株式の設定日直後を避けて、2017年10月10日から2018年5月31日です。

リターン比較

差は拡大版グラフでようやく分かる程度ですが、リターンの高い順にSSGA米国株式、iFree S&P500、iシェアーズ米国株式となります。

ここからは1対1で比較します。青のラインがリターンの差です。

iFree S&P500 vs SSGA米国株式

青のラインがマイナス圏で推移しています。これはiFree S&P500よりもSSGA米国株式の方がリターンが高いことを示しています。このグラフから、トータルコスト差が0.07%ポイント程度あると思われます。

iFree S&P500 vs iシェアーズ米国株式

青のラインはおおむねプラス圏で推移しています。これはiFree S&P500の方がiシェアーズ米国株式よりもリターンが高いことを示しています。このグラフから、iFree S&P500のトータルコストはiシェアーズ米国株式よりも低いと思われます。

SSGA米国株式 vs iシェアーズ米国株式

青のラインはプラス圏で推移しています。明らかにSSGA米国株式の方がiシェアーズ米国株式よりもリターンが高いです。また、リターンの差がうねるのはiシェアーズ米国株式によるものと思われます。

iシェアーズ米国株式の信託報酬

iシェアーズ米国株式は2018年2月3日に信託報酬を税込0.6156%から税込0.405%に引き下げました。そのため上記比較期間の多くは引き下げ前のトータルコストが適用されています。

iFree S&P500のトータルコストは

ここに書いてあることは間違っていたら大変なことになります。あくまで僕の推測によるものであることに注意してください。

SSGA米国株式のトータルコストより0.07%ポイント程度高いと思われますので、おそらく0.614%程度だと推測します。最初に出てきた表にこの推定値を入れてみます。

商品名 信託報酬(税込み) トータルコスト(税込み)
iFree S&P500 0.243% 0.614%(推定)
iシェアーズ米国株式 0.405% 0.467%(推定)
SSGA米国株式 0.486% 0.544%

iシェアーズ米国株式は前述の通り信託報酬を引き下げたばかりなので脇に置きます。おそらくiFree S&P500が人気を獲得できたのは魅力的な信託報酬だったと思われますが、トータルコストがこの推定値の通りだとしたらがっかりする人は多いことでしょう。

SSGA米国株式はiFree S&P500に1ヶ月遅れて設定されました。信託報酬は高めの0.486%ですが、トータルコストは0.544%とびっくりしない値です。それに対しiFree S&P500は(推定が正しいなら)信託報酬詐欺かと思うような差があります。またしても羊頭狗肉でしょうか。

NYダウの対象30銘柄に投資するローコストインデックスファンドに、iFree NYダウとたわらNYダウがあります。信託報酬は共に税込み0.2...

結論:運用報告書が公開されるまで隠れコストが不明なのが問題

コストは確実にリターンを蝕みます。そしてトータルコスト差はリターンの差に表れることが分かっています。同じ指数をベンチマークにし、ベンチマークを忠実にトレースできている場合、リターンの差を生むのはトータルコストであることがこれまでの分析で分かっています。これは隠せません。

僕の推測が正しいかどうかは運用報告書が公開されれば分かります。

僕がまずいと思うのは、低い信託報酬率で人気を獲得するものの隠れコストは高く、信託報酬率比較で商品を選択したのは間違いだったと後で分かる現在の制度、商習慣です。

iFree S&P500は販売にも力を入れている

iFree S&P500は32の販社で購入できますが、SSGA米国株式はたったの5社です。人気の差の1つは営業努力かも知れません。

おそらくネットを見ない受益者はたとえトータルコストが高いことが判明した後もそれを知る機会などなくて、そのまま積み立てを続けることでしょう。そのようなネットを見ない受益者の存在は、スリムシリーズが事業として成立している理由でもあるので考えると複雑な気持ちになります。

2018年6月17日追記:天敵登場

7月3日にiFree S&P500に天敵が登場します。eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)です。信託報酬は税込み0.1728%です。トータルコストは間違いなくiFree S&P500より安くなると思われます。(間違っていたらごめんなさい。)

スリムシリーズならなんでも売れるわけでないことが分かっていますが、スリム米国株式(S&P500)は売れると思います。僕はiFree S&P500の天敵になると確信しています。

発売されてから時間が経過すれば、リターン実績の比較でトータルコストに大きな差があるかどうか推測できるようになります。今から楽しみです。

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