インデックス投資

先進国株式インデックスファンドの先物比率はリターンに影響するのか

2019年3月2日

インデックスファンドで重視すべきはトータルコストの低さと安定した運用です。安定した運用とはベンチマークからの乖離が少ないことを意味します。ベンチマークに忠実である運用を目指すのは当たり前ですが、そもそも先物比率が高いとそれを困難にします。

そのため、一般には先物比率が低い「現物株運用」が好ましいとされます。新興国株式インデックスファンドには先物比率が高い問題児がいることが分かっています。

先進国株式インデックスファンドの場合、現物株運用と言っても先物比率はゼロではありません。また、現物株比率を見ると案外低いものがあります。それは僕らインデックス投資家が気にすべきレベルの違いを生むでしょうか。

おことわり

運用報告書を参照して作った一覧表の数値は正しいはずですが、基準価額の実績データを比較したグラフの解釈は微妙です。現物株や先物の比率がリターンにどう影響しているかは運用しているファンドマネージャーにしか分かりません。商品Aと商品Bのリターン差が暴れる場合、どちらか一方または両方がベンチマークからの乖離が大きいと推測されますが、それ以上のことは想像するしかありません。

比較対象

MSCIコクサイをベンチマークにしている次のインデックスファンドを選択しました。

  • スリム先進国株式
  • ニッセイ外国株式
  • たわら先進国株式
  • SSGA先進国株式
  • Smart-i 先進国株式
  • i-SMT グローバル株式
  • Funds-i 外国株式
  • iFree 外国株式
  • SMTグローバル株式
  • 外国株式インデックスe

意外に低い現物株比率

現物株比率の高い順に並べました。上位のものほど「好ましい」と言えます。なお、「投資信託証券比率」がブランクの2商品は、運用報告書にその数値がありませんでした。また「その他」は単純に計算で求めただけです。

現物株比率の高い順

安定した運用で知られているたわら先進国株式は93.7%です。スリム先進国株式は91.5%しかありません。低いと思いませんか。

先物比率はピンキリ

先物比率の低い順に並べました。上位のものほど「好ましい」と言えます。

先物比率の低い順

たわら先進国株式は5.6%で8位です。意外に高いです。これら2つの表からは、Funds-i 外国株式はベンチマークに忠実な運用が期待でき、Smart-i 先進国株式は相対的に難しいそうと思えます。

リターン比較

スリム先進国株式が信託報酬を税抜き0.1095%に引き下げた2018年1月30日からの2019年2月22日までの比較です。縦軸のスケールはみな同じです。この記事で見たいのはトータルコストの大小ではなくて、リターンの差を示す青のラインの暴れ具合は現物株比率、先物比率と相関があるか、です。

また、この記事で気にするのは細かい暴れです。次の図の赤い丸で囲ったところにある変動であり、緑の丸で囲った大きなうねりではありません。

なお、以下のグラフではリターンを示す赤と緑のラインは見えなくしています。

スリム先進国株式 vs たわら先進国株式

どちらも運用が安定していると信じられています。

スリム先進国株式 vs たわら先進国株式

これぐらいの暴れ具合は避けられないものだと思ってきましたが、それは正しい理解だったでしょうか。

スリム先進国株式 vs Fudns-i 外国株式

このブログでリファレンス的に参照しているスリム先進国株式と1位の比較です。

スリム先進国株式 vs Fudns-i 外国株式

暴れ具合は大差ないですね。

iFree 外国株式 vs Funds-i 外国株式

2つの表で上位にランクインした2商品の比較です。

iFree 外国株式 vs Funds-i 外国株式

細かい暴れが少ないです。

Smart-i 先進国株式 vs Funds-i 外国株式

最下位と1位の比較です。

明らかに暴れが大きいです。

スリム先進国株式 vs Smart-i 先進国株式

このブログでリファレンス的に参照しているスリム先進国株式と最下位の比較です。

明らかに暴れが大きいです。

SSGA先進国株式 vs Funds-i 外国株式

これも上位同士の比較です。

細かい暴れが少ないです。

ニッセイ外国株式 vs Funds-i 外国株式

これも上位同士の比較です。

ニッセイ外国株式 vs Funds-i 外国株式

細かい暴れが少ないです。

i-SMT グローバル株式 vs Funds-i 外国株式

そこそこ暴れています。

SMT グローバル株式 vs Funds-i 外国株式

SMT グローバル株式 vs Funds-i 外国株式

そこそこ暴れています。

外国株式インデックスe vs Funds-i 外国株式

Smart-i 先進国株式に次ぐ下位と1位の比較です。

外国株式インデックスe vs Funds-i 外国株式

意外に暴れは少ないです。

結論

これは僕の感想です。

  • Smart-i 先進国株式は暴れが大きいです。これは先物比率の高さを反映していると思われます。
  • たわら先進国株式、スリム先進国株式は表の順位としては低く、現物株比率、先物比率を見ると「大丈夫なの?」と思ってしまいますが、リターン実績は問題ないようです。
  • 現物株株比率が高いFudns-i 外国株式は、日々の変動は安定していると思われます。
  • Funds-i 外国株式より現物株比率が低いからと言って、それがリターンにそのまま現れるとは限らないようです。

この記事で選択したインデックスファンドでは、Smart-i 先進国株式を除けば問題視しなくて良いと考えます。

バランスが大事かも

もしかすると現物株比率、先物比率、投資信託証券比率などをどうするかは、コストとベンチマークへの忠実度のトレードオフであり、必ずしもFunds-i 外国株式の水準を目指すのが良いとは言えないかも知れません。

次は推定トータルコストの安い順に並べたものです。

推定トータルコストの安い順

たまたまだと思いますが、Funds-i 外国株式は最下位です。

僕はスリム先進国株式に集中投資していますが、トータルコストが低く、他の先進国株式インデックスファンドとリターン比較をした結果からは運用に不安を感じないので、その選択は間違っていないと思っています。もちろん、多分にバイアスのかかった意見です。

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