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インデックス投資

楽天全世界株式・楽天全米株式は配当金に国内課税しないで再投資しています

投稿日:2019年6月14日 更新日:

日本の良質なインデックスファンドは運用会社の努力によって、配当金を極力分配しない運用がなされています。それはある種の税務リスクを負っていると言えます。

配当金を分配しないで再投資する際は、20.315%の国内課税も行われません。課税口座の場合、売却益(=売却時評価額ー元本)に対して20.315%課税されます。分配しない限り、売却するまで国内課税されないのです。これが「配当金への課税の繰り延べ」です。

インデックスファンドが分配金を出しているかどうかは運用報告書などを見れば分かります。でも配当金を分配しない場合に、株式から得た配当金は本当に国内課税されずに再投資されているでしょうか。

はい。良質なインデックスファンドではそうなっています。楽天全世界株式、楽天全米株式の基準価額データでそれを実証します。

楽天全世界株式

このブログでは楽天全世界株式と、その原資産である本家VTのトータルリターンでリターン比較を行っています。

トータルリターンは次の手順で生成しています。

  • 基準日に10,000円でVTを買ったことにします。扱う株数は「端株数」です。つまり、VTの取引価格が8,000円なら1.25株買ったことになります。
  • 配当金が出たら米国での10%課税後のドルを再投資します。税引き後の配当金でVTを端株数で買うのです。そうして保有株数を増やします。保有株数が増えるのは配当金を再投資した時だけです。
  • 円をドルに替える為替手数料もVTの購入手数料もゼロとします。
  • 評価額は適切な方法で円換算して求めます。
  • 評価額の推移を指数化します。

次はこのブログに良く出てくる、楽天全世界株式とVTトータルリターンの比較です。楽天全世界株式の設定日直後を避けて2018年10月16日からの比較です。

楽天全世界株式とVTトータルリターン(国内課税なし)の比較

青のラインがリターン差です。大きなトゲは無視してください。楽天全世界株式のリターンは、VTの経費率以外の運用コストが発生していないトータルリターンより、楽天全世界株式固有の運用コストだけ劣化する様子が、青のラインに表れています。

トータルリターン生成時、配当金には10%の米国課税をしますが、20.315%の国内課税はしません。では、あえて国内課税したらどうなるでしょうか。

次は楽天全世界株式とVTトータルリターン(国内課税あり)の比較です。

楽天全世界株式とVTトータルリターン(国内課税あり)の比較

定期的に出現する段差のタイミングでVTから配当金を受け取っています。年4回です。認識できるようになった段差は、配当金への国内課税によってトータルリターンが劣化したために生じました。

この比較結果から、楽天全世界株式はVTの配当金に国内課税することなく、配当金を再投資していると断定します。

楽天全世界株式における課税の繰り延べ効果

次はVTトータルリターンの国内課税ありなしの比較です。

VTトータルリターンの国内課税ありなしの比較

青のラインは国内課税なしー国内課税ありです。この比較期間で配当金を6回もらっていますが、20.315%の国内課税は無視できないほど大きく、0.5%を超えるリターン差が生まれています。

次は楽天全世界株式を離れてVTのトータルリターンの国内課税ありなしを2010年から比較したものです。

VTのトータルリターンを2010年から比較

違いは配当金への国内課税のありなしだけですが、運用期間が長くなると大きな差が生まれます。

「課税の繰り延べ効果」における落とし穴

インデックスファンドが保有する株式から得られる配当金を分配する場合、分配金に国内課税されて受益者の手に渡ります。それを受益者が同じインデックスファンドに再投資すると、それによって元本が増えます。(分配金を自動で再投資するコースを選択している場合もそうなるはずです。もし元本が増えない場合は、課税面で不利です。)

配当金を分配しないで再投資している良質なインデックスファンドでは、再投資によって元本は増えません。課税口座で売却時に課税対象になるのは売却益ですから、再投資で元本が増えたかどうかは重要な違いです。

マニアックな話ですが、課税の繰り延べ効果を議論する時は、その効果を売却益で見るのが正解です。でも上記比較結果は「実際には存在しない運用ケース」であり、売却益を正しく比較することができません。

この記事の主旨としては、トランプ大統領のツイート風に「配当金は国内課税されずに再投資されている、素晴らしい!」と理解してください。

楽天全米株式

次はこのブログに良く出てくる、楽天全米株式とVTIトータルリターンの比較です。楽天全米株式の設定日直後を避けて2018年10月16日からの比較です。

楽天全米株式とVTIトータルリターン(国内課税なし)の比較

傾向は楽天全世界株式と同じです。

次は配当金に国内課税した場合です。

楽天全世界株式とVTトータルリターン(国内課税あり)の比較

想定通りです。この比較結果から、楽天全米株式もVTIの配当金に国内課税することなく再投資していると断定します。

楽天全米株式における課税の繰り延べ効果

次はVTIトータルリターンの国内課税ありなしの比較です。

VTIトータルリターンの国内課税ありなしの比較

想定通りです。次は楽天全米株式を離れてVTIのトータルリターンの国内課税ありなしを2010年から比較したものです。

VTIのトータルリターンを2010年から比較

複利効果により青のラインが弓なりに曲がっているのが実感できます。

iFree S&P500 vs VOOトータルリターン

VOOはS&P500種指数に投資するバンガード社のETFです。iFree S&P500とVOOに直接の関係はありませんが、ほぼ同じ銘柄の株式を扱っています。

次はiFree S&P500とVOOトータルリターンの比較です。

iFree S&P500とVOOトータルリターンの比較

楽天全世界株式、楽天全米株式と対応する原資産であるETFたちと全く同じ処理をした結果です。直接の関係がないので青のラインは細かく暴れますが、傾向としては右肩下がりの直線です。これは、VOOトータルリターンよりも、iFree S&P500のリターンが運用コスト分低くなっていることを示していると理解しています。

次は配当金に国内課税した場合です。

iFree S&P500とVOOトータルリターン(国内課税あり)の比較

期待通りの結果です。

このことから、(ETFを買うだけではない)現物株運用のインデックスファンドも、iFree S&P500のように良質なものは配当金に国内課税することなく再投資していると断定します。

WealthNaviの場合

WealthNaviは良質なETFへの投資を、年率1.08%の手数料と引き換えに手軽に行えるようにしてくれるサービスです。ドルを意識することなく円で取引できますし、配当金の再投資を端株数で行ってくれます。

が、残念ながらWealthNaviはETFの保有で得られる配当金を一旦受益者の円口座に入金してしまう仕組み上、国内課税を免れません。よって、再投資は国内課税後に行われるのです。

年率1.08%の手数料と配当金への国内課税を考えれば、WealthNaviと良質な超ローコストインデックスファンドのどちらが有利かは想像が付くでしょう。実際、リターン比較結果を見てもそうでした。

WealthNaviはやろうと思えば配当金を受益者の円口座に入金しないで、国内課税を避けて再投資するようにできると思います。現在、受益者の円口座から手数用を徴収するために常時いくらかの円を残す仕様がネックになると思われますが、今のままではダメでしょう。いずれ、良質な超ローコストインデックスファンドにかなわないことが知識として広まると思われるからです。

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