インデックス投資

iシェアーズ先進国株式のベンチマークはMSCIコクサイと言えるのか

2019年4月23日

iシェアーズ先進国株式の目論見書には、ベンチマークはMSCIコクサイだと明記されています。ところが実体はMSCIコクサイとは関係ない、自社の5本のETFを組み合わせたインデックスファンドです。どう取り繕ったところで、それでMSCIコクサイになるとは思えません。真面目に現物株約1,300銘柄の運用により指数をトレースしている商品と同列に扱っていいでしょうか。

ごまかしの効かないリターンデータを比較すると、iシェアーズ先進国株式のあやしさは一目瞭然です。

スリム先進国株式 vs Funds-i 外国株式

まず現物株運用同士で比較します。スリム先進国株式の設定日直後を避けた2017年3月15日から2019年4月19日までの比較です。

スリム先進国株式 vs Funds-i 外国株式

青のラインはリターン差で、スリム先進国株式ーFunds-i 外国株式です。トータルコスト差が大きいので(乱れもありますが)右肩上がりの直線になります。

スリム先進国株式は設定後何度も信託報酬を引き下げています。それも含めて基準価額にはすべてのコストが反映されています。全部ひっくるめて、2年1ヶ月で約1.2%のリターン差が生まれています。

スリム先進国株式 vs iシェアーズ先進国株式

同じスケール、比較期間です。

スリム先進国株式 vs iシェアーズ先進国株式

傾向としては右肩上がりですが、それはトータルコスト差によるものです。青のラインの暴れ、変動は、トラッキングエラーとか言うレベルではありません。そもそも指数を忠実にトレースできるわけがありません。

MSCIコクサイのベンチマークをナメてないですか。

スリム先進国株式 vs ニッセイ外国株式

ニッセイ外国株式と比較します。同じスケール、比較期間です。

スリム先進国株式 vs ニッセイ外国株式

この比較期間では、ニッセイ外国株式は問題を起こしていません。

ニッセイ外国株式 vs eMAXIS先進国株式

ニッセイ外国株式は過去に2回大きな下方乖離を起こしています。次はニッセイ外国株式とeMAXIS先進国株式のリターン比較です。2014年から2017年までです。

右軸のスケールは同じです。赤の矢印の位置で下方乖離を起こしました。

eMAXIS先進国株式 vs iシェアーズ先進国株式

2014年から2017年までです。スケールは同じです。

eMAXIS先進国株式 vs iシェアーズ先進国株式

青のラインはeMAXIS先進国株式ーiシェアーズ先進国株式です。運用報告書にあるトータルコストはeMAXIS先進国株式の方が高いのですが、この結果です。

ニッセイ外国株式が起こしたあの程度の下方乖離で大騒ぎするのに、iシェアーズ先進国株式のこのダメダメな結果が注目されないのは、商品の人気の差ゆえでしょう。

売れ行き

純資産総額は9.9億円です。次は設定来の総口数の推移です。

設定来の総口数の推

スローペースですが、増やしています。でも人気の高い先進国株式インデックスファンドとしてはとっくに勝負はついていて、どうせ儲からないことは明らかですから何かを改善しようというモチベーションもゼロでしょう。ちなみに、ニッセイ外国株式の純資産総額は1,205億円です。

残念すぎます

これで良く目論見書にMSCIコクサイをベンチマークにしていると書けますね。不思議です。(理由は不明ですが)つみたてNISAの対象商品でないのがせめてもの救いです。

このような、ベンチマークだとしている指数をまともにトレースできないインデックスファンドは組成できないように規制を強化して欲しいです。言い過ぎでしょうか。

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