インデックス投資

スリム先進国株式のマザーファンドはなぜ売買比率が高いのか

2019年2月17日

ニッセイ外国株式とスリム先進国株式の隠れコストはたわら先進国株式の倍以上あります。隠れコストの明細を確認したところ、どちらもそうですが特にスリム先進国株式のマザーファンドの売買比率が高いことが分かりました。

売買比率が高いと売買委託手数料と有価証券取引税がかさみます。次の表は上記記事からの引用です。

隠れコスト一覧表

特にスリム先進国株式は売買委託手数料と有価証券取引税が高いことが分かります。スリム先進国株式の現在の純資産総額は339億円ですが、その10倍以上の規模のマザーファンドを買っています。マザーファンドの売買比率は1.095という非常に高いものでした。一方、たわら先進国株式のマザーファンドの売買比率は0.12でした。

スリム先進国株式のマザーファンドはどうして売買比率が高いのでしょうか。

過去の売買比率

スリム先進国株式の運用報告書は第一期分しか公開されていないので、同じマザーファンドを利用しているeMAXIS先進国株式の運用報告書を参照しました。また、SMTグローバル株式も掲載しました。

売買比率一覧

左側が新しいです。SMTグローバル株式の決算期間は半年です。

  • ニッセイ外国株式は高いです。
  • たわら先進国株式はニッセイ外国株式よりは低いです。
  • eMAXIS先進国株式は断トツに高いです。
  • SMTグローバル株式は桁違いに低いです。

SMTグローバル株式の隠れコスト

SMTグローバル株式のマザーファンドの売買比率は非常に低いですが、では売買委託手数料と有価証券取引税も低いでしょうか。一覧表にしました。

低いです。また、売買比率と相関があることが分かります。つまり、スリム先進国株式のマザーファンドの売買比率が低くなれば、スリム先進国株式の隠れコストが減ることが期待できます。(くどいですね。)

ではどうしてスリム先進国株式のマザーファンドの売買比率はそんなに高いのでしょうか。

異常に高い売買金額

次はスリム先進国株式の第一期運用報告書にある、マザーファンドの売買比率の記述です。

数値は1.27ですが、1年に換算すると1.095になります。驚くのは金額です。マザーファンドの純資産総額は平均で3,412億円なのに、それを超える4,336億円も売買しています。

次はeMAXIS先進国株式、スリム先進国株式、つみたて先進国株式(為替ヘッジありなし)の、上記決算期間における総口数の推移です。

eMAXIS先進国株式、スリム先進国株式、つみたて先進国株式(為替ヘッジありなし)の総口数の推移

スリム先進国株式は100億円程度純資産総額を増やしましたから、それぐらいは買っています。つみたて先進国株式は無視できるほど少ないです。eMAXIS先進国株式は総口数を減らしている(買う人より売る人の方が多い)ことが分かりますが、それでも売却額はせいぜい60億円です。(基準価額はスリム先進国株式の2.3倍ほどあります。)つまり、これらの商品の決算期間の最初と最後の増減だけから考えるとせいぜい160億円程度しか売買は発生していません。

でも売買は毎営業日発生できるので、売り注文と買い注文で相殺できず実際に売買が発生することは普通にあるでしょう。でもマザーファンドの売買金額は4,336億円もあり、それはどう考えてもこれら4本のインデックスファンドによるものとは思えません。

他にも次のインデックスファンドがこのマザーファンドを買っています。

  • eMAXIS全世界株式
  • eMAXISバランス(4資産均等型)
  • eMAXISバランス(8資産均等型)
  • eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)

前記決算期間内では無視できるほどしか買っていないものは除きました。これら4本が売買している分を考えても、やはり桁が合いません。

もっと高コストな商品は

eMAXISシリーズ登場前から三菱UFJ国際投信は同じマザーファンドで商売していました。僕らが知りもしない高コストな商品がたくさんあるはずです。

  • 三菱UFJ外国株式インデックスファンドの売買金額はeMAXIS先進国株式より少なかったです。
  • MAXIS海外株式(MSCIコクサイ)上場投信は運用報告書が非公開で閲覧できませんでした。でも純資産総額は84億円程度しかないので大した影響はないかも知れません。

うーん、さじ投げそうです。

三菱UFJ外国株式ファンドVA(適格機関投資家限定)発見

機関投資家向けのファンドがありました。運用報告書は見つかりませんでしが(一般人には公開していないかも)、こちらのレポートによると最近めっきり純資産総額を減らしています。次はそのレポートからの引用です。

裾野の広がる山のような形状が純資産総額の推移です。2013年頃に2,000億円近くあった純資産総額は210億円まで減らしています。前記eMAXIS先進国株式の運用報告書に見た売買比率の推移は明らかにこの純資産総額を減らしている期間に該当するので、影響はあったはずです。

でも金額的にはまだまだですが、他にもマザーファンドを利用している商品があって、その全ての合算結果を見ているのかも知れません。

サービスコストは受益者負担で

スリム先進国株式は巨額なマザーファンドの恩恵を受けています。純資産総額に正比例しないコストは純資産総額が大きいほど割安になるからです。

でもスリム先進国株式の受益者である僕が追い求めているのは、その、マザーファンドを利用しているインデックスファンドが負担するコストの低減化です。スリム先進国株式の売買比率はずっと低いのだから下げてよ、というのが本音です。でも、それはマザーファンドのサービスコストのいいところ取りをしたいと言っているのに等しく、ファンドマネージャーからするとフェアではないでしょう。「スリム先進国株式だけ特別扱いはできません。」

そうすると、3,400億円以上あるマザーファンドを利用している、三菱UFJ国際投信の全商品の売買結果が落ち着いてくれば、たわら先進国株式のように売買比率が下がってくることが期待できるものの、それは三菱UFJ国際投信がコントロールできません。よって、三菱UFJ国際投信の努力では改善されないことになります。

この推測が正しければですが、なかなか難しいものがありますね。

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