インデックス投資

ニッセイ外国株式とスリム先進国株式のリターンはほぼ同じです

2019年1月24日

ニッセイ外国株式の第五期運用報告書が公開されました。決算期間は2017年11月21日から2018年11月20日です。ニッセイ外国株式はこの決算期間から信託報酬を税抜き0.189%に引き下げ、さらに2018年8月21日に0.1090%に引き下げています。そのため第五期運用報告書にある数値は2つの信託報酬のミックスです。

運用報告書にある数値

ニッセイ外国株式の第五期運用報告書

引用:運用報告書

一番気になるのは最後にある合計です。税込み0.269%です。ここからこの決算期間の信託報酬(ミックス)を引いて、いわゆる隠れコストは税込み0.087%だと計算するのが一般的です。まあそれ以外に妥当な推定手段がありませんからね。そして、この隠れコストに最新の信託報酬である税込み0.11772%を加えて、現在のトータルコストは税込み0.20472%とします。証券会社の中の人から見ればこの計算方法は乱暴極まりないかも知れませんが、外の人にとっては他に計算方法がないのが実情です。

スリム先進国株式

次はスリム先進国株式の第一期運用報告書からの引用です。

スリム先進国株式の第一期運用報告書

引用:運用報告書

合計の0.276%から税込み信託報酬0.184%を引いた税込み0.092%が隠れコストですが、決算期間が423日なので365/423を掛けた税込み0.07939%が隠れコストになります。これに最新の信託報酬税込み0.11772%を加えると現在のトータルコストは税込み0.19711%になります。

トータルコストの計算値は妥当か

ニッセイ外国株式は税込み0.20472%、スリム先進国株式は税込み0.19711%と計算されました。その差はわずか0.00761%ポイントです。これだけ小さいと、変動が避けられない隠れコストで簡単に逆転しそうです。

ではこのトータルコストの計算値は妥当でしょうか。計算上トータルコストに差がないのなら、リターンにも差が出ないはずです。ベンチマークが同じでトータルコストが変わらず、運用に問題がなくて乖離が起きなければ、そうなることが期待できます。

次は8月21日から1月18日までのリターンの差をプロットしたものです。

8月21日から1月18日までのリターンの差

青のラインはスリム先進国株式ーニッセイ外国株式なのでマイナス側にあるということはニッセイ外国株式の方がリターンが高いのかと思ってしまいますが、そうではありません。

次は比較開始日を2日後の8月23日にしたものです。

比較開始日を2日後の8月23日にしたもの

ギザギザしていますが、青のラインは右肩上がりでも右肩下がりでもありません。これはトータルコストが変わらない(この比較期間では差が出るほどではない)ことを示しています。

よって、トータルコストが税込み0.20%程度という絶対値の妥当性は分かりませんが、ニッセイ外国株式とスリム先進国株式の推定トータルコストがほぼ同じであることと、実際のリターン差は一致していると言えます。

8月21日からの比較だとニッセイ外国株式のリターンが高いのは

次は同じ比較を2018年6月1日からに変更したものです。右軸のスケールは同じです。

同じ比較を2018年6月1日からに変更したもの

縦軸の分解能が高いので、細かい変動も大きく見えてしまいます。常時この程度の変動はあるということです。そして、変動のピークの位置から比較するとあのような結果になってしまうのです。

隠れコストは下げられます

総口数が増えればコストを下げられる項目がいくつかあります。運用報告書に、「○○○÷期中の平均受益権口数」とあるもので、○○○が純資産総額と正比例しないものがそれに該当します。現在、ニッセイ外国株式の総口数は720億程度、スリム先進国株式は280億程度です。純資産総額は1050億円対310億円ともっと差がありますが、それはニッセイ外国株式の設定日が2013年12月とスリム先進国株式より3年以上前であるため、基準価額に1.324倍の違いがあるからです。

数字が多くて気が狂いそうですか。ポイントは、理屈の上でではスリム先進国株式がより多くの純資産総額を集めるて(=総口数を増やして)ニッセイ外国株式と肩をならべるようになると、隠れコストはニッセイ外国株式よりも下がるに違いない、ということです。それは同じマザーファンドを利用するeMAXIS先進国株式の隠れコストがスリム先進国株式より安価であることからも期待できます。

それとは別に、ニッセイアセットマネジメントにも三菱UFJ国際投信にも、隠れコストのさらなる低廉化に努力して欲しいです。

ニッセイアセットマネジメントは運用に不安があるので、選ぶならスリム先進国株式がいいと思っていますが、たわら先進国株式が超ローコスト化競争から脱落した今、先進国株式インデックスファンドの生き残りをかけた勝負は実質この2本しかないので、ニッセイ外国株式にはスリム先進国株式の良き競争相手でいて欲しいのです。競争がないと、改善や低コスト化は停滞します。

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