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楽天全世界株式のトータルコストは安くはありません

投稿日:2019年2月7日 更新日:

最初にお断りしておきます。この記事にあるトータルコスト予想よりも、第二期運用報告書から計算されるトータルコストの方が低くなると思います。あくまで僕個人の勝手な予想です。

楽天全世界株式の純資産総額から毎営業日天引きされる運営費用は決算年度を通して一定ではなく、大きく変動しています。第一期ならともかく、第二期に入っても一定ではありません。

先月、次の記事で予想トータルコストを税込み0.394%としました。

その後トータルコストに変化はあったでしょうか。

本家VTとのリターンの差の変化

次は楽天全世界株式の第一期決算期間の翌日である2018年7月18日から2019年1月31日までの、楽天全世界株式と本家VTのリターン比較です。

楽天全世界株式と本家VTのリターン比較

赤のラインが楽天全世界株式、緑のラインが本家VTです。青のラインがリターンの差です。赤の矢印のところでリターンが高くなっているのは配当金を取り込んだためです。そして青のラインの下がり方は、毎営業日運営費用が天引きされている様子を示しています。

が、緑の丸で囲った部分は上振れを起こしているようです。どうしてこうなったのかは、楽天全世界株式を運用している人にしか分からないと思います。

回帰分析

2018年7月18日から2019年1月31日までのリターン差のデータから、配当金を取り込んで段差ができた分を取り除いて右肩下がりのラインに直したものをエクセルの回帰分析にかけました。

回帰分析結果

信頼性を示す重決定R2が0.955と低めなのは、グラフの形状から納得できます。それだけ費用負担が一定でないのです。または、本家VTのリターンとの間に差があります。

回帰分析結果にある係数は1営業日のものなので246倍して年率換算すると0.274%になりました。この予想コストにVT(ETF)の経費率である0.1%を加えると、予想トータルコストは税込み0.374%になります。先月の予想トータルコストは税込み0.394%だったので改善したことになります。それはリターン差のグラフの形状と一致します。

税込み0.374%が本当だとすると高いですね。何しろ目論見書上では実質的に負担する費用が税込み0.2296%だとうたっているのですから。

臨時レポート

第二期になって半年が経過した時点の経費の状況が臨時レポートで公開されています。そのように情報公開する姿勢は、そうするに至った背景はさておき、高く評価します。他社も見習って欲しいものです。

なお、この臨時レポートには言い訳がましい記述がありませんでした。それは、ここにある数値が実力を反映している、恥ずかしくない数値だと認識している証左だと思われます。

楽天全世界株式の費用明細

引用:臨時レポート

これは184日間のものです。信託報酬が0.068%とありますが、365/184倍すると0.1349%になります。目論見書には税込み0.1296%とあるのでこの計算方法ではダメそうです。そこで、合計を0.1296/0.068倍すると0.2420%になります。これを隠れコストを含む費用とします。それに本家VTの経費率0.10%を加えた税込み0.3430%を、この臨時レポートから算出されるトータルコストとします。

どうせ一致しませんから

過去の経験から、楽天全世界株式と本家VTのリターン差から計算した結果と一致するとは思えないので、気軽に比較できます。

  • 僕の勝手な予想:税込み0.374%
  • 臨時レポートから算出された値:税込み0.3430%

今回は当たらずとも遠からずでした。この数値を見てみなさんはどう感じますか?

三重課税コストを考慮すると

楽天全世界株式は本家VT(ETF)を買うだけのインデックスファンドですから、VTが内包している三重課税問題を避けることができません。次の記事でVTの2018の三重課税コストを0.1181%としました。

これは毎年変動しますが、それでも0.10%程度は実在すると思います。これを臨時レポートから算出された税込み0.3430%に加えると、税込み0.4430%になります。

スリム全世界株式にチャンスあり

臨時レポートから算出されるトータルコスト税込み0.3430%は決して安くありません。三重課税コストを考慮するとなおさらです。

僕は新興国が嫌いだし、国内株式に投資する気もないので、全世界株式を買うことはありません。でも全世界株式を嗜好する受益者は多いので、受益者にとって本当に良い商品がより多くの純資産総額を集め、その商品を運営する証券会社が相応の売上を手にするべきだと思っています。その逆だと、インデックス投資の未来が暗くなってしまいます。

その意味で、楽天全世界株式の現在の人気(純資産総額の多さ)は不相応に思えます。時期的に見ればそれも納得出来る結果かも知れませんが、今後もこのまま楽天全世界株式の天下が続かない方が健全ではないでしょうか。その対抗馬として、僕はスリム全世界株式(オール・カントリー)に期待します。スリム全世界株式は現物株運用なので三重課税問題がありませんし、新設されたMSCIジャパン指数に連動するマザーファンドを除けば運用は安定しています。

スリム全世界株式のトータルコストは第一期運用報告書が公開されるまで分からず、それはずっと先のことです。三菱UFJ国際投信には受益者をがっかりさせないように頑張って欲しいものです。

え、僕が自分では買うことのないスリム全世界株式に期待する理由ですか?それはスリム先進国株式に集中投資している我が家にとって、スリムシリーズの成功は他人事ではないからです。

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