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iFree S&P500の現状に同情します

投稿日:2019年3月3日 更新日:

iFree S&P500の信託報酬は税込み0.243%、隠れコストを含むトータルコストは税込み0.3723%と計算されます。一方、10ヶ月遅れて設定されたスリムS&P500の信託報酬は税込み0.1728%です。信託報酬はスリムS&P500の方が0.0702%ポイントも安いので、信託報酬しか見ない多くの受益者がiFree S&P500ではなくてスリムS&P500を選択するとしても不思議ではありません。

もちろん、信託報酬差以外にもスリムシリーズには業界最安の信託報酬を目指してくれる安心感があるため、それも判断材料になっている可能性は十分あります。ではジャンル、商品を問わずスリムシリーズの圧勝かと言うとそんなことは全くありません。僕の印象としては、スリムシリーズより信託報酬が高くて明らかに不利だ(損する)と思われる商品も不思議なくらい売れています。おそらく、そういう不利な商品を買っている受益者は、スリムシリーズを買った方が得するという情報を持ち合わせていないのでしょう。

が、iFree S&P500は最近明らかに売れなくなってきています。一方のスリムS&P500は絶好調です。これが商品の実力を反映した結果なら何の問題もありません。でもリターン実績が示すのはiFree S&P500が不当な評価をされているかも知れないという投資信託特有の問題です。

リターン比較

次はスリムS&P500の運用が安定したと思われる2018年9月3日から2019年3月1日までのリターン比較です。

2018年9月3日から2019年3月1日までのリターン比較

青のラインはリターンの差で、スリムS&P500ーiFree S&P500です。現状ほぼ差がありません。それはこの2商品の実際のトータルコストが変わらないことを示唆しています。あるいはこう言い換えてもいいです。どちらに投資しても得られるリターンに差はありません。

信託報酬しか見ない多くの受益者は、スリムS&P500の方が信託報酬が安いのだからiFree S&P500を買うより得するはずと思っていることでしょう。でも少なくとも現在はそうではありません。

そして第一期運用報告書が公開されるまで隠れコストについては一切の開示義務がないため、スリムS&P500の隠れコストは想像するしかありません。リターン比較をするとパフォーマンスが悪い商品があり、その運用報告書が公開されたら隠れコストがひどかったというのはままある話です。そのため、第一期運用報告書が公開されるまでは怖くて買えないという意見も良く聞きます。

人気の変化

次は設定来の総口数の推移です。基準価額変動の影響を受けないので、購入口数ー解約口数の結果が分かります。

設定来の総口数の推移

赤のラインがiFree S&P500、緑のラインがスリムS&P500です。スリムS&P500は勢いを保っているものの、iFree S&P500は明らかに頭打ちになっています。

次は比較開始日をスリムS&P500の設定日にしたものです。

比較開始日をスリムS&P500の設定日にしたもの

iFree S&P500は12月中旬以降増えていません。

Fund of the Year 2018の結果

FOY2017の10位から17位に転落してしまいました。スリムS&P500は初登場で8位でした。これをスリムシリーズのブランド戦略の勝利としてしまうのは簡単ですが、リターンに差がない現状を見ると割り切れないものを感じます。

信託報酬が要因だとすると

iFree S&P500の総口数が増えなくなった理由はスリムS&P500の存在以外にあるかも知れません。でも、S&P500指数をベンチマークにしているローコストインデックスファンドの選択肢はこの2つしかないので、iFree S&P500から見ればスリムS&P500は直接競合するライバルであることは確かです。

iFree S&P500を運用している大和投資信託にとって、ライバルであるスリムS&P500の信託報酬が安いのは事実ですが、隠れコストまで含めたトータルコストに差がないならば現在受益者が下している(と想像される)判断は不当なものに思えるでしょう。かと言って、打てそうな対策は信託報酬引き下げ以外にないでしょう。それはおいそれとは取りたくない手段でしょうから、結果的には総口数が減少に転じるのを指をくわえて見ているしかないかも知れません。同情してしまいます。

販売会社数は

  • スリムS&P500:12社
  • iFree S&P500:33社

iFree S&P500はすでに多くの金融機関に販路を広げています。たわら先進国株式を販売している会社は60を超えているのでまだ増やせる余地はありますが、それをやったとしても功を奏するかどうかは分かりません。

第一期運用報告書が公開された時

運用報告書に記載される隠れコストが実際のリターンと一致しないこともあるので、スリムS&P500の運用報告書から計算されるトータルコストはiFree S&P500のそれより十分安いかも知れません。その場合はまた別の問題が浮上する(トータルコスト差とリターン差が一致しないのは何故か)わけですが、それはそうなった時に考えましょう。

ではスリムS&P500の運用報告書から計算されるトータルコストが予想外に高く、トータルコストはiFree S&P500のそれと変わらなかったとします。投信ブログはがっかりした、残念だという意見でにぎわうでしょうが、一般の受益者はそんなことは知る由もなく、よって騙されたみたいな感情を抱くこともなく、スリムS&P500に有償の愛である現金を投じ続けるかも知れません。

もしトータルコストがiFree S&P500と変わらなかったと分かったところで時すでに遅く、三菱UFJ国際投信に不満を感じつつも他に良い投資先がなく、結果的にスリムS&P500に有償の愛である現金を投じ続けることに変わらないかも知れません。

なんかこれって楽天全世界株式で見た景色だったりもします。目論見書に「実施的に負担する運営管理費用」が税込み0.2296%程度だと書いて、圧倒的な人気を獲得して純資産総額を伸ばしておきながら、運用報告書から計算されたトータルコストは税込み0.501%という残念なものでした。

しかしながら、総口数の推移に陰りは全く見られません。FOY2018では1年前の1位から9位に陥落しましたが、それは一部の投信ブロガーの投票結果であって一般の受益者を代表していないことは明らかです。

三菱UFJ国際投信に望むこと

スリムS&P500が設定されてから半年が経過しました。もう手遅れとか言わずに少しでも隠れコストの低減化に取り組んで欲しいです。頑張らないとFOY2019では陥落しますよ。いや、それよりも究極の愛を投じてくれた多くの受益者をがっかりさせないで欲しいですね。現状だとかなりがっかりさせることになりませんか。

いやいや「一般の受益者はトータルコストなんか気にしないからいいのだよ」だとすると、それはそれでとても悲しいです。

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