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【訂正】楽天全世界株式が高コストだったのは過去のことではありませんでした

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楽天全世界株式の第1期運用報告書から判明したトータルコストはとても高く、残念なものでした。が、楽天全世界株式と本家VTのリターン差の分析結果から、高コストだったのは過去のことであって、現在は大きく改善されていると考えていました。

が、実は(改善はされているものの)期待したほどローコストになっていませんでした。楽天全世界株式の純資産総額が毎営業日天引きされる費用が増加していたのです。

本家VTとのリターンの差の変化

次は楽天全世界株式の第一期決算期間の翌日である2018年7月18日から10月31日までの、楽天全世界株式と本家VTのリターン比較です。

楽天全世界株式と本家VTのリターン比較

赤のラインが楽天全世界株式、緑のラインが本家VTです。青のラインがリターンの差です。赤の矢印のところでリターンが高くなっているのは配当金を取り込んだためです。そして青のラインの下がり方は、毎営業日運営費用が天引きされている様子を示しています。

7月18日から配当金を取り込むまでと、配当金を取り込んでからのラインの傾きが明らかに違います。リターン差をエクセルで確認したところ、配当金を取り込む前が49営業日で0.0478%下落、取り込んだ後が24営業日で0.0378%下落しています。1営業日あたりの下落率は配当金を取り組む前と後で1.61倍も違います。

お客さん、うちの娘は平均年齢20歳ですよ、と言われて入店したら平均年齢32歳だったようなショックを受けました。

回帰分析

2018年7月18日から10月31日までのリターン差のデータから、配当金を取り込んで段差ができた分を取り除いて右肩下がりのラインに直したものをエクセルの回帰分析にかけました。

回帰分析結果

信頼性を示す重決定R2は0.9262なので、「当たらずとも遠からず」だと思って下さい。回帰分析結果にある係数は1営業日のものなので246倍して年率換算すると0.2915%になりました。先月同様の解析をした結果はこうでした。

信頼性を示す重決定R2が0.6788と低いので参考程度にしてください。回帰分析結果にある係数は1営業日のものなので246倍して年率換算すると0.1481%になりました。

先月の記事で「楽天全世界株式が高コストだったのは過去のことで現在は違います」としたのは間違いでした。期待させてしまって申し訳ございませんでした。

楽天投信投資顧問が慌てて出した報告書

Fund of the Year 2018の投票開始前に慌てて出したと言われてもしょうがない報告書で、楽天投信投資顧問は楽天全世界株式のコストが改善されていると主張したかったようです。その報告書の内容は親切には程遠いものです。

引用:途中経過について報告書

この表では「その他費用」が全部ゼロなのでそのままでは年間でのトータルコストを算出できません。たわら男爵様の次のブログ記事によると、トータルコストは0.3572%だそうです。

リターン差から推測したトータルコストは0.2915%ですが、これに本家VTの経費率0.1%を加えると0.3915%になります。

これらの数値から、やはり楽天全世界株式は期待よりも高コストだと思われます。でも第一期運用報告書にあった数値から計算されたトータルコスト税込み0.501%から比べるとずいぶん安くなりましたし、税込み0.3572%は安いとは言えないにしても、ボロクソに言うほど高くもないと思います。投資対象は全然違いますが、iFree S&P500のトータルコストは税込み0.3723%でしたしね。

トータルコストがどの程度なら納得しますか?

超ローコストインデックスファンドの信託報酬と隠れコストを含むトータルコストの比率は、たわら男爵様のブログ記事(こちらこちら)にある数値をまとめるとこんな感じです。

超ローコストインデックスファンドの信託報酬と隠れコストを含むトータルコストの比率

1.5倍は当たり前、トータルコストが0.2%程度なら1.67倍でも容認されるようです。(僕はスリム先進国株式のトータルコストが信託報酬の1.67倍もあるのは信託報酬詐欺だという意見を聞いたことがありません。)

一方、楽天全世界株式の信託報酬は本家VTの経費率を含んで税込み0.2296%程度と目論見書にあります。これを1.5倍すると0.3444%になります。であるならば、途中経過の報告書から計算されたトータルコストである0.3572%は十分許容範囲かも知れません。

いやいや、出来上がりのトータルコストとして0.3%を超えると高いよ、と言う人もいるでしょう。僕は楽天全世界株式を買うことはありませんが、感覚的には0.3%以下であって欲しいですね。

あるいは、トータルコストを気にするのは投信ブロガーですら少数派のようなので、ましてや一般の受益者は信託報酬だけで判断するから楽天全世界株式の大多数の受益者の行動は変わらないのかも知れません。つまり、楽天投信投資顧問が急遽出した報告書はFund of the Year 2018での順位を気にかけてのことであって、あの報告書は一般受益者に情報を公開するためのものではないと。Fund of the Year 2018での楽天全世界株式と楽天全米株式の順位が高ければ広告宣伝費をかけることなく高い販促効果が期待できますからね。

説明したことは評価します

その動機はともかく、楽天投信投資顧問が追加の報告書を公開したことを僕は高く評価します。隠したところでどうせ運用報告書でばれるのだから、分かったことは早く公開するのがいいです。そうやって少しずつ情報公開に対する姿勢を改善して行けばいいと思うのです。

どうして費用負担が一定でないのか

純資産総額から毎営業日天引きされる費用は、リターン差を示す青のラインに正しく反映されていると思います。でも分からないのは、10月はその費用負担率が悪化していることです。

売買委託手数料が純資産総額の影響を受けるのは分かりますが、10月は9月までと比べて大きく減っているわけではありません。次のグラフは楽天全世界株式の純資産総額の変化です。

楽天全世界株式の純資産総額の変化

株安もあってか10月は伸び悩んでいますが、これが売買委託手数料の上昇を招くとは思いません。

無理だとは思いますが、できればこの費用負担が一定でない理由を説明して欲しいです。

受益者はどうするのだろう

僕には楽天全世界株式の受益者の気持ちは分かりません。高コストなので見切りを付けて他の選択肢に乗り換えるのか、理由はともかく楽天全世界株式を買い続けるのか。(多くの受益者はトータルコストなんて気にもしないと思うので、きっと後者ではないでしょうか。)ちょうどスリム全世界株式(オールカントリー)が登場したこともあって、それらの人気とリターン実績がどうなるかとても楽しみです。

 

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