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楽天全米株式は期待に反して超ローコストではありませんでした【追記あり】

投稿日:2018年9月21日 更新日:

僕はこれまで楽天全米株式と本家VTIのリターン実績を比較することで楽天全米株式のトータルコストを推測して来ました。

楽天全世界株式と同じで、楽天全米界株式のトータルコストは当初驚くほど高く、その後漸減されて直近では税込み0.20%前後と思われる程度まで下がりました。これはごまかせない基準価額データとETFの取引価格から導かれたもので、グラフで視覚的にその「変化」を確認できています。

さて、待望の楽天全米株式の運用報告書報告書が公開されたのですが、そこに書かれていた数値は楽天全世界株式ほどでないものの、多くの人の希望を裏切る高いものでした。

運用報告書にある数値

決算期間は2017年9月29日から2018年7月17日なので、292日です。365/292は1.25ですが、これまた楽天全世界株式と同じで、なぜか運用報告書にある信託報酬は1.32倍しないといけません。

運用報告書には費用の合計が税込み0.203%とあるので、1.32倍して1年に引き直すと税込み0.268%になります。

これがどれだけガッカリな数値かは、楽天全米株式の目論見書にもある次の表現を見れば理解できるでしょう。

楽天全米株式の目論見書にもある表現

引用:目論見書

この桁数の多い数値はVTIの経費率0.04%を含んでいます。受益者の多くはこれが実際には(隠れコストを加えると)税込み0.308%になるなんて思わなかったでしょう。「実質的に負担する」という表現から受ける印象とは大きく違います。

税込み0.268%は楽天投信投資顧問が楽天全米株式の純資産総額から毎営業日天引きしている費用です。この他にVTI(ETF)の経費率0.04%もトータルコストに含めるべきですが、これは基準価額データとETFの取引価格データからは算出できないのでこの記事では無視します。

さて、これまで何回も見てきた、楽天投信投資顧問が楽天全米株式の純資産総額から運営コスト(費用)を天引きして来たものを合計すると、運用報告書から計算される費用に一致するでしょうか。しないでしょうね。

リターンの差

次は2017年9月29日から2018年7月17日における楽天全米株式と本家VTIのリターン比較です。

2017年9月29日から2018年7月17日における楽天全米株式と本家VTIのリターン比較

これまでのグラフと違うじゃないか!それは、これまでは設定日直後を避けて10月10日から比較していたからです。が、今回は情け容赦なく設定日から比較しています。

赤のラインが楽天全米株式、緑のラインが本家VTIです。青のラインがリターンの差です。時々リターンが高くなっているのは配当金によるものです。この上昇分を除いて、費用を天引きされることによりリターンが下がった分を合計します。

結果はこの決算期間のままで1.304%でした。これには配当金を取り込んだ日の天引き分は含まれていません(算出できないため)。またしても桁が違いますね。でもグラフを見て下さい。設定日から初回の配当金を取り込むまでにどれだけのリターン差があったかを。1.0%を超えています。

天引きされた割合は一定ではなかった

この決算期間で1.304%も天引きされているのは事実です。その半分近くは設定日直後に生まれています。

この1.304%もの、純資産総額から天引きされた分(=信託報酬+その他費用)は、残念ながら運用報告書にある数値からは到底説明できません。楽天投信投資顧問の中の人を除いて説明できる人なんていないと想像します。

設定日直後の急落を除くと

次は設定日直後の急落部分を拡大したものです。

設定日直後の急落部分を拡大

この急落はわずか5日間で起きています。楽天全世界株式と同じです。楽天投信投資顧問に忖度する気はありませんが、何か普通とは違う事情があるのかも知れません。そこで最初の5日間を除いて計算し直すと、1.304%から0.493%に下がりました。それでもまだ大きいです。おそらくこれは僕がこの弱小ブログで騒ぎ立てるだけで終わり、誰ひとりとして納得可能な説明をしないまま忘れ去られてしまうでしょう。

税込み0.308%は高いのか

楽天全米株式の運用報告書から計算される信託報酬+その他費用の合計が税込み0.268%というのは期待値よりは高いです。VTIの経費率を足すと0.308%になります。ETFを買うだけのインデックスファンドにしては高いと言わざるを得ません。

でもその残念度は楽天全世界株式よりは小さいはずです。違いますか。(楽天全世界株式は残念過ぎました。)

トータルコストがもっと高いインデックスファンドはごろごろあります。トータルコストが0.3%未満なら間違いなく超ローコストです。残念ながら楽天全米株式のトータルコストは期待を裏切るものでしたが、それは期待値が高すぎたためとも言えます。

楽天全米株式が登場した時の熱狂は少なからず冷めると思います。それでもVTI(ETF)を直接買うよりはよっぽどいいですし、楽天全米株式の直接的なライバルになるはずのスリム米国株式(S&P500)のトータルコストは現状iFree S&P500よりも高いと推測されるので、まだ勝負がついたとは思っていません。

第二期は下がるのか?

リターンの差を解析した結果から、3回目の配当金をもらってからのトータルコストをこう推定していました。

今回は回帰分析の信頼性が低いことを踏まえた上で税込み0.20%前後と予想します。楽天全米株式の目論見書によると信託報酬は税込み0.1296%です。これに隠れコストを加えたものがトータルコストです。税込み0.20%程度なら十分納得できると思います。

引用:楽天全米株式のトータルコストを推測しました(5)

第二期の運用報告書が公開されるのは1年後ですが、純資産総額から天引きされているトータルコストの様子は毎月分かります。現在の低い水準のまま推移して運用報告書の数値も低くなるのかどうか、とても関心があります。

僕は楽天全米株式は買わないつもりですが、できれば現在の低コスト状態を維持して1年後には汚名を挽回して欲しいものです。そうやって(健全な)競争をしてこそ、インデックスファンドのより良い未来が拓けます。

スリム先進国株式は超ローコストだけど

楽天全米株式を買いたい人は米国株式に投資したいのでしょうから、米国以外の先進国にも投資するスリム先進国株式が超ローコストであると実証されているからと言って、スリム先進国株式が楽天全米株式の代替品になるとは限りません。

米国株式に集中するリスクを負ってでもリターンの高さを求めたい人は、我慢してスリム先進国株式を買う必要はないです。米国株式が過去の実績通りに強いならトータルコストのわずかな差など問題にならないほどのリターン差を生んでくれます。もし今後米国株式が不調になったらスリム先進国株式の66%は米国株式なのでスリム先進国株式も相応に不調になるはずです。だから自分のリスク許容度、リスク選好度を良く考えた上で、それでも楽天全米株式(またはiFree S&P500またはスリム米国株式)に投資したいならそうすべきです。あなたの自己資金なんですから、あなたが納得行くようにすべきなのです。

よろしければ次の記事もご覧ください。

2018年9月25日追記

あるブログで、楽天全米株式、楽天全世界株式の実質コストが高かったから来年からつみたてNISAをNISAに変えてVTIとVT(ETF)を買うことにした、という記述を見ました。それは賢明とは言えません。

僕は筋金入りの米国ETF嫌いですが、どう考えてもVTIを直接買うよりは楽天全米株式を買う方がいいです。ちゃんと計算できれば分かるはずです。できないからそういう判断をしてしまうのでしょうけども。

楽天全世界株式は高コストで残念でしたが、それでもVTを直接買うよりいいと思います。

もし毎月100万円ぐらい買うのでしたら話は別ですが。

 

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