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スリムシリーズの直販に期待はしても利用はしないはずです

投稿日:2019年2月14日 更新日:

三菱UFJ国際投信はもうじき(延期していた)直販への参入に踏み切るようです。次のようなティーザー広告も出しています。

 

 

三菱UFJ国際投信のティーザー広告

引用:三菱UFJ国際投信

直販を計画していた当初は、スリムシリーズは全部対応すると代田取締役は発言していましたが、その後tsumiki証券に虎の尾を踏まれた楽天グループが革命的なサービスを開始したことで戦略の見直しを迫られたはずです。

スリムシリーズの信託報酬の内訳

次はスリムシリーズの信託報酬の内訳と、三菱UFJ国際投信が直販した場合に販売会社に払わなくて済むコストを新サービスの原資として計算した表です。

スリムシリーズの信託報酬の内訳

現在、スリムシリーズの信託報酬のうち、三菱UFJ国際投信(委託会社)と同率を販売会社が受け取っています。三菱UFJ国際投信から見ると「半分持って行かれる」と言いたいところでしょうが、販売会社だって何もコスト負担をしていないわけでもありません。確かに直販の場合三菱UFJ国際投信の売上は直販できた分については倍に増えますが、得られる金額は現在のスリムシリーズの純資産総額では表の「原資」の列にある通りとても少ないです。純資産総額の単位は億円ですが、原資の単位は万円です。

スリムシリーズが最初に設定されたのは2017年2月ですがそれから時間をかけて純資産総額を増やし、シリーズを拡充してきました。直販を開始して、たとえ他社からの移管(入庫)に対応したとしても皆が移管するとは期待できないため、直販での受益者を増やすのは容易ではないはずです。

では金額はともかくとして、率で考えます。販売会社の列を見ると原資になりえるのが0.0445%から0.0845%だと分かりますが、楽天証券の場合(細かいことを除くと)保有資産の年率0.048%が楽天スーパーポイントで還元され、それで任意の投資信託を購入することが可能です。良く使いものにならないポイントや、制度上捨ててしまう割合が大きくて効率が悪いポイントを付与する良心的とは言えないサービスがありますが、楽天証券のこのサービスは違います。100円以上の投信の購入に1ポイント単位で利用できます。これ以上望めない良心的な設計です。

当然、楽天証券でスリムシリーズを買っている受益者に三菱UFJ国際投信の直販を考えてもらうには、この楽天証券の(ローコスト投信からの)自社の売上のほとんどを還元する無謀なサービスに対抗しなければなりません。

還元方法をどうするか

楽天グループは楽天経済圏と言われる囲い込み戦略の推進に大きな投資をしています。その強力な武器が楽天スーパーポイントです。楽天グループのサービスを良く利用する人にとってはほぼ現金と同じ価値があります。また、2017年8月から楽天スーパーポイントで投信の購入ができるようになったことで、インデックス投資家にとっては(通常ポイントに限りますが)現金と等価になりました。

三菱UFJ国際投信にとって受益者に支持される還元方法は多くないと思います。使えないポイントシステムでは意味がないので、スリムシリーズの購入に効率良く利用できるものが良いと思っていますが、どうでしょうか。たとえば、保有資産の年率0.05%を投信ポイントで付与し、それを1ポイント1円としてスリムシリーズの購入代金に充当できるというものです。

次の記事にも書きましたが、僕は保有口数の付与は難しいと思っています。

非課税口座では勝手に口数を増やせないからです。直販を特定口座でしかやらないのであれば保有口数の付与は効率的なので良いと思います。ただし、税法上の扱いがどうなるかは分かりません。(ひふみ投信には受益者が長期保有すると信託報酬を引き下げる制度があり、それを口数の付与で行っています。同じ理屈が適用できると良いですね。)

でも、保有資産の年率0.05%を還元すると、それだけで原資のほとんどを消費してしまいます。直販そのものにもコストはかかるので、普通に考えればそんなに還元したら直販する意味がないかも知れません。

クレジットカード決済への対応

楽天は楽天カードによる決済で月額最大5万円までの積み立てに対して1%の楽天スーパーポイントを付与します。これに対抗するのは無理だと思います。三菱UFJ国際投信がどういうサービスを打ち出して来るのか、僕はとても楽しみにしています。

僕は楽天証券を利用し続けるはずです

僕が楽天証券を好きな理由に、楽天銀行との連携による自由度の高さがあります。投信を購入するための資金を前もって証券口座に移す必要がありません。我が家は通常の積み立てに加えて頻繁にスポット購入を行うので、この高い自由度が必要です。

これを三菱UFJ国際投信の直販に求めるのは無理でしょう。SMAM投信直販ネットのように制約の多いものになってしまうと思います。SMAM(三井住友アセットマネジメント)の場合、積み立て投資なら楽天銀行を引き落とし口座に指定できますが、スポット購入のためのリアルタイム入金に対応しているのは三井住友銀行、ジャパンネット銀行、住信SBIネット銀行だけです。

また、次のような制約もあります。

  • 積み立て金額は1,000円以上、1,000円単位:これはいいでしょう
  • スポット購入の買い付け単位はなんと10,000円:これは許せません

結論として、僕が現在楽天証券でスリム先進国株式を買っているのを三菱UFJ国際投信の直販に切り替える可能性は限りなくゼロだと思っています。

それでも三菱UFJ国際投信の直販に期待する理由

僕自身は利用しないとしても、三菱UFJ国際投信の直販には大いに期待しています。この業界の発展には健全な競争が欠かせないからです。そして直販はより受益者のためになる方向を目指すことが期待されます。状況は厳しいですが、是非多くの受益者に支持されるサービスを展開して欲しいと願っています。

そして、三菱UFJ国際投信が楽天証券のハッピープログラムに対抗して率はともかく保有資産に応じて還元する場合、楽天証券は対抗上現在の(超ローコスト投信では確実に持ち出しになる)サービスを継続する動機になります。競争相手がいなくなれば無理なサービスは廃止されたり改悪されますが、競争相手の存在はそれを阻止してくれます。

直販の詳細が発表される日が楽しみです。

2019年3月1日追記:発表されました

期待された直販の内容は残念すぎるものでした。

やらない方が良かったレベルです。

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