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スリム全世界株式(オール・カントリー)の運用は順調です

投稿日:2019年3月6日 更新日:

スリム全世界株式(オール・カントリー)は三菱UFJ国際投信が勝負にこだわったインデックスファンドです。スリム全世界株式(3地域均等型)の国内株式がTOPIXをベンチマークにしていた(よって既存のマザーファンドが利用できた)ように、その33.3%ずつの比率を時価総額比である82%、11%、7%に変更するだけでオール・カントリーを組成できたわけですが、代田取締役は「国内株式をTOPIXで代用するのは潔しとしない」と言われていました。そうして選択肢に上がったベンチマークはMSCI ACWIとFTSEグローバル・オールキャップ・インデックスになりましたが、三菱UFJ国際投信はMSCI ACWIを選択しました。

MSCI ACWIの国内株式部分はMSCIジャパンですが、三菱UFJ国際投信はそのマザーファンドを運用していなかったのでわざわざ新設しました。TOPIXで代用する方がはるかに楽な道だったはずですが、あえて困難な(投資額が大きくなる)道を選択したわけです。

次の記事でスリム全世界株式(オール・カントリー)の設定後1ヶ月の状態を確認しました。順調そうでした。

設定後4ヶ月が経過しましたが、順調をキープできているでしょうか。

以下、「スリム全世界株式」はオール・カントリーのことを指します。

スリム全世界株式 vs SSGA全世界株式

MSCI ACWIをベンチマークにしている、日本で買えるインデックスファンドはSSGA全世界株式とスリム全世界株式だけだと思います。SSGA全世界株式は2017年9月8日に設定されましたが、信託報酬率が税込み0.5184%もする上に信託財産留保額を0.3%も取るという、とてもやる気のない設定です。でも同じ指数をベンチマークにしているインデックスファンドはリターンの比較対象になるのでありがたい存在です。

次はスリム全世界株式とSSGA全世界株式のリターン比較です。本来は設定日直後は比較しないのですが、あえて設定日から比較しています。そのため、設定日直後は多くのインデックスファンドに見られる「不安定さ」を割り引いて見るようにして下さい。

スリム全世界株式 vs SSGA全世界株式

赤のラインがスリム全世界株式、緑のラインがSSGA全世界株式です。青のラインがリターンの差で、スリム全世界株式ーSSGA全世界株式です。

青のラインは、スリム全世界株式の設定後2週間程度はフラットでしたが、その後右肩上がりです。いろんなインデックスファンドのリターン比較をしてきた経験から、スリム全世界株式の運用は順調だと判断します。比較対象のどちらかに問題があるとリターンの差に表れます。

青のラインの傾きはトータルコストの差を示しています。4ヶ月で0.15%程度の差が生まれていますから、年率だと0.45%近い差になると思われます。

SSGA全世界株式の運用報告書にあるトータルコストは税込み0.608%です。それよりトータルコストが0.45%安いとなると、スリム全世界株式のトータルコストは税込み0.15%程度になってしまいます。いくらなんでもそれは無理ですね。スリム全世界株式の信託報酬率は税込み0.15336%です。トータルコストが信託報酬の1.6倍になっても不思議ではないので、税込み0.249%程度はあるでしょう。もちろん、少ない方が受益者にとって喜ばしいわけですが、過度な期待はできません。

このように、ごまかしの効かない基準価額データを比較した結果と、運用報告書にあるトータルコストが符合しないケースは珍しくありません。でもこの比較結果から、スリム全世界株式のトータルコストは期待はずれではなさそうだと言えます。それは、トータルコストが税込み0.608%のSSGA全世界株式と十分なリターン差が生まれているからです。

スリムS&P500の場合

スリムS&P500とiFree S&P500の信託報酬には0.0702%ポイントもの差がありますが、現状リターンに差はありません。それはこれら2つのトータルコストが変わらないことを示唆しています。

現状だとスリムS&P500の信託報酬は税込み0.1728%ですが、トータルコストはiFree S&P500と変わらない税込み0.3723%程度になってしまいます。

上振れの可能性もありますが

スリム全世界株式とSSGA全世界株式のリターン比較に見られる「リターン差」を生み出しているのは、トータルコスト差だけではなくて「上振れ」、すなわちベンチマークからの上方乖離の可能性もあります。が、月次レポートを見る限り、設定直後の1ヶ月を除いてそれはないようです。

また、スリム全世界株式の国内株式部分(MSCIジャパンマザーファンドを利用)は7.5%程度しかありません。残りの92.5%程度は運用実績のある既存マザーファンドを利用しています。MSCIジャパン部分は他と同じようには行かないかも知れませんが、現状は、問題があるとしても顕著になっていません。総じて、運用は順調だとしていいでしょう。

売れ行きは

次はスリム全世界株式の設定来の総口数の推移です。純資産総額は19億円です。

総口数の推移

設定後4ヶ月で19億円集められていますので、十分な人気を獲得できていると言っていいです。また、補助線の傾きが示す通り、年初から増加率が上向いています。

楽天全世界株式には全くかないません

が、直接のライバルである楽天全世界株式にはかないません。楽天全世界株式の現在の純資産総額は193億円もあります。スリム全世界株式の10倍です。そして次は設定後の総口数の推移を時間軸を合わせてプロットしたものです。

楽天全世界株式の圧勝

赤のラインが楽天全世界株式です。人気の度合いが違います。あのVTが円のままでインデックスファンドとして買えるという画期的な商品ゆえの結果かも知れませんが、多くの受益者に支持されたことは確かです。

そして楽天全世界株式は実は高コストだったことが判明した後も不思議なくらい勢いが衰えません。次は純資産総額の推移です。

楽天全世界株式は強い

次は総口数の推移です。人気を把握するならこちらです。

楽天全世界株式の衰えない人気

赤のラインと緑のラインの角度の違いは明白です。このままだと、スリム全世界株式は楽天全世界株式に永久に追いつけません。

またこれは、大半の受益者がトータルコストなんて気にしていない証左かも知れません。このラインの傾きは受益者の有償の愛である現金に支えられていますが、何かを理由にして嫌われると右肩下がりのなだらかな曲線を描き始めます。そうなっていないので、楽天全世界株式の受益者は満足しているに違いありません。

楽天全世界株式に勝つ方法

大半の受益者が信託報酬しか見ていないとするなら、先行者利益とも言うべき圧倒的な人気、受益者数、純資産総額を獲得済みの楽天全世界株式にスリム全世界株式が勝つ方法はひとつしかありません。信託報酬の引き下げです。たとえば、スリム先進国株式と同率の税抜き0.1090%にするのです。楽天全世界株式は付いてこれないでしょう。それぐらいのインパクトのあることをしないと現状の打破は無理です。それは、過去にスリム先進国株式で体験済みですよね。

現状ではせっかく「ど真ん中で勝負」を仕掛けた努力と投資が報われません。現状の人気なら、7.5%はTOPIXの代用でも達成できたかも知れません。せっかくMSCIジャパンのマザーファンドを新規設定したのですから、それに相応しい戦いをしてはどうでしょうか。

なお、僕はスリム全世界株式は買っていないので、これは自分の利益のための主張ではありません。

よろしければ次の記事もご覧ください。

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