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ニッセイ外国株式の信託報酬引き下げを喜んでいる人に知って欲しい不都合な真実

投稿日:2018年7月9日 更新日:

たまには挑戦的なタイトルを付けたくなるものです。ニッセイ外国株式がスリム先進国株式の信託報酬をわずかに下回る税抜き0.109%に引き下げ、スリム先進国株式はすぐさま同率に引き下げると発表しました。スリム先進国株式の対抗策が「同率への引き下げ」だったことに対する評価は投信ブロガーの間でも割れています。中には手のひらを返すように評価を下げた人もいますね。

次はあくまで僕の印象です。

まずニッセイ外国株式は乖離(トラッキングエラー)を過去に何度も起こしていることを懸念する投信ブロガーは数えるほどしかいません。これは本当に驚きです。

次にニッセイ外国株式とスリム先進国株式の信託報酬が同率になったことでニッセイ外国株式を絶賛する意見はたくさん目にしますが、隠れコストを含むトータルコストを話題にするブロガーは稀です。それも運用報告書から計算される数値です。が、現実のリターン差は運用報告書にある数値と同じとは限らないことが分かっています。

ではニッセイ外国株式とスリム先進国株式のリターン実績から導かれる不都合な真実をお見せしましょう。

2018年1月30日以降

スリム先進国株式が現在の信託報酬率である税抜き0.1095%になったのは1月30日です。ニッセイ外国株式は2017年11月21日から税抜き0.189%でした。よって、1月30日以降の信託報酬差は税抜き0.0795%、税込み0.08586%です。大した差ではない?いやいや、スリム先進国株式を、わずか0.0005%ポイントながら下回る信託報酬に引き下げる発表を喜んだのですから大した差でしょう。

これが信託報酬差ですが、気にすべきは隠れコストを含むトータルコスト差です。ニッセイ外国株式の運用報告書から、現在のトータルコストは税込み0.30412%と計算されます。同様にスリム先進国株式の現在のトータルコストは税込み0.19786%と計算されます。その差は税込み0.10626%です。よって、これが2018年1月30日以降のリターン実績の差を年率換算したものになると期待されます。

あるいは、こういう見方でもいいです。リターンの高い方が高パフォーマンスでより多く儲かります。ではそのリターンの差はどれぐらいあるのでしょうか。

リターンの差

基準価額データは冷徹です。売買に使われる金額そのものなのでごまかせません。これを比較すると様々なことが分かります。同じ指数をベンチマークにしているニッセイ外国株式とスリム先進国株式を比較すると、トータルコスト差の推定が可能です。

トータルコスト差の推定という怪しい話は置いといて、単純にリターンの差=パフォーマンスの差と見たのでもいいです。

次はスリム先進国株式とニッセイ外国株式の2018年1月30日から7月6日までのリターン実績を比較したものです。

スリム先進国株式とニッセイ外国株式の2018年1月30日から7月6日までのリターン実績比較

赤のラインがスリム先進国株式、緑のラインがニッセイ外国株式です。青のラインはリターンの差です。赤の矢印で示したところはニッセイ外国株式に散見される乖離です。青のラインの傾きはトータルコスト差を示していますが、この比較では直線ではないし、途中に乖離があるので回帰分析で傾きを求めるのは不適当だと思います。この比較期間である109営業日でリターン差が0.1%開いているので、246/109倍して年率換算すると0.226%となります。つまり、現状だとスリム先進国株式はニッセイ外国株式より年率0.226%より儲かるということです。

トータルコスト差は税込み0.10626%と計算されましたが、現実のリターン差は短い期間を1年に引き直したものではあるものの年率0.226%もあります。

誰でも検算可能な計算

1月30日と7月6日の基準価額から騰落率を求めます。その期間は109営業日なので、その差を246/109倍すれば年率換算できます。

誰でも検算可能な計算

年率0.2344%になりました。

スリム先進国株式と同率の信託報酬になっても

現在年率0.23%程度のリターン差があります。ニッセイ外国株式が信託報酬を税込み0.0864%引き下げたところで、まだ0.14%以上のリターン差があります。スリム先進国株式の方が儲かるのです。

本当にそうなのかどうかは、(信託報酬が同率になる)8月21日以降のリターン実績を比較すれば分かります。運用報告書の公開を待つ必要などなく、3ヶ月ほど経過すればはっきりするでしょう。1ヶ月でも傾向は分かると思います。(ニッセイ外国株式は運用に不安があるのが気になりますが。)

ニッセイ外国株式の信託報酬がスリム先進国株式と同じになったことを喜んでいる人は、リターンも同じであることを期待しているのですよね。僕はスリム先進国株式の方がリターンが高くなると予想します。じきに分かります。楽しみですね。

現状のリターン差が続く保証はないものの

確かなことは、現在スリム先進国株式とニッセイ外国株式のリターン実績には十分大きな差があり、その差は推定トータルコスト差よりも大きいということです。が、スリム先進国株式もニッセイ外国株式も現状の(コストでの)運用が続く保証はありません。

また問題なのは、運用報告書が公開されてもなおリターン実績の差には説明できない謎が残ることです。それは次の記事に書きました。

唯一信用できるのは基準価額のデータです。インデックスファンドを比較するのに信託報酬率だけを見るのは論外(なのに投信ブロガーですら多くがそうする摩訶不思議)ですが、運用報告書から計算されるトータルコストでも不十分です。ベンチマークが違う場合はそれ以上の比較はできませんが、同じ場合はリターン実績を見て判断すべきです。それにはある程度の時間の経過が必要ですが、乖離(トラッキングエラー)がなければ数ヶ月あれば傾向は分かります。

僕の現在の予想はこうです。

  1. 信託報酬率が同じになってもスリム先進国株式の方がニッセイ外国株式より確実に儲かる。
  2. たとえそうであってもそのことが実際の販売に影響するようになるにはあと数10年はかかる。よってニッセイ外国株式が日本のインデックスファンドにおけるキングオブMSCIコクサイであることは揺るがない。
  3. ニッセイ外国株式もスリム先進国株式も現在のペースで総口数を増やし続ける。お互いがお互いに与える影響など誤差範囲で認知できない。

このうち1と3は公開されるデータを調べることで結果が分かります。

反論歓迎

基準価額データから検証可能な方法での反論を歓迎します。と言っても過去の経験からこのマイナーなブログの記事に反論して来る人はまずいないと思っています。

 

今日は1年分の毒を吐いてしまいました。明日からはいつもの自分に戻ります。

予想は外れました

大変申し訳ございません。僕の予想は外れました。謝罪して訂正させて頂きます。

 

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