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全世界株式(除く日本)の不可解なふるまいについて

投稿日:2018年8月2日 更新日:

きしやん様の次のブログ記事に興味をそそられました。

それで僕も検証してみました。

まだ読まれていない方は先に上の記事をお読み下さい。

何が問題なのか

次は野村つみたて外国株投信とeMAXIS全世界株式のリターン比較です。

野村つみたて外国株投信とeMAXIS全世界株式のリターン比較

赤のラインが野村つみたて外国株投信、緑のラインがeMAXIS全世界株式です。どちらもMSCI ACWI(除く日本)をベンチマークにしています。青のラインがリターンの差で、ほぼ右肩上がりの直線です。これはトータルコストの差によって野村つみたて外国株投信の方がリターンが高いことを示しています。

また、同様の比較を野村つみたて外国株投信とスリム全世界株式(除く日本)で行った記事がこちらにあります。

ここまでは問題ありません。次はスリム先進国株式とスリム新興国株式を88:12の比率で合成した(毎営業日リバランスした理想的な)ものと、野村つみたて外国株投信の比較です。

スリム先進国株式とスリム新興国株式を88:12の比率で合成した(毎営業日リバランスした理想的な)ものと、野村つみたて外国株投信の比較

青のラインが4月から右肩下がりで推移しています。これは野村つみたて外国株投信のリターンが、スリム先進国株式とスリム新興国株式の合成結果よりも低い(悪い)ことを示しています。きしやん様が問題だと指摘されたのはこの点です。それでいろいろと検証されましたが、結論としてはベンチマークであるMSCI ACWI(除く日本)がそういう動きになったのではないか?というものでした。

僕も同じ結論になりました。野村つみたて外国株投信もスリム全世界株式(除く日本)もeMAXIS全世界株式もみなMSCI ACWI(除く日本)に忠実で、その結果、スリム先進国株式とスリム新興国株式を合成した結果よりもリターンが劣後しているとしか思えません。

MSCI ACWI(除く日本)を円換算する

そうなるとMSCI ACWI(除く日本)との直接比較をするしかありません。この指数はMSCIのホームページからダウンロードできます。プライス、ネット、グロスの3種類がありますが、eMAXISに合わせてプライスを選択しました。

次に円ドル換算のTTMと呼ばれているデータを三菱東京UFJ銀行のホームページからダウンロードしました。(本当は他の記事のためにダウンロード済みだったのでそれを流用しました。)

ある日のベンチマークの円価格は、その日のTTMの円ドル換算レートとその前日より前に遡ったプライスのドルデータから計算します。これが円換算されたプライスのベンチマークになります。

野村つみたて外国株投信 vs ベンチマーク

ベンチマークとの比較です。左端は2017年10月16日です。野村つみたて外国株投信 vs ベンチマーク

青のラインがリターンの差で、細かいヒゲは為替によるものだと考えられますので無視していいです。右肩上がりなのはベンチマークがプライスで配当金を含まないことから、野村つみたて外国株投信の方がリターンが高くなるためです。

これを見る限り、野村つみたて外国株投信はベンチマーク通りの運営だと思われます。

eMAXIS全世界株式 VS ベンチマーク

左端は2017年1月6日です。

eMAXIS全世界株式 VS ベンチマーク

ベンチマークとリターンを比較するとこのようなうねりが観測されることが経験上分かっています。たとえば次の記事にも出てきます。

このグラフからはeMAXIS全世界株式がベンチマーク通りの運営をしていると判断できます。

合成結果 VS ベンチマーク

スリム先進国株式とスリム新興国株式を88:12の比率で合成した結果とベンチマークの比較です。左端は2017年8月16日です。

合成結果 VS ベンチマーク

これも問題があるようには見えません。では問題だった次のグラフはどう説明すればいいのでしょうか。

問題だったグラフ

もっと長期間で比較

そこでeMAXIS先進国株式とeMAXIS新興国株式を88:12の比率で合成したものと、eMAXIS全世界株式を比較しました。

eMAXIS先進国株式とeMAXIS新興国株式を88:12の比率で合成したものと、eMAXIS全世界株式を比較

青のラインはうねりまくっていますが、そもそもこの比較には無理があります。全世界株式の先進国株式と新興国株式の比率は変動しますが、これは固定比率での合成結果です。

僕も複数の記事で合成結果を用いていますが、それはある比率で毎営業日リバランスした結果です。n資産均等型でさえ現実のインデックスファンドとは同じにならないことが分かっています。それは(少なくともスリムバランスの場合は)資産比率のズレがある閾値を超えない限りリバランスしないからです。同じ制約は全世界株式にもあるでしょう。

結論:合成結果との比較はうねります

僕の結論は「合成結果との比較はうねるので、合成結果とのリターン差の比較には注意が必要」です。この記事自体検証作業をしながら書きましたし、この結論も前もって持っていたわけではないので記事が起承転結になっていませんが、これが僕の考えです。

問題とされた比較結果は6月まででした。7月もプロットするとこうなります。

7月もプロット

7月はフラットになっていますね。このスケールだと大きく見える変化ですが、僕はこれもうねりの一部でしかないと見ています。つまり、何も問題はない(なかった)というのが僕の判断です。

MSCI ACWI(除く日本)の指示内容を知りたい

これは投資信託を扱う金融機関に就職でもしない限りかなわぬ夢です。MSCI ACSI(除く日本)のベンチマークをトレースする上で「こうしなさい」という指示があるはずです。MSCI ACSI(除く日本)は、MSCIコクサイとMSCIエマージング・マーケット・インデックスから組成されています。これら2つはそれぞれ独立したベンチマークなので、MSCI ACSI(除く日本)の指示は「比率」だけだと思います。今日はMSCIコクサイを何%増やして代わりにMSCIエマージング・マーケット・インデックスを何%減らしなさい、みたいな。違いますかね。

で、この指示内容が手に入れば、より使い勝手のある合成結果を作成できるのですが、無理ですね。

この記事を書くのにまた人に言えないほど時間をかけてしまいましたが、結論が出たので僕は満足です。

2018年8月5日追記

きしやん様が続きの記事を書かれています。

 

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