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「老後2000万必要」の騒ぎで分かる金融リテラシーの絶望的低さ

投稿日:2019年6月10日 更新日:

金融庁の金融審議会が老後に備えた資産形成などに関する報告書を公表しました。そこに、ある条件下では30年間で約2,000万円不足するとあります。これが騒ぎの種になることが、日本の悲しい現状を示しています。

能力のない野党がこれを政府への攻撃材料と見るのは無視するとして、報告書は現状を適切に伝え、自助努力による資産形成を促しているまっとうなものです。

確かなのは、年金以外に金融資産を自分で準備できた人とできなかった人の差は残酷なまでに大きなものになるということです。そして、今騒いでいるだけの人が将来どちら側に属するかは推して知るべしです。

2,000万円貯金できませんか

報告書で「老後」としている時期までに2,000万円を準備するのは無理だと嘆く人がいます。老後までに残された時間がなく、相応の準備をしてこなかった人はもう手遅れでしょうから、生まれ変わった次の人生で違う生き方をするしかないですね。でもまだこの先何十年もあるなら、やれることはたくさんあります。

そもそも、金融資産は収入ー支出をプラスにした積み重ねですから、収入を確保し、支出を抑える努力ができなければ作れません。ひらたく言えば、勤勉に働いて倹約に努められなければ貯金もできません。貯金ができないようではリスク資産への投資も無理です。やっても(不適切なものに手を出して)爆死するのがオチです。

自助努力を求められて文句を言うのは自由ですが、それでは未来は変えられません。

インデックス投資という選択肢

勤勉に働き、倹約に努められる人は貯金ができます。でも現在は預金金利が低すぎるため、貯金だけで金融資産を築くのは非効率です。

だからと言ってリスクが高すぎるものに手を出すのは賢明ではありません。ここで必要になるのは、(Google検索などで)調べる能力を含めた広義の「金融リテラシー」です。いくらかの金融リテラシーを身に付けけられれば、インデックス投資が資産形成に有利であり、つみたてNISAやiDeCoがそれを商品選択面と課税面でバックアップしてくれていることに気付けるはずです。

もちろん、リスク資産への投資ですから100%報われる保証はありません。それを正しく理解できるかどうかも金融リテラシーです。

先進国株式に17年間積立投資したら

日興インデックスファンド海外株式はMSCIコクサイをベンチマークにしています。リーマンショックのずっと前から運用されています。

これに2002年から毎月3万円積立投資を継続していたら2019年5月末にどうなっていたかのシミュレーションです。

日興インデックスファンド海外株式の積立投資シミュレーション

灰色のラインが元本、赤のラインが評価額です。元本はほぼ倍になっています。リターンは年率5.6%に相当します。僕はこのリターンは十分高いと思います。

次は同じ期間の基準価額の推移です。

同じ期間の基準価額の推移

前記パフォーマンスは、リーマンショック時の暴落とその後の数年間の低迷にめげずに積立投資を継続した結果です。暴落をやり過ごすには金融リテラシーに加えて強いメンタルも必要かも知れませんが、その時は良質な記事を書いている投資ブログが励ましてくれることでしょう。その機会はあと数年以内に巡ってきそうな雰囲気です。

この積立投資シミュレーションの投資対象は実在しますが、税金を考慮していません。毎月3万円ならつみたてNISAの非課税枠に収まりますから、これからインデックス投資を始めるなら、つみたてNISAがおすすめです。つみたてNISA認定商品からは、地雷などと酷評されるひどいものが除外されているのも大きなメリットです。

先進国株式に8年間積立投資したら

次はリーマンショック後に設定されたeMAXIS先進国株式に、2011年から毎月3万円積立投資を継続した場合のシミュレーションです。

eMAXIS先進国株式に、2011年から毎月3万円積立投資を継続した場合のシミュレーション

元本は約1.6倍に増えました。リターンは年率6.9%に相当します。高いですね。でも利益率は積立投資期間17年にかないません。

次は同じ期間の基準価額の推移です。

基準価額の推移

リーマンショック後なので、チャイナショックが初めて経験する大きな暴落でした。以下同文です。

S&P500インデックスに8年間積立投資したら

次の記事に書いた方法で、iFree S&P500と同等のパフォーマンスを持つ偽物を生成しました。

次はiFree S&P500の本物とのリターン比較です。

iFree S&P500の本物とのリターン比較

青のラインがほぼフラットです。

次はiFree S&P500(偽物)に、2011年から毎月3万円積立投資を継続した場合のシミュレーションです。

iFree S&P500(偽物)に、2011年から毎月3万円積立投資を継続した場合のシミュレーション

元本は約1.8倍に増えました。リターンは年率9.8%に相当します。すごく高いですね。

これからインデックス投資を始める人にとって、S&P500種指数に投資するローコストインデックスファンドは魅力的な選択肢のひとつになるでしょう。もちろん、相応の高いリスクを負うことになりますが、その高いリスクは高い期待リターンの代償です。

注目されて良かった

あの報告書の内容はしごくまっとうなもので、本来なら批判や非難の対象となるべきものではありません。が、騒ぎに発展した結果、多くの人の目に触れることになりました。これはむしろ良かったと思います。

結局のところ、どのような形で情報を提供しようが、適切に解釈して行動に変えられない残念な人は一定数います。そういう人は自助努力を放棄して文句だけ垂れますが、その先には悲惨な末路があるだけです。

そうでない人にとっては、あの報告書はとても良くできた、ためになるものです。自分の老後について、資産形成について考え直すきっかけにし、実際に行動に移せた人は未来を変えられるはずです。

国に期待すること

次は金融庁に期待することです。

  • つみたてNISA制度を恒久化して欲しいです。
  • つみたてNISAの非課税期間20年を伸ばして欲しいです。できれば40年ぐらいに。
  • つみたてNISAの非課税枠年間40万円を増やすと「金持ち優遇」と批判されるので増やさなくていいです。

つみたてNISA制度の恒久化についてはくだんの報告書にも書かれています。

つみたてNISAについては、まずもって国民が長期のライフプランに沿った資産形成に安心して活用できるよう、時限を撤廃し、恒久的な措置とすることが強く望まれる。

引用:高齢社会における資産形成・管理

次は厚生労働省に期待することです。

  • iDeCoの拠出可能上限年齢を70歳まで延長して欲しいです。
  • 早く特別法人税を廃止して(利用者を安心させて)欲しいです。
  • iDeCoを受け取る前年より14年以内に他の退職所得がある場合は、その退職所得控除の計算に使った「勤続期間」とiDeCoの「拠出期間」の重複している年数が除外されるという厳しい制約を緩和して欲しいです。
  • 拠出限度額の見直しは上記課題解決後でいいです。

国は明確に自助努力を求めているわけですから、それを支援する制度を充実させるのは理にかなっていると思います。

検索結果上位はゴミだらけ

「年金 報告書 批判」でGoogle検索した結果上位に表示される記事はゴミだらけでうんざりします。情弱を煽ってPVを稼いでいると思われるようなものもあります。

そんな中、僕の環境で検索結果の2ページ目に出てくる次の記事はすごくまともです。

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