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専業主婦が享受できるiDeCoの破壊力は抜群です【訂正あり】

投稿日:2019年6月21日 更新日:

*税額の計算式に間違いがあり、訂正しています。
*ガチホ期間のリターン計算に間違いがあり、訂正しています。

2017年から専業主婦(国民年金の第3号被保険者)もiDeCoを利用できるようになりました。でもその場合拠出金(月額最大23,000円)が(多くの場合)所得控除対象にならないため、意味がないとか損だと考える人が多いようです。でも、拠出時の所得控除はiDeCoのメリットのひとつに過ぎず、iDeCoの利用が損か得かは最後に現金を手にするところまで考えて判断すべきです。

試算条件

  • 誕生日が1月1日のAさんは専業主婦(国民年金の第3号被保険者)です。Aさんはパートで働くことはあっても、第3号被保険者を貫き通すつもりです。
  • そのため、Aさんは配偶者に、Aさんが60歳になる前に第2号被保険者をやめたら離婚すると脅しています。
  • Aさんは2020年の30歳から60歳の誕生日前までの30年間、毎月23,000円を家計からiDeCoに拠出します。
  • iDeCoで買うのは期待リターンが年率5%の良質なインデックスファンドです。拠出額から手数料167円を引いた残りで購入します。
  • 60歳から70歳にまる前までの10年間のどこかのタイミングで、全額一括で一時金として受け取ります。

この条件なら、iDeCoを受け取る時に問題となる意地悪仕様にひっかかりません。

14年以内に他の退職所得がある場合は、その退職所得控除の計算に使った「勤続期間」とiDeCoの「拠出期間」の重複している年数が除外されます。

この意地悪仕様にひっかかると、とんでもなく有利な税制上の特典を最大限に生かせなくなってしまいます。そのひどさについては次の記事に書きました。

Aさんは30歳以降は退職金をもらう可能性のある働き方をしないため、自然と意地悪仕様の適用対象外になるのです。

第1号被保険者でもいいですが

Aさんの配偶者が会社を早期退職して自営業者になったりすると、Aさんは第3号被保険者から第1号被保険者に変わります。そうなってもiDeCoはそのまま利用可能です。拠出可能額は月額68,000円に増えます。

でも国民年金の保険料納付を納めないと(それには免除も含まれます)、拠出金は突き返されます。第2号被保険者は給与天引きで納付、第3号被保険者は負担ゼロで納付したことになる制度なので、関係ありません。第1号被保険者は国民年金保険料を納めない選択肢がありますが、そうするとiDeCoも利用できない(よって破壊力抜群のメリットも享受できない)仕様です。これは誰もが納得できる制約でしょう。

現行制度のまま試算

遠くない将来、iDeCoの拠出可能年齢が60歳未満から65歳未満に延長されると思われます。その場合、受取可能期間は60歳から75歳に拡大されるかも知れません。

でもこの記事では現行仕様のまま試算しています。

なお、Aさんに収入がない状態でAさんが家計から23,000円を拠出しても、制度上贈与があったとはみなされないようです。

期待リターン年率5%

2020年から拠出期間30年、受取可能期間10年の合計40年の試算をするのに、期待リターン年率5%で数学的に生成した基準価額データを使います。

期待リターン年率5%

複利効果で弓なりに曲がっています。現実世界ではこんな風には行かず、上がったり下がったり暴落したりと波乱万丈ですが、それでも積立投資を継続するメンタルが必要です。iDeCoは一度設定すると銀行口座からの引き落としができる限り継続されるので、商品選択を間違えていなければ投資していることを忘れても大丈夫です。

積立投資30年+ガチホ10年

次は30年間毎月23,000円を拠出し、受取可能期間の10年間ガチホした場合の積立シミュレーションです。

積立投資30年+ガチホ10年の積立投資シミュレーション

Aさんから見た元本は手数料を含めて828万円です。灰色のラインは元本です。複利効果が半端なく、ガチホしている10年間に評価額は1,000万円以上増えています。

この記事で伝えたいiDeCoの破壊力のひとつは、非課税期間の長さです。でもこの素晴らしい評価額は税引前です。

退職所得控除

AさんはiDeCoの意地悪仕様を回避できるので、とんでもなく有利な退職所得控除のメリットを最大限に受けることができます。

次の表はAさんが受け取り可能な10年間の各年末に全額一括で一時金として受け取った場合の試算結果です。

評価額の列を見るとできるだけ後で受け取りたくなりますが、現実にはリスク資産に投資しているので暴落が怖いです。69歳で受け取るつもりだったのにその直前に暴落して評価額が40%下がると泣きたくなります。でも回復を待つ猶予がありません。70歳になると強制的に払い出しされるからです。

よって、現実的には暴落しても回復が期待できる(あくまで期待)年数だけ余裕をもった年齢で受け取るのが良いでしょう。

手取り額は税引き後で、これが口座に入金されます。(手数料が440円かかりますが、気にならないでしょう。)老後資金が2,000万足りないとまだ騒いでいますが、AさんはiDeCoで上手に資産形成できる見込みです。(もちろん、それだけの高いリターンが期待できるのは相応のリスクを負うからです。)

利益率は手取り額と元本から計算しました。手取り額は60歳の年末で元本の2.3倍、65歳の年末で2.9倍に増えました。凄いと思いませんか。

実効税率は、含み益に対する税額の比率を計算したものです。特定口座(源泉徴収あり)だと20.315%ですから、退職所得控除がどれだけ有利か分かりますよね。

長い非課税期間(Aさんの場合は30年以上)と、圧倒的に有利な退職所得控除の合わせ技による破壊力は抜群です。

拠出額が1万円なら

専業主婦のiDeCoの拠出額は月額最大23,000円ですが、仮に10,000円だったらどうなるでしょうか。

元本が360万円に減りますので、評価額も減ります。でも驚くべきは税額です。無税です。これは退職所得控除の計算式が、拠出額ではなくて拠出年数にだけ比例する仕様だからです。

特別法人税が復活すると

iDeCoが嫌いな人ほど特別法人税の復活リスクを強調するような気がしますが、僕は特別法人税は復活しないと考えています。iDeCoだけの問題ではないからです。

次は2020年4月から特別法人税が復活した場合の試算です。毎月の拠出額は23,000円です。

特別法人税はリターンを年率1.173%劣化させるようなものなので、利益率は大幅に減ります。国は年金だけでは足りない分を自助努力で補って欲しいわけですから、年金制度を悪化させる特別法人税は潔く廃止して欲しいと思う人は多いはずです。

野党も年金についてくだらない質問ばかりしないで、政府に特別法人税の廃止明言を迫ってはどうでしょうか。話題にするにはこれ以上無いタイミングだと思いますが。

格差が広がるのは必然

つみたてNISA制度は利用しやすく、ボッタクリ商品が除外されているなど万人向けです。一方iDeCoは年金制度として設計されたので、制約が多く、利用に際しては注意が必要です。でもその制約を回避できる人、そういう計画を立てて実行できる人は、その破壊的なメリットを享受できます。拠出金が所得控除対象にならない専業主婦でもです。

つまるところ、制度を上手に活用して資産形成できる人とそうでない人との間に生まれる資産格差は残酷なまでに大きくなるということです。

2019年6月26日追記

次は山崎元先生のコラムからの引用です。

引用:賢い人は恐れない!「老後2000万円問題」を正しく理解する7つのポイント

僕は山崎元先生のファンではありませんが、言われることは筋が通っているので好きです。

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