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SBI新興国株式のトータルコストは三重課税コストを考慮すると安くないです

投稿日:2019年2月3日 更新日:

日本の新興国株式インデックスファンドの多くはMSCIエマージング・マーケット・インデックスをベンチマークにしています。ニッセイもeMAXISもたわらも野村もSMTもそうです。

一方、SBI新興国株式はFTSEエマージング・インデックスをベンチマークにしています。楽天新興国株式はFTSEエマージング・マーケッツ・オールキャップ(含む中国A株)・インデックスというちょっとだけ違うものをベンチマークにしています。先日、SBI新興国株式の第一期運用報告書が公開されましたので、トータルコストを確認しました。新興国株式インデックスファンドでトータルコストが最安であるスリム新興国株式と比較しています。

目論見書にある数値は激安

目論見書には信託報酬が税込み0.0648%、購入するETFの経費率が0.13%程度で、実質的な負担が税込み0.1948%程度だとあります。

引用:目論見書

一方、スリム新興国株式の目論見書には税込み0.20412%だとあります。多くの受益者は隠れコストを意識せず、目論見書にある信託報酬または実質的な負担の数値しか見ません。そうするとSBI新興国株式の方が安く感じてしまいますが、隠れコストを含めたトータルコストは大きく違っていることが少なくありません。

運用報告書には

第一期運用報告書にあるトータルコストの数値は税込み0.224%でした。決算期間は342日だったので、365/342倍すると税込み0.2391%になります。これに購入しているETFの経費率0.13%を加えた税込み0.3691%がトータルコストになります。

スリム新興国株式のトータルコストは第一期運用報告書から税込み0.3897%と計算されますので、SBI新興国株式の方が安いです。やるじゃないか、SBI新興国株式。

「ちょっと待ったー!」(これに反応したあなたはいい歳のはずです。)

三重課税問題を考慮すると

スリム新興国株式はほぼ現物株運用だと言っていいと思います。一方、SBI新興国株式はETFを買うだけのインデックスファンドなので、厄介な三重課税問題があります。名の知れたインデックスファンドの運用報告書の公開後には良く投信ブロガーがトータルコストを計算して記事にしますが、軽く検索した範囲だと三重課税問題によるコストまで含めて比較されているのはたわら男爵様ぐらいです。

僕はやっと最近この三重課税問題に注意を向けるようになったところです。SBI新興国株式は米国籍のETFである「シュワブ エマージング・マーケッツ エクイティ ETF」を買います。ティッカーシンボルはSCHEです。このETFが買っているのは全て米国外の株式なので、いわば100%三重課税されます。

これは二重課税で、スリム新興国株式だって100%日本国外の株式を買っていますから、配当金を出せば同じ二重課税が発生します。でも、スリム新興国株式の場合は三重課税は発生しません。SBI新興国株式はSCHEから配当金を受け取りますが、その時点で二重課税されているので、スリム新興国株式にはない「三重課税コスト」が存在するのです。これ、分かりにくいですよね。配当金の扱いも不透明ですしね。

さて、次の記事に出てきたように、外国での源泉徴収額と配当金の比率が分かると推測値ではなくて公表値が得られます。

SCHEの年次レポートはバンガード社のように読みやすくなかったのですが、何とか知りたい数字を見つけました。

税引き後の配当金益が126,696,668ドルで、税額が15,052,704ドルだったとありますから、税額÷配当金総額で求めた税率は10.62%です。配当金は年率2.48%だったとあるので、2.48×10.62%=0.2634%が三重課税コストになります。でかいですね。

三重課税コストの扱いはこれではダメかも

米国籍のETFが外国株式から得る配当金は外国で源泉徴収済みですが、それを受益者(この場合はSBI新興国株式)に出す時に米国で10%源泉徴収されます。だから多重に課税されていることは間違いなく、配当金に対する割合で見た三重課税コストは上記のように計算できます。このコストは確かに存在しますが、この計算方法で扱っていいのか納得できないところがあります。

また、その三重課税コストをトータルコストに加算するのは正しくない気がしています。つまり、SBI新興国株式のトータルコストは税込み0.3691%と計算されましたから、これに三重課税コスト0.2634%を加えて、三重課税コスト考慮後のトータルコストを税込み0.6325%とするのはまずいのではないかと感じています。

でも他に良い方法を知りませんし、無視もできないです。

結論:新興国株式インデックスファンドはスリム新興国株式一択で

次は僕の計算結果です。間違っている可能性は十分あります。でも、この2つの優劣が逆転することはないはずです。

  • スリム新興国株式のトータルコスト:税込み0.3897%
  • SBI新興国株式のトータルコスト:税込み0.3691%+三重課税コスト0.2634%

よって(ベンチマークにこだわりがない場合)新興国株式インデックスファンドはスリム新興国株式一択となります。

看過できない計算間違いがありましたらご指摘頂けると幸いです。

売れ行きは

次はスリム新興国株式とSBI新興国株式の純資産総額の推移です。

スリム新興国株式の圧勝です。次は総口数の推移です。基準価額の影響を受けないので人気の動向を知るにはこっちがいいです。

SBI新興国株式を買っている人もそれなりにいるわけですが、三重課税コストの存在を考慮すると、スリム新興国株式を買っている圧倒的多数の受益者の方が「賢明なインデックス投資家」だと言えます。なぜなら、投資対象が同じならよりローコストかつ運用が安定している商品を選ぶべきだからです。

よろしければ次の記事もご覧ください。

見直しました

計算方法を見直した結果、納得できました。

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