先日、スリムバランス(8資産均等型)の第二期運用報告書が公開されました。運用報告書から計算した隠れコストは微増で、低水準が維持されていました。
バランスファンドは投資対象資産のマザーファンドがあれば組成が容易にできるため、乱造される傾向が強いです。そのバランスファンドの中でも8資産均等型は人気が高く、ひとつのカテゴリーを形成しています。
8資産均等型の人気に火を付けたのはeMAXISバランス(8資産均等型)だと理解していますが、スリムバランス(8資産均等型)はその評判をうけて、設定直後から人気の獲得に成功しました。
次はスリム先進国株式とスリムバランスの設定来の総口数の推移です。
赤のラインがスリム先進国株式です。信託報酬を税抜き0.1095%に引き下げるまでは不人気とは言わないまでも大したことはありませんでした。一方、スリム先進国株式に2ヶ月ほど遅れて設定されたスリムバランスは登場前からその成功が約束されていたかのような伸びを見せました。
隠れコストは第二期でどう変わったか
次はスリムバランスの運用報告書の数値を年率換算したものです。
隠れコストは微増でした。次は隠れコストの明細です。
その他費用が増加しています。
信託報酬も隠れコストも安い
スリムバランスは何度も信託報酬を引き下げています。バランスファンドで最安だったiFree 8資産バランスの信託報酬0.23%から0.01ポイント下げて0.22%で設定されました。信託報酬引き下げ履歴を全部覚えている人なんていないと思いますが、現在はたったの税抜き0.14%です。そして隠れコストも安いので税込みトータルコストはたったの0.217%しかありません。
その安さは8資産均等型である(新興国債券のベンチマークのみ違います)たわらバランス、ニッセイバランスと比べると良く分かります。
Smart-i 8資産バランス
2018年3月27日に設定されたSmart-i 8資産バランス安定型の信託報酬税抜き0.160%に対抗してスリムバランスは2018年4月11日から税抜き0.160%に引き下げられました。この対抗相手は8資産均等型ではなかったので信託報酬をそこまで下げなくても批判されなかったはずですが、それでも対抗してきたのは凄いと思いました。そんなに下げて大丈夫なのかと心配になるほどでした。
でも心配が必要だったのはSmart-i 8資産バランスの方でした。
その後スリムバランスはさらに信託報酬を同率首位戦略で引き下げました。
Smart-i 8資産バランスの安定型は債券比率が高いのでコスト的に有利なんですが、それでもスリムバランスの方が安いです。運用報告書の数値を信じれば、ですが。
純資産総額
次は主な8資産均等型バランスファンドを純資産総額順に並べたものです。
意外なことにまだ1位はeMAXISバランスです。でもスリムバランスが1位になるのは時間の問題でしょう。円グラフにするとこうなります。
4位の「つみたて8資産均等バランス」はスリムバランスの従兄弟です。こちらは設定来、税抜き信託報酬0.22%のままですが、純資産総額は100億円を超えています。
8資産均等型は三菱UFJ国際投信の圧勝です。
結論
8資産均等型に投資する場合、特別な思い入れやこだわりがなければスリムバランス一択で間違いありません。