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インデックス投資

2000年から2009年の先進国株式の年成長率が0.2%だとの記述について

投稿日:2018年8月7日 更新日:

キュウキュウ博士の次のブログ記事にある「2000年~2009年間における先進国株式の年成長率は0.2%」という記述に非常に興味をそそられました。

まだ読まれていない方は先に読まれることをおすすめします。

上記記述は超有名な書籍「投資の大原則」からの引用または導かれた結果ですが、神をも恐れずに意見させてもらうと「とてもミスリーディング」です。どうしてそう思うのか、僕なりの見解を書きます。

なおこの記事に出てくるデータはYahoo! Financeからダウンロード、加工したものです。

米国株式の成長率

先進国株式に投資するインデックスファンドで2000年から存在するものが見つからなかったので、S&P500に投資するもので代用します。つまり、先進国株式ではなくて米国株式です。次はバンガード社のインデックスファンドであるVFINXの基準価額の騰落率をドルのままプロットしたものです。期間は2000年1月から2018年7月です。

VFINXの基準価額の騰落率

最初の谷はドッドコムバブル崩壊、2つ目の谷はリーマンショックです。その後は暴落と騒ぐほどのことは起きずに現在に至っています。(2015、6年頃の下落はチャイナ・ショックです。)

次は書籍「投資の大原則」で言及されていた期間である2000年1月から2009年12月末までをプロットしたものです。

2000年1月から2009年12月末まで

この期間だと比較期間の最初に一括投資していた場合の2009年末の含み益は-22.6%です。先進国株式もおそらく似たような推移であり、年率換算で0.2%程度しか伸びなかったということでしょう。

新興国株式の成長率

次はバンガード社のインデックスファンドであるVEIEXの基準価額の騰落率をドルのままプロットしたものです。期間は2000年1月から2018年7月です。

VEIEXの基準価額の騰落率

リーマンショック前に急成長し、リーマンショックから急回復しています。でもその後は上がったり下がったりを繰り返しています。直近の谷底はチャイナ・ショックですが、もしかすると現在は次の谷底に向かっている最中かも知れません。

次は書籍「投資の大原則」で言及されていた期間である2000年1月から2009年12月末までをプロットしたものです。

2000年1月から2009年12月末まで

書籍には新興国株式の成長率が年率換算で10.1%だったとあります。VEIEXのこの期間のリターンは年率換算で10.3%です。

ミスリーディングだと思う理由

特定の期間だけを切り出して新興国株式のリターンと先進国株式のリターンを比較しています。比較する期間によってリターンは大きく変わるので、書籍「投資の大原則」のデータの使い方には恣意的なものを感じます。

次はVFINXとVEIEXをいっしょにプロットしたものです。期間は2000年1月から2018年7月です。

VFINXとVEIEXをいっしょにプロット

赤のラインが米国株式、緑のラインが新興国株式です。このグラフを見ると新興国株式スゲーと思ってしまいそうですが、比較期間を変えると様相が一変します。次は2006年1月から2018年7月末までの比較です。

2006年1月から2018年7月末までの比較

今度は新興国株式は伸び悩んでてダメじゃん、と思ってしまいそうです。

このように比較する期間によって結果も見え方も大きく変わるのに、書籍「投資の大原則」ではこの10年間をもって新興国株式への投資が有効だったと結論付けているのには誠実さを感じません。

分散の程度に正解はない(時期によって変わる)

株式のみで良いとか他の資産も混ぜるのが良いとか、株式のみでも米国株式のみで良いとか新興国株式も混ぜるべきだとかいろいろな意見があります。僕は自分のリスク許容度とリスク選好度に合わせて好きなもの、納得できるものを選べば良いと思っています。そもそも分散の程度に正解はありません。時期によって変わります。今を生きている人はこれから自分が生きている間にどうなるかを予想してそれに賭けるしかありません。良く分からないから8資産均等型を選択するのもいいでしょう。でもきっとリターンはそこそこです。リスクもそこそこなのでそれで良ければ最適解の1つになり得ます。これからも(自分の存命中なら)米国株式は世界経済の中心であるはずだから米国株式のみに賭ける、というのでもいいでしょう。その通りなら笑いが止まらないほど儲かるでしょう。もちろん、その代わりにどのようなリスクを負うのかは理解しないといけません。

過去n年間の実績データではこういう分散が(自分にとって)良かったとしても、今後も(自分の存命中は)それが続くとは限りません。5年、10年と長くなればなるほど期待と違う結果になる可能性が高まるでしょう。違ったり、また戻ったりかも知れません。都合の良い分散の程度は時期(経済状況)によって変わるのです。

僕が新興国株式を混ぜない理由

僕が先進国株式のみを選び、新興国株式を混ぜないのは新興国が嫌いだからです。完全に好みの問題です。新興国株式が高いリターンをもたらす時期があること、将来そうなるかも知れないことは分かった上で、それでも新興国株式を混ぜない(新興国株式には投資しない)という選択をしました。みんな好きなようにすればいいのです。

先進国株式のみと新興国株式を混ぜた場合のどちらがより儲かるかは未来にならないと分かりません。10年後とか20年後には答えが出てるでしょう。その時にたとえ新興国株式を混ぜていた方が大きく儲かったことが分かっても僕は後悔しないと思います。十分納得した上での選択だからです。

 

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