インデックス投資

トラノコ・ファンド3兄弟のトータルコストは改善されるも依然高水準

2019年6月7日

トラノコ・ファンド3兄弟は、サービス利用料が高い、投資信託の選択肢が3本しかない、それらのパフォーマンスが悪い、トータルコストが驚くほど高いことからおすすめできません。

最近、第二期運用報告書が公開されました。高かったトータルコストは改善されたでしょうか。

トータルコスト一覧

次は第一期運用報告書から計算したトータルコストです。税込みです。

トータルコスト一覧

信託報酬は0.324%と、現在としては高いものの驚きはしない水準ですが、隠れコストはどれも1%を超え、トータルコストは1.33%から1.56%という高水準でした。

次は第二期です。

3本で均一ではありませんが、隠れコストは大きく削減され、トータルコストは0.796%から1.140%になりました。それでも高水準です。

第二期で削減されたのは

第二期で削減された隠れコストは何だったでしょうか。

大トラの第一期と第二期の比較です。

大トラの第一期と第二期の比較

売買委託手数料が激減しました。保管費用も激減しました。隠れコストは62%も削減されました。それでもまだ0.472%もあるわけですが。

次は中トラの第一期と第二期の比較です。

次は中トラの第一期と第二期の比較

売買委託手数料が激減しました。保管費用も改善されました。隠れコストは45%も削減されました。それでもまだ0.676%もあります。

次は小トラの第一期と第二期の比較です。

小トラの第一期と第二期の比較

売買委託手数料が改善されましたが、保管費用は改善されませんでした。隠れコストは19%しか削減されました。結果、0.816%と高額です。

3兄弟で隠れコストに差がついたのは

そもそも3兄弟は組成が異なるので隠れコストに差が出るのは当然です。さらに、純資産総額も異なります。

  • 大トラ:3.5億円
  • 中トラ:1.7億円
  • 小トラ:0.2億円

投資先の資産比率を変えてリスクとリターンの組み合わせを数パターン揃えたバランスファンドはたくさんありますが、ハイリスク・ハイリターンの方が売れる傾向にあります。ある程度純資産総額が集まらないと運用コスト面で不利と言われていますが、その観点では小トラはかわいそうな状態です。

小トラは債券比率が高い、堅実なリターンを目指す組成ですが、それのトータルコストが飛び抜けて高いというのは皮肉なものです。

組成

3兄弟の組成は独特です。

3兄弟の組成

ベンチマークのない、独特な組成のファンドのパフォーマンスを公平に比較する方法は存在しません。でも、受益者から見た場合、トラノコ・ファンドのどれかに投資したのと、普通に買えるバランスファンドに投資したのでリターンがどうなるのかは知りたいところでしょう。そこで、代表的なバランスファンドとリターンを比較しました。投資対象が異なるので、リスクも、本来期待できるリターンも違うことに注意して下さい。

スリムバランス(8資産均等型) vs 3兄弟

スリムバランス(8資産均等型)の方が後に設定されました。設定日直後を避けて2017年5月15日から2019年5月31日までの比較です。

スリムバランス(8資産均等型) vs 3兄弟

赤のラインがスリムバランスです。スリムバランスの圧勝です。

トラノコ・ファンドの第二期以降で比較します。

スリムバランス(8資産均等型) vs 3兄弟、第二期以降

トラノコ・ファンドの存在価値を感じられません。

楽天バランス(株式重視型) vs 大トラ

楽天バランスファンドと比較します。楽天バランスファンドの設定日直後を避けて2018年8月1日から2019年5月31日までの比較です。

楽天バランス(株式重視型) vs 大トラ

赤のラインが楽天バランス(株式重視型)です。いい勝負です。

楽天バランス(均等型) vs 中トラ

楽天バランス(均等型) vs 中トラ

いい勝負です。

楽天バランス(債券重視型) vs 小トラ

楽天バランス(債券重視型) vs 小トラ

楽天バランス(債券重視型)の方が高パフォーマンスでした。

売れ行きは

次は設定来の総口数の推移です。

設定来の総口数の推移

決まった日にしか買い付けされないので階段状になります。右肩下がりのラインは売却によるものです。

小トラは絶望的に売れていませんが、中トラ、大トラはそこそこの人気を獲得中です。いえ、トラノコの条件の悪いサービス条件を考えれば、です。

トラノコ・ファンドの受益者のみなさんには早く金融リテラシーを向上させてもっと有利で損しないサービス・商品が選択できるようになって欲しいです。

結論:普通のインデックスファンドを普通に買う方がいいです

投資に縁のない若い人が「おつり」をキーワードにしたサービスをきっかけにして投資を始めてみるのは悪くないと思いますが、トラノコは費用負担が大きいので、本格的な利用はおすすめできません。僕は、本当に少額でもいいので、楽天証券+つみたてNISA+楽天カード決済で、自分にあった普通のインデックスファンドを買うのが良いと思います。でも投資に縁のない若い人にそう言っても面食らうのも分かります。なので、楽天グループにとっては、そういう人を引き込める、質が高く決してボッタクリでない商品を作ると人気が出ると僕は思うのですが、どうでしょうか。

でも困ったことに、その目的に合っていると僕が思う商品はスリムシリーズなんですよね。世の中いろいろと簡単には行かないものですね。

三菱UFJ国際投信が始めた直販は若い人にとって全く魅力のないものでした。

楽天グループは他社を圧倒する、競争力の高いサービスを提供できると思います。扱う投資信託を自社グループのものに限るかどうかは別にして、うまくやればWealthNaviが短期間で1,400億円を集められたような成功を収められるでしょう。(魅力的なサービスの鍵は直販ではないと思うのです。)

-インデックス投資

Copyright© 個人事業主が節税してインデックス投資 , 2019 All Rights Reserved Powered by STINGER.