インデックス投資

【残念】たわら先進国株式の隠れコストは最安ではありません

2019年4月26日

インデックスファンドのコストには信託報酬と隠れコストがあり、両者を合計したものがトータルコストまたは実質コストと呼ばれます。信託報酬は目論見書に明記されていますが、隠れコストは運用報告書を見ないと分からないとされていました。

第一期運用報告書が公開されるまでに1年以上かかることがあり(設定日と決算日によります)、それまでは本当のコストが分からなくて怖いということが普通に起こります。そして公開された運用報告書を見て腰を抜かすことも少なくありません。

そして近年、運用報告書にはすべてのコストが記載されていないことが明らかになってきました。結果的に一番信用できるのは、ごまかしの効かない基準価額(リターンデータ)なのです。

隠れコスト比較

次は主要先進国株式インデックスファンドの隠れコストを運用報告書から抜粋したものです。年換算してあります。

先進国株式インデックスファンドの隠れコスト比較

最安値のものを青字、最高値のものを赤字にしてあります。投信マニアでない方は合計だけ見れば十分です。たわら先進国株式は0.035%でダントツに安いです。ニッセイ外国株式やスリム先進国株式の半分以下です。

投信ブロガーの間で、こうやって計算した隠れコストが正しいものだと信じられてきましたが、これは真の隠れコストの姿ではありませんでした。

One DC 先進国株式インデックスファンド

たわら先進国株式を運用しているアセットマネジメントOneがDC(確定拠出年金)専用として新設したのが「One DC 先進国株式インデックスファンド」です。信託報酬はニッセイ外国株式、スリム先進国株式と同じ税抜き0.1090%です。

同じマザーファンドを利用するインデックスファンドで、販売ルートによって信託報酬を変更するのは珍しくありません。eMAXISシリーズ、スリムシリーズ、つみたてんとうシリーズはその代表例です。

たわら先進国株式の信託報酬は税抜き0.20%のままで、これを引き下げる気がないことの表明ともとれます。たわら先進国株式の受益者の中にはがっかりした人も多いことでしょう。

One DC 先進国株式インデックスファンド(偽物)

One DC 先進国株式インデックスファンドの基準価額の推移は、たわら先進国株式のそれから信託報酬の差だけ変化したものに近いはずです。(マザーファンドが同じなので)それよりも良い結果になるとは思えません。特に、ベビーファンドの純資産総額が増えるまでは固定費的なコスト負担が重いはずです。

次はたわら先進国株式の基準価額データから信託報酬の差だけリターンを増強させた「One DC 先進国株式インデックスファンド(偽物)」との比較です。

One DC 先進国株式インデックスファンド(偽物)

リターン差を示す青のラインはきれいな直線です。(もっと比較期間が長くなると複利効果で弓なりに曲がります。)

スリム先進国株式 vs たわら先進国株式

次はスリム先進国株式が信託報酬を税抜き0.1095%に引き下げた2018年1月30日からの、たわら先進国株式とのリターン比較です。

スリム先進国株式 vs たわら先進国株式

この比較期間内でたわら先進国株式の信託報酬は税抜き0.20%のまま、スリム先進国株式は税抜き0.1095%と0.1090%ですので、リターン差を示すラインが直線でないのは「他の要因」によるものです。それはコストかも知れませんし、運用上の問題(トラッキングエラー)かも知れません。

スリム先進国株式 vs One DC 先進国株式インデックスファンド(偽物)

同じ期間における、スリム先進国株式とOne DC 先進国株式インデックスファンド(偽物)との比較です。

スリム先進国株式 vs One DC 先進国株式インデックスファンド(偽物)

青のラインはスリム先進国株式ーOne DC 先進国株式インデックスファンド(偽物)です。多くの期間でスリム先進国株式の方がリターンが高いですね。

この2商品のトータルコストは、従来の考え方であればこうなります。

  • スリム先進国株式は税込み0.197%
  • One DC 先進国株式インデックスファンドは税込み0.156%

ところがやっとスリム先進国株式と同程度のリターンにしかなりません。運用報告書にある数値がいかにあてにならないか分かりますね。

基準価額を比較することの問題点

ほとんどの投信ブロガーは基準価額を比較する際に推移ではなくてある日とある日の差分しか見ません。それだとベンチマークからの乖離に気付けないので、上方乖離しているのにリターンが高いと判断されることがあります。

基準価額の推移を比較する場合も、上方乖離の程度が小さいと本当はトラッキングエラーなのでダメだと評価すべきところを、リターンが高い=トータルコストコストが安いと判断してしまいかねません。これはとても危険です。

でも運用報告書にある数値があてにならない以上、トータルコストの大小を知るには基準価額しかないのが現実です。とても金融商品の姿だと思えません。

その後の話

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