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ポイント運用 by 楽天PointClub:対抗心むき出しの楽天グループ

投稿日:2018年10月25日 更新日:

楽天グループは凄い組織だと思います。tsumiki証券に対抗して楽天カードで投信を積み立てると毎月5万円を上限に1%の楽天スーパーポイントを付与する、しかも対象の投信はどんなにローコストのものでもOKという、そんなの普通あり得ねえだろうという圧倒的な好条件を発表した時も驚きましたが、「ポイント運用 by 楽天PointClub」でも対抗心むき出しです。楽天にそうさせたのはドコモの「dポイント投資」で、ドコモがお金のデザイン(ロボアドバイザーのTEHOを運営しています)と提携して始めたサービスです。

2つのサービスを比べると楽天が意図的に(批判されることを織り込んだ上で)dポイント投資の仕様を真似たと思われるところもあります。そういう大学生のノリみたいなところも楽天らしくて好きです。

「ポイント運用 by 楽天PointClub」とは

要約するとこうなります。本当は「運用」であるべきところを分かりやすくするため「投資」と表現しています。

  • 楽天から付与された楽天スーパーポイント(通常ポイントに限ります)を100ポイントから投資できます。
  • 投資対象は楽天バランスファンド(株式重視型)または楽天バランスファンド(債券重視型)の2つです。
  • それぞれに30,000ポイントまで投資できます。
  • 楽天バランスファンド(株式重視型)または楽天バランスファンド(債券重視型)の基準価額の変動に応じてあたかもそれらを投資したポイントで購入したかのように保有しているポイントが増減します。
  • 投資しているポイントはいつでも1ポイントから取り出すことができますが、それはあたかも保有している対象インデックスファンドを解約するような流儀で行われます。
  • このサービスには証券口座が不要で、利益が出ても譲渡税が課税されません。

楽天が顧客のポイントと同額の自己資金で実際に対象インデックスファンドを買うというのは利用規約に明記されています。(赤字にしたのは僕です。)

第5条 (本サービスの性質)
1. 本サービスの運営にあたり、当社は、次条の規定に基づいて会員が指定することにより、本サービスへの参加の対象とされたポイント(以下「対象ポイント」という。)を当社所定のレートで換算した額に相当する額に関し、当社の自己資金で投資信託(以下「本件投資信託」といいます)の受益権を取得し、本サービスを提供しますが、ユーザは、その受益権に何らの権利を有するものではありません。

引用:ポイント運用利用規約

たとえば楽天バランスファンド(株式重視型)に30,000ポイント投資したとします。1年後に運良く33,000ポイントに増えたとすると、33,000ポイントをまるまる手に入れる(取り出す)ことができます。言ってみれば楽天スーパーポイントという専用通貨しか使えない世界の非課税口座で、投資できる元本の上限が一生で30,000ポイントに制限されているようなものです。

証券口座でないのに実際には投資信託を買っている不思議

たとえば僕が楽天バランスファンド(株式重視型)に100ポイントを追加すると、楽天は自己資金から100円出して実際に楽天バランスファンド(株式重視型)を僕のために購入します。まあこれはいいとして、理解に苦しむのが売却です。1ポイントから取り出せるとありますが、楽天証券は一口単位でしか売却できないので何か工夫しているはずです。また、ポイントを追加した時に対象インデックスファンドを購入するとありますが、売却もしているかどうかは分かりません。僕は(口数単位でできる時に)すると思っています。

もっと分からないのが税金です。売却したら売却益に対して譲渡税20.315%がかかるはずですが、このサービスでは利用者には請求されません。利用者から見ると非課税口座と同じです。楽天が負担しているのか、それともこのサービスで発生した売却分と、日々購入される分を相殺することで実際には売却することなく辻褄を合わせている(こうすることで顧客から得た購入代金を楽天のこのサービスを運営している部門に還元できます)のではないでしょうか。

投資元本は一人30,000ポイント×2商品まで

このサービスは利用者にとって有利な設計がされていると思いますが、同時に大きな制約もあります。

  • 楽天スーパーポイント(通常ポイント限定)しか使えません。現金を楽天スーパーポイントに交換できないので、利用したければ楽天スーパーポイントを付与してもらうしかありません。
  • 対象インデックスファンドが2つしかなく、それぞれに30,000ポイントまでしか追加(投資)できません。

我が家がもらっている楽天スーパーポイントは年間40,000ポイント程度ですので、その気になれば1年以内にひとつの枠を使い切ることはできます。

条件を満たす人にとってはとんでもないサービス

次の条件を満たす人はたくさんいると思いますが、そのような人にとってはとんでもなく有利なサービスと言えます。

  • 対象インデックスファンドが嫌いでなく、長期保有することに抵抗がない。
  • 楽天スーパーポイントをそこそこもらっているので、数年もあれば上限まで投資できる。
  • 30年、40年と超長期保有も可能。

つみたてNISAですら非課税期間は20年ですが、このサービスには(サービスをやめてしまわれるリスクを除くと)非課税期間の上限がありません。なので言ってみれば、数年かけて楽天バランスファンド(株式重視型)に30,000円分投資した後20年超ガチホしても含み益を非課税で手にできます。途中で1ポイント単位で取り出すこともできます。所詮元本が30,000円なので利益の額は大したことないですが、条件の良い投資対象であることは確かです。

楽天がこのサービスを始めた理由

ドコモの「dポイント投資」への対抗は明らかですが、楽天は違う仕様で攻めてきました。

もしすでに楽天証券に口座を持っているなら、楽天スーパーポイントで自分が買いたい投信に1ポイントから利用できるので、このサービスの特殊な非課税性を利用するマニアックな人を除くと、利用対象者になるとは考えにくいです。よって、ターゲットは楽天のサービス利用者だけど楽天証券に口座を持っていない人になります。そういう人に楽天バランスファンドに投資する疑似体験を提供することで(とは言ってもその裏では実際に楽天バランスファンドへの資金投入がされます)、新規顧客の獲得を目指すものと思われます。

でもその前に、ドコモとTHEOが始めた新サービスが気に入らなかったのだと思います。その体験を通じてTHEOに引き込まれるのはうれしくありません。「おい、楽天をナメるんじゃねえぞ」という感じで対抗心むき出しで類似サービスを設計したのでしょう。そうは言っても、楽天もサービス設計に当たって費用対効果、実質的な負担額などを良く計算したはずです。十分な勝算があったからこそ決裁されたと考えます。

dポイント投資とは結構違いがあります

  • dポイント投資は完全に仮想的なもので、対象となる金融商品に投資しません。あくまでその基準価額の変動に応じて保有しているポイントを増減させるだけです。楽天は実際に対象インデックスファンドに投資します。
  • dポイント投資は1回の投入上限は99,000ポイントですが、上限はありません。つまり、恒久的な利用も可能です。楽天は投入(追加)できるポイントの上限が30,000ポイントで、その枠を使い切るともう追加できない仕様です。

それでも僕は利用しません

僕にとって楽天スーパーポイントは現金と同じで、現在はそのほとんどをスリム先進国株式の購入に充てています。そして楽天バランスファンドは先進国株式のみではないので(当たり前じゃん)、僕の心は動きません。30年ガチホしても非課税だよと言われても、30年経過する前に天寿をまっとうしていても不思議はないので魅力に感じません。

これがもし楽天全米株式だったら、スリム先進国株式しか買わないという誓いを破って3万円分投資するかも知れません。

もちろんdポイント投資も利用しません。我が家はドコモユーザーなのでdポイントはもらえますが、携帯利用料に充当します。そこで節約できた分は最終的にスリム先進国株式に投資されるかも知れませんがお金には色が付いていないのでそれぞれの行き先までは追跡できません。

このサービスの最大のリスクは

楽天はいつでもこのサービスをやめられる点です。まずポイントを追加できるのは何年年月末までとし、そこから間を開けて何年何月末までに取り出さなかったポイントは自動的に全額取り出されます、と案内すれば終わりにできます。

第14条 (本サービスの変更・廃止)
当社は、本サービスの全部もしくは一部を変更し又は廃止することができるものとします。その結果、利用者に損害が生じた場合でも、当社は一切責任を負わず、何らの補償も行いません。

引用:ポイント運用利用規約

こういう免責事項なしでは気軽に始められませんから当然です。でも変更や廃止は楽天のサービスに限らず日常的にあることなので、上の方では30年ガチホしても非課税とかのんきなことを書きましたが、このサービスが30年も続くとは思わない方がいいかも知れません。これまでさんざん「サービス改悪」に泣かされてきたじゃないですか。なのに今度は信じるんですか?このサービスが30年も継続されるって。

楽天がまだ反撃を発表していない案件

最近楽天を怒らせる事象がありました。SBI証券が合法ではあって受益者が大歓迎する施策であっても、ライバルである楽天証券はムッとしたに違いない「iDeCoのセレクトプラン」の導入です。

楽天証券が黙っているとは思えないので、SBI証券のその動きを知った時から対抗策を検討しているはずで、楽天グループの判断・行動のスピードを考えるとそう遠くない時期に発表があると思います。

よろしければ次の記事もご覧ください。

2018年11月14日追記

追加可能ポイントの上限が撤廃さました。ひと月あたりの追加可能ポイントは10万(ダイヤモンド会員だと50万)ですが、これまで3万ポイントまでしか追加できなかったのが10万でも100万でも追加可能になったそうです。

それでも僕は楽天スーパーポイントはスリム先進国株式の購入にあてるなどした方が良いと思うので、このサービスは利用しません。

 

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