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もしもスリム先進国株式が異次元の信託報酬引き下げをしていなかったら

投稿日:2018年11月21日 更新日:

過去に起きたことは変えられないので、もしもあの時違う選択をしていたら今どうなっていたかという話は想像の域を出ることはありません。それでもたまには想像を巡らしながら過去を振り返るのも悪くないものです。

三菱UFJ国際投信は現在までにスリム先進国株式の信託報酬を4回引き下げています。

年月日 信託報酬率(税抜き) 信託報酬(税込み)
2017年2月27日(設定日) 0.20% 0.216%
2017年10月2日 0.19% 0.2052%
2017年11月10日 0.189% 0.20412%
2018年1月30日 0.1095% 0.11826%
2018年7月25日 0.1090% 0.11772%

衝撃的だったのは税抜き0.189%から0.1095%への引き下げでした。これはEXE-i つみたて先進国株式(現在の名称はSBI先進国株式)の新規設定に対抗して行われたのですが、これのベンチマークはMSCIコクサイではないにも関わらず対抗値下げを行ったことは驚きでした。

スリムシリーズは競合する商品の信託報酬引き下げに対抗することで業界最安を目指すと宣言していますが、ベンチマークが異なっていたこの場合は対抗値下げをしなくても非難されることはなかったはずです。それは三菱UFJ国際投信も分かっていた上であえて(それを勝負時と判断して)対抗値下げに踏み切ったのではないでしょうか。その結果(他のスリムシリーズでの同様の対応もあり)三菱UFJ国際投信はスリムシリーズのブランド価値を高め、受益者の信頼を勝ち取ることができました。

スリム先進国株式の総口数の変化

次はスリム先進国株式の設定来の総口数の変化です。

スリム先進国株式の設定来の総口数の変化

異次元の信託報酬値下げの前と後で増加率が極端に違っています。もしEXE-i つみたて先進国株式に対抗して異次元の値下げをしていなかった場合のことは想像するしかないわけですが、増加率がそのままなら現在の総口数は50億ちょっと、あっても60億だと思われます。

え、そのまま直線的に増えるものなの?信託報酬がそのままでも十分安いのだから右肩上がりに増えたりしないの?そうですね。そうかも知れません。

ニッセイ外国株式とたわら先進国株式の場合

ではニッセイ外国株式と、たわら先進国株式の総口数を、スリム先進国株式の設定日をゼロとしてその後の変化をプロットしました。

ニッセイ外国株式もたわら先進国株式も総口数の変化は直線的です。この直線の傾きは人気の強弱を示していますが、どちらも直線であることから、スリム先進国株式だって信託報酬の異次元の値下げがなかったら直線的にしか総口数を増やせなかったと思うのです。

それより問題なのは、異次元の信託報酬値下げがなかったらニッセイ外国株式はおろかたわら先進国株式にすらずっと追いつけなかったと思われることです。

薄利多売、いえ、生存競争です

異次元の値下げをする前の信託報酬は税抜き0.189%でした。その時の三菱UFJ国際投信の取り分は0.0845%でした。

異次元の値下げをした後の信託報酬は税抜き0.1095%でした。その後ニッセイ外国株式の信託報酬値下げに対抗して同率の0.1090%になりました。そして現在の三菱UFJ国際投信の取り分は0.0445%です。

ではスリム先進国株式の信託報酬で三菱UFJ国際投信が手にする売上は年間いくらになるでしょうか。

  • 異次元の値下げがなかった場合、現在の推定総口数60億×基準価額11,524円÷10,000=69.1億円が推定純資産総額です。それの0.0845%は583万円です。
  • 現在の純資産総額は259.5億円です。それの0.0445%は1,154万円です。

売上をほぼ倍にできました。でもスリム先進国株式から得られる売上がたったの1,154万円では、単独ではとんでもない赤字になるはずです。よって、この超ローコストインデックスファンド事業は未来への投資であり、生き残りをかけた熾烈な競争と言えます。最終的には生き残れる投資信託運用会社はせいぜい3社だとも言われます。それは極端な表現かも知れませんが、その上位3社で純資産総額のほとんどを占めることになれば、4位以下は利益を確保できずいずれ撤退することなる、という意味でしょう。

そう考えると、スリム先進国株式が異次元の信託報酬引き下げをしたのは、EXE-i つみたて先進国株式への対抗ではなくて、それを口実にした戦略的な対応だったのかも知れません。未来に向けて大きな賭けと投資をしたのではないでしょうか。

現在のところ、その選択はうまくいったようにも見えますが、まだまだ足りないと感じています。それは現状ではキング・オフ・MSCIコクサイであるニッセイ外国株式にとうてい勝てないからです。

次はニッセイ外国株式とスリム先進国株式の総口数の変化です。

ニッセイの外国株式とスリム先進国株式の総口数の変化

この推移だとスリム先進国株式は永久にニッセイ外国株式に追いつけません。

ニッセイ外国株式は2018年8月21日から信託報酬を税抜き0.1090%に引き下げました。これをチャンスと捉えて(どうせ現在の売上は1千万ちょっとしかないのだから)インパクトのある対抗値下げをすれば良かったのですが、三菱UFJ国際投信が選択したのは同率への引き下げでした。これが税抜き0.0980%だったら状況はずいぶん違うものになっていたかも知れません。これも推測の域を出ない話です。

売上の1千万ちょっとがたとえ半分になったところで広告宣伝費用だと思えば屁みたいなものでしょう。それでこのグラフのトレンドを変えられるなら安いものだと思うのですが。

スリム先進国株式にコミットしている僕としては、ニッセイ外国株式に追いつける戦略を実行して欲しいです。

 

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