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楽天全世界株式は高コストの残念な商品でした

投稿日:2018年9月20日 更新日:

僕はこれまで楽天全世界株式と本家VTのリターン実績を比較することで楽天全世界株式のトータルコストを推測して来ました。

おそらく楽天投信投資顧問の中の人にしか説明できないと思いますが、楽天全世界株式のトータルコストは当初驚くほど高く、その後漸減されて直近では税込み0.18%前後と思われる程度まで下がりました。これはごまかせない基準価額データとETFの取引価格から導かれたもので、グラフで視覚的にその「変化」を確認できています。

さて、待望の楽天全世界株式の運用報告書報告書が公開されたのですが、そこに書かれていた数値は多くの人の希望を粉砕する高いものでした。

運用報告書にある数値

決算期間は2017年9月29日から2018年7月17日なので、292日です。365/292は1.25なので、運用報告書にある数値を1.25倍すると1年間のコストに換算できる、と思ったのですが、それだとなぜか運用報告書にある信託報酬と合いません。理由は分かりませんが、1.25倍ではなくて1.32倍しないといけないようです。

運用報告書には費用の合計が税込み0.304%とあるので、1.32倍して1年に引き直すと税込み0.401%になります。

これがどれだけガッカリな数値かは、楽天全世界株式の目論見書にもある次の表現を見れば理解できるでしょう。

引用:目論見書

この桁数の多い数値はVTの経費率0.1%を含んでいます。受益者の多くはこれが実際には(隠れコストを加えると)税込み0.501%になるなんて思わなかったはずです。でしょ。何が「実質的に負担する」やねん。ひどい話です。

税込み0.401%は楽天投信投資顧問が楽天全世界株式の純資産総額から毎営業日天引きしている費用です。この他にVT(ETF)の経費率0.1%もトータルコストに含めるべきですが、これは基準価額データとETFの取引価格データからは算出できないのでこの記事では無視します。

さて、これまで何回も見てきた、楽天投信投資顧問が楽天全世界株式の純資産総額から運営コスト(費用)を天引きして来たものを合計すると、運用報告書から計算される費用に一致するでしょうか。

リターンの差

次は2017年9月29日から2018年7月17日における楽天全世界株式と本家VTのリターン比較です。

2017年9月29日から2018年7月17日における楽天全世界株式と本家VTのリターン比較

これまでのグラフと違うじゃないか!それは、これまでは設定日直後を避けて10月10日から比較していたからです。が、今回は情け容赦なく設定日から比較しています。

赤のラインが楽天全世界株式、緑のラインが本家VTです。青のラインがリターンの差です。時々リターンが高くなっているのは配当金によるものです。この上昇分を除いて、費用を天引きされることによりリターンが下がった分を合計します。最後に1.32倍して1年に引き直します。(意見したい方、ちょっと待ってくださいね。)

結果は2.27%でした。これには配当金を取り込んだ日の天引き分は含まれていません(算出できないため)。おいおい、桁が違いますね。でもグラフを見て下さい。設定日から初回の配当金を取り込むまでにどれだけのリターン差があったかを。1.5%です。

天引きされた割合は一定ではなかった

上記グラフの期間は運用報告書にある決算期間と同じです。それでリターンの差が求めた費用の割合も1年に引き直したのですが、すでに分かっているように当初とんでもなく大きかったのが直近ではかなり下がってきています。つまり決算期間内で一定ではなかったので、単純に1.25倍するのは不適当です。

でもこの決算期間で1.72%も天引きされています。その大半は設定日直後に生まれています。

この1.72%もの、純資産総額から天引きされた分(=信託報酬+その他費用)は、残念ながら運用報告書にある数値からは到底説明できません

設定日直後の急落を除くと

次は設定日直後の急落部分を拡大したものです。

設定日直後の急落部分を拡大

この急落はわずか5日間で起きています。楽天投信投資顧問に忖度する気はありませんが、グラフの様子からこの5日間の急落は違う理由によるもの(決して説明してもらえることはないでしょうが)のような気がします。

そこで最初の5日間を除いて計算し直すと、1.72%から0.564%に下がりました。それでもまだ大きいです。おそらくこれは僕がこの弱小ブログで騒ぎ立てるだけで終わり、誰ひとりとして納得可能な説明をしないまま忘れ去られてしまうでしょう。

税込み0.401%は高い

楽天全世界株式の運用報告書から計算される信託報酬+その他費用の合計が税込み0.401%というのは高いです。VTの経費率を足すと0.501%にもなります。ETFを買うだけのインデックスファンドにしては高いと言わざるを得ません。

楽天全世界株式が登場した時の熱狂は一気に冷めるでしょうね。それでもVT(ETF)を直接買うよりはよっぽどいいですが、僕はVTにそこまでの魅力を感じないので、結論としては楽天全世界株式はおすすめできません。

でも考え方を変えれば、リスクとリターンは投資先で決まるので、コストばかりにとらわれて不本意な(自分が本来投資したいと思ってないものに)投資することになるよりは、ちょっと高いですが楽天全世界株式を選択するのも良いと思います。この考え方を受け入れられない、許せない人には、もっと高コストなインデックスファンドに投資し続けている人達の存在は永久に理解できないでしょう。

第二期は下がるのか?

リターンの差を解析した結果から、3回目の配当金をもらってからのトータルコストをこう推定していました。

今回は回帰分析の信頼性が低いことを踏まえた上で税込み0.18%前後と予想します。楽天全世界株式の目論見書によると信託報酬は税込み0.1296%です。これに隠れコストを加えたものがトータルコストです。税込み0.18%程度なら素晴らしいですね。

引用:楽天全世界株式のトータルコストを推測しました(5)

第二期の運用報告書が公開されるのは1年後ですが、純資産総額から天引きされているトータルコストの様子は毎月分かります。現在の低い水準のまま推移して運用報告書の数値も低くなるのかどうか、とても関心があります。

僕は楽天全世界株式を買うことはありませんが、できれば現在の低コスト状態を維持して1年後には汚名を挽回して欲しいものです。そうやって(健全な)競争をしてこそ、インデックスファンドのより良い未来が拓けます。

 

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