インデックス投資

それでも一般人はVTよりも楽天全世界株式を買う方が儲かります

2019年7月12日

突如始まった米国株式取引手数料引き下げ競争により、VTを少ない株数購入する場合の「手数料負け」を気にしなくてよくなりました。SBI証券、マネックス証券、楽天証券はこれまで5ドルだった取引手数料の下限を撤廃しました。(値下げ前も横並び、値下げ後も横並びの様子を見て、携帯キャリアに似ていると思った人も少なくないことでしょう。)

それでも、毎月の積み立て可能金額が5万円から10万円の一般人の場合は、VTを自分で買うよりも楽天全世界株式を買った方が儲かります。

VTの購入を勧めるETFマニアの甘言に乗らないことです。極めて高い確率で損します。

VTより楽天全世界株式の方が儲かる理由は主に2つあります。

  • 為替手数料と売買手数料の存在。
  • 配当金の再投資効率が悪い。

「米国株式取引手数料引き下げ競争」の本質は取引手数料の下限の撤廃で、手数料負けがなくなるだけです。取引手数料の撤廃ではありません。また、為替手数料はそのままだし、配当金の再投資効率が悪いのも変化ありません。

VTの場合、配当金には国内課税が適用されますし、1株以上にならないと再投資できません。

VTの経費率に加算される楽天全世界株式の運用コストは小さくはありませんが、VTを自分で買うのが馬鹿らしくなるほどのメリットがあります。一般人は米国株式取引手数料引き下げ競争ニュースは無視していいです。

比較方法

次の条件で比較します。これまでから変わったところを太字にしています。

  • 国内の特定口座での比較です。
  • 楽天全世界株式またはVTを購入する月額予算を5万円とします。手数料負けしないので一般人らしい予算にしました。
  • 楽天全世界株式は設定日直後に恥ずかしいことが起きているのでそれを外して2017年11月から毎月初に積み立てします。
  • 円をドルに転換する為替手数料は4銭とします。SBIネット銀行+SBI証券でしか4銭にはできないと思います。
  • 購入時手数料は購入代金の0.45%で最低0セント、最高20ドルとします。
  • 毎月の購入予算5万円ぴったりにはETFを買えませんが、端数は翌月に回しません。
  • VTの保有株数に応じてもらえる配当金に10%の米国課税を適用、さらに20.315%の国内課税を適用します。
  • 配当金を再投資しない場合、する場合の両方で比較しますが、配当金の再投資は毎月初の積み立て時にまとめてVTを購入することで行います。
  • 楽天全世界株式の積み立て金額は、VTと比較するため、VTの購入にかかった費用(=購入代金+為替手数料+購入時手数料)とします。これ以上公平な比較方法はないでしょう。
  • 2019年6月末における楽天全世界株式の税引き後評価額と、VTの税引き後評価額(累積配当金額を含む)を比較します。
  • 外国税額控除は無視します。

配当金を再投資しない場合

配当金を再投資しない場合

赤のラインが楽天全世界株式、緑のラインがVT、青のラインが税引前評価額の差です。楽天全世界株式の評価額は一般的なものです。VTの評価額は、保有株数×その日の取引価格+ドルで口座に入っている配当金を円換算したものです。再投資してはいないものの、評価額には配当金が含まれている点に注意してください。

青のラインにある大きなヒゲは無視してください。

青のラインが下がろうとするのは楽天全世界株式の運用コストのためです。青のラインが階段状に上がっているのは、楽天全世界株式はVTの配当金を国内課税なしで取り込むのに対し、VTは国内課税されてしまうためです。

この期間の比較では楽天全世界株式の方が0.90%儲かりました。元本933,382円に対して8,469円の差です。でも青のラインの推移を見ると変動しながらも一定の範囲にとどまっていることから、常時この程度の差があると思っていいでしょう。

なお、VTの評価額は円で表示していますが、実際に円で手にするには為替手数料(多分4銭にはできないと思います)と売却時手数料が別途必要です。

配当金を再投資する場合

VTは一株単位でしか買えませんから、保有株数が少なくて、もらった配当金が一株の取引価格に満たない場合は再投資できません。「米国株式取引手数料引き下げ競争」はこれを改善するものではありません。

次は毎月初の積み立てタイミングで、もらった配当金の累計が取引価格以上になっている場合は、再投資分をいっしょに購入するようにしたものです。

配当金を再投資する場合

再投資なしとの違いです。

  • 毎月初の積み立てタイミングに、ためてある配当金が一株の取引価格を超えていたら配当金で買えるだけの株数をいっしょに買います。

評価額の計算方法は同じです。

税引き後評価額の差は、再投資なしの8,469円から7,472円に減りました。変化が小さいのは、この程度の投資額ではたったの1株しか再投資できないからです。

再投資履歴

青のラインを良く見ると確かに再投資の効果は認められます。

再投資効果

上が再投資なし、下が再投資ありです。

もし毎月の予算が100万円なら

僕が「一般人」として想定しているのは毎月の積み立て可能金額が5万円から10万円のごく普通の人です。

その一般人から外れますが、月額予算が100万円ならどうなるか試しました。再投資ありです。

毎月の投資額が100万円なら

積立額が増えたので再投資できる株数も増えました。

配当金再投資履歴

再投資なしのグラフと比較しました。

再投資なしのグラフと比較

上が再投資なし、下が再投資ありです。再投資効果は実感できますが、楽天全世界株式にはかないません。それは青のラインがリターン差0%であるオレンジのラインの上側(プラス圏内)を推移していることから分かります。

楽天全世界株式の配当金再投資効率の高さ

楽天全世界株式は配当金に国内課税を適用せずに再投資しています。そしてインデックスファンドですから、毎月1万円以下の少額投資であっても、1円のムダもなく配当金の再投資効果の恩恵を享受できます。その効率の高さは圧倒的です。

ちょっと検索すれば分かりますが、インデックスファンドの信託報酬が高額だった頃に海外ETFを購入していたけども、信託報酬が十分安くなったので海外ETFは卒業した人は少なくありません。が、いまだに初心者を対象読者にしているブログでVTの購入を勧める人もいます。でも、この記事を読んでもまだVTを買いたいなら止めたりしませんよ。

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