インデックス投資

Smart-i 8資産バランス3兄弟はコストもリターンも微妙

2019年6月13日

りそなアセットマネジメントが設定したSmart-i 8資産バランスには8資産の割合が異なる3種類(安定型、安定成長型、成長型)があります。信託報酬は順に税抜き0.160%、0.180%、0.200%です。

8資産バランスは均等型が人気ですが、これら3兄弟は均等型ではありません。バランスファンドで散見される、資産比率を変えて「なんとか型」を組成するパターンです。

設定されてから1年以上経過し、第一期運用報告書が公開されたので状況を確認します。

意図の分からない組成

3兄弟はみな8資産に投資しますが、その資産配分が異なります。どれも均等配分ではありません。

Smart-i 8資産バランスの3パターン

引用:目論見書

しかも先進国債券は為替ヘッジありなしの2種類を使い分けます。きっとこれら3兄弟の資産配分を暗記している人はりそなアセットマネジメントにもいないでしょう。

トータルコスト

運用報告書から計算したトータルコストです。

トータルコスト

株式比率が高いほど隠れコストが高くなっています。トータルコストで見ると安定型の税込み0.242%は低廉ですが、成長型の0.389%は高く感じてしまいます。

次は隠れコストの明細です。

隠れコストの明細

売買委託手数料、有価証券取引税、保管費用が、株式比率が高くなるにつれて増えています。でも驚くようなものはありません。

なお、運用報告書を見て腰を抜かすのはこの世界では珍しくありません。

リターン比較

設定日直後を避けて2018年4月16日から2019年6月7日までの比較です。

2018年4月16日から2019年6月7日までの比較

赤のラインが安定型、緑のラインが安定成長型、青のラインが成長型です。

株式比率が極端に低い安定型はいかにもそれらしい動きをしています。安定成長型と成長型は変動率(ボラティリティ)に差はあるものの、この比較期間だとリターンに顕著な差は出ていません。

スリムバランス vs 成長型

次は8資産バランスの代表格であるスリムバランスと成長型の比較です。

スリムバランス vs 成長型

赤のラインがスリムバランス、緑のラインが成長型です。この比較期間だと大差はありません。そもそも8資産への投資比率(組成)が大きく異なるので、どちらの組成が自分の好みに合っているかを重視すればいいでしょう。

そうは言っても現実のリターン(パフォーマンス)は気になってしまいます。でも過去1年程度の比較では大して良い判断材料にはならないですね。

コスト的にはスリムバランスの方が安いです。信託報酬の引き下げと、(運用報告書を信じるなら)隠れコストが非常に低廉なことからトータルコストはたったの税込み0.212%しかありません。

スリムバランスのトータルコストは安い

楽天バランス(債券重視型) vs 安定型

安定型は言わば債券重視型です。楽天バランス(債券重視型)との比較です。

赤のラインの楽天バランス(債券重視型)の方がボラティリティが高いですが、大差はないですね。

楽天バランス(均等型) vs 安定成長型

安定成長型は株式と債券の比率が1:1ではないので、楽天バランス(均等型)との比較は不適切かも知れません。

楽天バランス(均等型) vs 安定成長型

びっくりするほど差がありませんね。

楽天バランス(株式重視型) vs 成長型

楽天バランス(株式重視型) vs 成長型

これもいい勝負ですね。

売れ行きは

次は設定来の総口数の推移です。設定されてからしばらく全く売れていませんでしたが、2018年6月頃から増え始めました。

現在の純資産総額は2億円から3.9億円です。もっと売れていないインデックスファンドはたくさんあり、絶望的ではないものの、苦しいですね。

ローコストバランスファンドで圧倒的な人気を獲得済みのスリムバランスの純資産総額は263億円あります。

Smart-i 8資産バランスが達成したこと

Smart-i 8資産バランスの設定はスリムバランスの信託報酬の引き下げに貢献しました。均等型でないにも関わらず、最も信託報酬が低い安定型の税抜き0.160%に対抗して0.209%から0.160%に引き下ました。この意外な対応に当時は拍手喝采でした。

スリムバランスはその後2回、信託報酬が引き下げられ、現在は、バランスファンドとしては破格と言える税抜き0.140%です。Smart-i 8資産バランスが1年以上前に達成した、スリムバランスの信託報酬の大幅な引き下げへの貢献を覚えている人はきっといないでしょうね。

結論

投資対象としてバランスファンドを考える場合、スリムバランスの8資産均等型という考え方に賛同できるなら、スリムバランスが良いと思います。トータルコストは少し高く感じますが、Smart-i 8資産バランスの安定成長型、成長型の組成が好みに合っているなら、十分選択肢になるでしょう。

また、安定成長型、成長型の過去のリターン実績は、楽天バランスの均等型、株式重視型といい勝負なので、良いライバルになり得ます。(楽天バランスの第一期運用報告書はまだ公開されていないので、トータルコストは不明です。)

でも純資産総額が少ないと早期償還のリスクが高まりますから注意が必要です。Smart-i 8資産バランスの目論見書には、純資産総額が20億円を下回ると繰上償還することがあると明記されています。その言葉通りではないでしょうが、十分な純資産総額(=人気)を確保できるかどうかは無視できない要素です。

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