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インデックス投資

もしもスリム全世界株式(オール・カントリー)の国内株式がTOPIXだったら

投稿日:2019年3月7日 更新日:

一部の投信ブロガーが時価総額比で全世界に投資する楽天全世界株式のような、でも現物株運用のインデックスファンドを熱望していた頃、三菱UFJ国際投信は賛否両論に分かれたスリム全世界株式(3地域均等型)を組成しました。スリム全世界株式(3地域均等型)は設定されてから10ヶ月になりますが、純資産総額は8.9億円しかありません。明らかに不人気です。

圧倒的な人気と純資産総額を誇る楽天全世界株式に遅れること13ヶ月で設定されたスリム全世界株式(オール・カントリー)はMSCI ACWIをベンチマークにしており、そのため国内株式はMSCIジャパンです。それまで三菱UFJ国際投信はMSCIジャパンのマザーファンドを運用しておらず、オール・カントリーのために新設したため、その安定運用を危惧する声もありました。が、現在までのところ運用は順調です。

僕の理解では、時価総額比で全世界に投資するインデックスファンドのスリムシリーズへの追加を望んでいた投信ブロガーは、国内株式部分はTOPIXで良いと思っていたはずです。それならマザーファンドを新設する必要はなく、スリム全世界株式(3地域均等型)の3地域の比率を時価総額比に変えるだけで組成できました。

でもその楽な道を選択せず、MSCI ACWIをベンチマークにするためわざわざMSCIジャパンのマザーファンドを新設するという苦労する道を選択しました。どちらを選択した方が人気が出たかは誰にも分かりませんが、リターンはどうなっていたかは推測することができます。

以下、「スリム全世界株式」はオール・カントリーのことを指します。

おことわり

この記事に出てくる元データは全て現実のものですが、その合成結果はそうではありません。スリム全世界株式は実在しますが、TOPIXを使って合成した偽物は実在しません。あくまで読み物、娯楽、エンターテインメントの類だと捉えて下さい。

TOPIX vs MSCIジャパン

TOPIXを「半分腐った幕の内弁当」と揶揄した著名人がいますが、それは国内株式が半分腐っていると表現するのと等価です。TOPIXは東証一部に上場している国内株の全銘柄を対象にしています。2月末で2,310銘柄あります。いいか悪いかは別にして、国内株式全部の平均を表す指数です。

MSCIジャパンはMSCI社が選択した銘柄にのみ投資する指数です。こちらの資料によると現在323銘柄です。

TOPIXの方がより分散されていますが、その分保有する価値があるかどうか分からないような小型株までもれなく買います。MSCIジャパンは大・中型株しか買いません。もし選択できますと言われたら、受益者の好みによって判断が分かれるでしょう。

パフォーマンス比較

話はここから一気に怪しくなります。国内株式全部に投資するのと、MSCI社が選択した323銘柄に投資するのでは、どちらのパフォーマンスが高いかを知りたいですよね。でもそれは簡単ではありません。

MSCIジャパン指数そのものはMSCI社からダウンロードできます。国内株式なので配当込み、現地国課税前である「グロス」を参照するのが適切だと思われます。これを円換算したものを使います。

TOPIXは配当を含まないものは容易にダウンロードできますが、配当を含む日次データはできませんでした。配当を含まない指数と比較しても意味はありません。

次はスリムTOPIXと配当を含まないTOPIX指数のリターン比較です。

スリムTOPIXと配当を含まないTOPIX指数のリターン比較

赤のラインがスリムTOPIX、緑のラインがTOPIX指数です。青のラインはリターンの差で、スリムTOPIXーTOPIX指数です。スリムTOPIXは毎営業日純資産総額から運用コストが天引きされますが、にも関わらず青のラインはずっと右肩上がりです。これは配当金による効果のはずです。

もし配当を含むTOPIX指数と比較できたら、青のラインはトータルコストを示す傾きを持つ、右肩下がりのラインになるはずです。

スリムTOPIX vs MSCIジャパン

次はスリムTOPIXの設定来の基準価額と、MSCIジャパン指数(グロス)を比較したものです。

スリムTOPIX vs MSCIジャパン

青のラインはスリムTOPIXーMSCIジャパンです。異なる指数を比較しているので日々の差ではなくて傾向を見て下さい。MSCIジャパンは指数なので運用コストを含みません。スリムTOPIXのトータルコストは税込み0.173%で、それを日割りで毎営業日負担しています。それでもおおむねスリムTOPIXの方がリターンが高いですが、時期によって変わるようです。

eMAXIS TOPIX vs MSCIジャパン

ダウンロードしたMSCIジャパン指数は2015年3月5日からなので、トータルコストは高いですがeMAXIS TOPIXと比較してみました。

eMAXIS TOPIX vs MSCIジャパン

これを見る限り、TOPIXよりMSCIジャパンの方が高いパフォーマンスが期待できる、というわけではありません。TOPIXが半分腐っているなら、MSCIジャパンも同じくらい腐っています。

スリム全世界株式をTOPIXで合成

これはスリム全世界株式をスリム先進国株式、スリム新興国株式、スリムTOPIXから合成した偽物は、本物と比べてどうなのかという遊びです。3地域の比率はスリム全世界株式の2018年12月の月報にあった数値を使いました。先進国株式80.5%、新興国株式11.8%、国内株式7.7%です。

比較期間はスリム全世界株式の設定日から2019年3月1日です。

本物 vs 偽物

ほとんど差がありません。本物は本当にMSCIジャパンなのか?などと失礼なことを考えてしまいました。(冗談ですよ。)

リターンの差を見ます。

本物 vs 偽物、リターン差

青のラインは本物ー偽物です。マイナス圏が多いので、偽物の方がリターンが高い期間が多いと言えますが、無視できるレベルです。

本物と偽物の違いは国内株式で、全体の7.7%しかないため差が生まれにくいです。そういう意味では、ベンチマークをMSCI ACWIにせず、国内株式をTOPIXで代用してもパフォーマンスは変わらなかったかも知れません。

一般のインデックス投資家はベンチマークを気にするのか

もし可能ならスリム全世界株式の受益者に聞きたいことがあります。

あなたはスリム全世界株式を選択する際にベンチマークを気にしましたか?

僕は大半の人は気にしないと思います。よって、国内株式をTOPIXで代用した合成ベンチマークでも(3地域均等型同様つみたてNISA適格にできますし)人気は変わらなかったかも知れません。

たわらやニッセイが出ないのはなぜ

人気があって簡単に組成できる8資産均等型は乱造とは言いませんがいろんな運用会社が販売しています。でもスリム全世界株式の後追いは、先進国株式、新興国株式、TOPIXを時価総額比で合成するだけで組成できるにも関わらず、たわらノーロードシリーズやニッセイなしなしシリーズから登場しません。僕はこれが不思議でなりません。バカ売れしている楽天全世界株式は、時価総額比の全世界株式の需要が高いことを示しているとは言い切れないと判断しているのでしょうか。

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