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インデックス投資

一般人はVTIよりも楽天全米株式を買う方が儲かるのか

投稿日:2018年11月14日 更新日:

これは次の記事の続きです。

まだ読まれていない方は先に読まれることをおすすめします。

先の記事の結論はこうでした。

楽天全米株式の実質コストが期待よりも高かったからと言って本家VTIの購入に変更するのは、一般人なら損するのでやめた方が賢明です。

僕が「一般人」としているのは毎月の投資可能金額が5万円から10万円の普通の人のことです。もっと潤沢な余裕資金があり、為替手数料、購入時手数料も配当金への国内課税も気にならない人のことではありません。VTIなどの海外ETFが好きな方はそちらを選択すれば良いと思います。でも一般人は安易に選択しない方が賢明です。

読者のぽんくろ様からコメント欄で次の指摘を頂きました。

つまり、整理すると次回の記事からは次の点を改善してほしいという要望が言いたかったのです!
・別記事の図ではいつも上側に表示されている「リターン差のトレンド」を当シリーズでも入れて、トレンドの推移を含めた評価もするべき。
・記事中では特定口座のくだりで最終的に円に戻すまでを意識した説明がされているので、最終的な税引き後の比較も入れるべき。

それで今回は税引き後の評価額も比較するようにしました。また、いろいろとインチキしていた部分を正しくしました。

比較方法

次の条件で比較します。前回の記事から変えたところは太字にしています。

  • 楽天全米株式または本家VTIを購入する月額予算を12万円とします。ETFはそのぐらいは買わないと手数料負担的に不利だから(との指摘を受けた結果)です。
  • 楽天全米株式は設定日直後に恥ずかしいことが起きているのでそれを外して2017年11月から毎月初に積み立てします。シミュレーションに使ったのは楽天全米株式の基準価額データです。
  • NISA口座を引き合いに出すのは不適当なため(比較目的に合っていないので)、特定口座でのみ比較します。
  • 円からドルへの転換は正しい方法で行います。インチキやめました。
  • 円をドルに転換する為替手数料は4銭とします。SBIネット銀行+SBI証券でしか4銭にはできないと思います。
  • 購入時手数料は購入代金の0.45%で最低5ドル、最高20ドルとします。
  • 毎月の購入予算12万円ぴったりにはETFを買えませんが、端数は翌月に回しません
  • 本家VTIの保有株数に応じてもらえる配当金のデータはこちらから取得しました。本物です。
  • 配当金に10%の米国課税を適用、さらに20.315%の国内課税を適用します。
  • この記事では配当金は再投資していません。(VTIは取引価格が高いので配当金が足りず一株すら買えません。)
  • 楽天全米株式の積み立て金額は、本家VTIと比較するため、本家VTIの購入にかかった費用(=購入代金+為替手数料+購入時手数料)とします。これ以上公平な比較方法はないでしょう。
  • 2018年10月末時点の楽天全米株式の税引き後評価額と、本家VTIの税引き後評価額(累積配当金額を含む)を比較します。

比較結果

比較結果

赤のラインが楽天全米株式、緑のラインが本家VTI、青のラインが評価額の差です。楽天全米株式の評価額は一般的なものです。本家VTIの評価額は、保有株数×その日の取引価格+ドルで口座に入っている配当金を円換算したものです。再投資してはいないものの、評価額には配当金が含まれている点に注意してください。

10月に大きな下落があったためどちらも評価額はかろうじてプラスという結果です。

この期間の比較ではわずか0.42%ですが、楽天全米株式の方が儲かりました。なお、本家VTIの評価額は円で表示していますが、実際に円で手にするには為替手数料(多分4銭にはできないと思います)と売却時手数料が別途必要です。

もし毎月の予算が100万円なら

僕の一般人の定義から外れますが、月額予算が100万円ならどうなるか試しました。

もし毎月の予算が100万円なら

差が縮まりました。青のラインが下に移動しましたね。ETFの購入時手数料の負担率が下がった効果です。この比較だと税引き後評価額の差はわずか0.12%でした。

青のラインの動き

青のラインを拡大しました。楽天全米株式ー本家VTIです。

青のラインを拡大

時々上方向に伸びるのは配当金を取り込んだタイミングです。楽天全米株式は国内課税なしで配当金を取り込めますが、本家VTIを特定口座で買うと(DRIPに非対応の証券口座だと)配当金は国内課税により20.315%目減りします。その分、楽天全米株式の方が税引前評価額が上がります。

右肩下がりの傾向がありますが、それは楽天全米株式のトータルコストが本家VTIの経費率より高いためです。そりゃ楽天全米株式は本家VTを買うだけのインデックスファンドで、楽天投信投資顧問が信託報酬を含む費用を天引きしますから当然です。でもその代わり、楽天全米株式の受益者が得られる(本家VTIを自分で購入するのと比べた際の相対的な)メリットは絶大です。

また、本家VTIの税引前評価額は為替の影響を受けるので、細かい変動が見られます。

為替の変動の方が大きい

これは楽天全世界株式と本家VTの購入比較と同じです。

比較期間を10月10日までにすると、税引前評価額の差は0.62%ありますが、税引き後評価額の差は0.03%しかありません。ところが比較期間をもう2日後の10月12日にすると税引前評価額の差が0.60%、税引き後評価額の差は0.29%になります。原因は為替です。この比較期間で軽く数%変動しています。次はこの比較期間におけるドル円の変動をプロットしたものです。

為替の変動率

そのため、比較期間が短いと税引き後評価額を計算する日の為替の影響が大きくなると思われます。(このシミュレーションではドルを円に転換するのに前営業日のデータを使うものと当日のデータを使うものの2つが混在しています。どちらも適切な方を選択した結果ですが、これが為替の影響を受けやすい理由の1つだと思います。)

仕組みとして米国ETFの購入は不利

本家VTIのような米国ETFを購入するには為替手数料と購入時手数料が必要です。為替手数料はSBIネット銀行+SBI証券の合わせ技で1ドルあたり4銭にできますが、そうでない場合は安くても25銭だと思います。1ドル110円で4銭なら0.036%になります。

購入時手数料は購入代金の0.45%で最低5ドル、最高20ドルというのが一般的です。1112ドル以上まとめて購入しないと負担率が上がります。

さらに、特定口座だと配当金に譲渡税20.315%が適用されてしまいます。楽天全米株式は配当金を取り込んだ時にはこの譲渡税は適用されず、売却時の利益に適用されますから、単に課税を先送りしているだけとも言えますが、インデックスファンドを長期保有する場合、課税を繰り延べると複利効果により手取り額を大きくできることが期待されます。

また、配当金を再投資する場合、その配当金は一度譲渡税を徴収されたことは忘れられて、再投資によって元本の一部になり、結果的に売却時にもう一度譲渡税が徴収されてしまいます。この仕組みをありがたがるのは国税庁だけでしょう。

僕は「一般人なら楽天全米株式の方が本家VTIよりも儲かります」と言い切っていいと思いますが、条件を整えればそうは言い切れないと否定されるかも知れません。でもその条件はきっと一般人向きではないと思うのです。

毎月12万円の予算で楽天全米株式と本家VTIを買い続けた場合どうなるのか、未来のことは分かりませんが、未来になって振り返れば分かります。また来月確認します。

DRIPなら

日本の証券会社で特定口座にてDRIPが使えるようになると、VTやVTIのようなETFを買っている人は狂喜乱舞すると思います。でもサクソバンク証券のDRIP仕様は端株数に対応していないので、狂喜乱舞するのは総保有額が十分大きい人に限られるでしょう。(現在サクソバンク証券は入出庫に対応していないので、サクソバンク証券のDRIPのメリットを享受するにはサクソバンク証券で多額の株、ETFを購入するしかありません。)

楽天証券やSBI証券が端株数に対応したDRIPを始めると、海外ETFへの評価は違ったものになると思われます。まあそれでも一般人の最適解がローコストインデックスファンドなのはゆるぎませんけどね。

なお、DRIPに狂喜乱舞するなら、トータルコストはETFの経費率にはかなわないものの、一般人にとってメリットの大きい普通のインデックスファンドがひっそりと、自慢することもなくDRIPしてくれていることを評価してあげてください。

 

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