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スリム全世界株式(除く日本)の信託報酬引き下げ効果はどれほどなのか

投稿日:2019年7月19日 更新日:

たわらノーロードシリーズで有名なアセットマネジメントOneが、スリム全世界株式(オール・カントリー)の対抗商品を発表したのは7月5日でした。たわら全世界株式です。

僕にとって、次の2点が驚きでした。

 

  • ベンチマークをオール・カントリーと同じにしたこと。(国内株式部分をTOPIXで代用しなかったこと。)
  • 信託報酬をオール・カントリーより0.022%ポイント安い、税抜き0.120%としたこと。

特に2点目は理解できませんでした。その程度の信託報酬差なら、三菱UFJ国際投信は間違いなく追随するはずだからです。信託報酬が同率になると、たわら全世界株式の優位性はなくなります。スリムシリーズは信託報酬を対抗値下げしてくれるという(確約はないものの)信頼感を確立済みです。一方のたわらノーロードシリーズにはそれがありません。最近、たわら先進国株式の信託報酬には手を付けず、DC(確定拠出年金)専用商品を新規設定してその信託報酬を税抜き0.109%にしたことで、たわら先進国株式の受益者をひどくがっかりさせました。

そして、少し日数がありましたが、7月16日に信託報酬引き下げが発表されました。ところが驚いたことに、オール・カントリーだけではなく、除く日本と3地域均等型も同率に引き下げたのです。ベンチマークが違っても「全世界株式」なら対抗しますよという意思表示でしょうか。

今回の信託報酬引き下げで、棚ぼた的に恩恵を受ける人がいます。スリム全世界株式(除く日本)の受益者です。信託報酬引き下げ幅は税抜き0.022%ポイントに過ぎませんが、長期投資を前提とするなら相応の差が生まれます。それを気にするかどうかは受益者次第です。

野村つみたて外国株投信

次の記事に書いた通り、現状、スリム全世界株式(除く日本)と野村つみたて外国株投信のトータルコストに差はありません。

(今回の信託報酬引き下げ前は)信託報酬はスリム全世界株式(除く日本)の方が安いのですが、野村つみたて外国株投信は隠れコストがとても安く、トータルコストは微差です。

野村つみたて外国株投信とのトータルコスト比較

そして誤魔化しの効かない基準価額データに、明確な差は認められません。

が、8月9日からスリム全世界株式(除く日本)の税込み信託報酬は0.1296%に引き下げられます。その差は0.02376%ポイントですが、実際問題としてどれぐらいのリターン差を生むのでしょうか。

除く日本の期待リターンは?

次はeMAXIS全世界株式の設定来の基準価額の推移です。ベンチマークはスリム全世界株式(除く日本)と同じです。

eMAXIS全世界株式の設定来の基準価額の推移

2010年以降は強気相場が続いたので、年率換算で19%ものリターンが得られました。出来すぎですね。

こんなに高いリターンを前提にするのは気が引けるので、現実的な年利5%を期待リターンとしてシミュレーションします。

おことわり

以下、スリム全世界株式(除く日本)と野村つみたて外国株投信の税込みトータルコストに0.02376%ポイントの差があるものとしてシミュレーションしています。あくまでシミュレーションです。

0.02376%ポイント差が生む違い

スリム全世界株式(除く日本)の期待リターンが5%、野村つみたて外国株投信の税込みトータルコストが0.02376%ポイント高い場合の、20年間基準価額の推移です。

0.02376%ポイント差が生む違い

グラフでは差を認識できませんが、利益率は172.4%と171.1%と開きました。リターン差をプロットすると良く分かります。

リターン差をプロット

青のラインがリターン差です。わずか0.02376%ポイントの差でしかありませんが、期待リターン5%で20年にもなると複利効果で弓なりに曲がります。

でも、このように思うかも知れません。「それだけの複利効果が得られるのは一括投資の場合だけで、積立投資では無理だろ」それは半分正しく、半分間違っています。

つみたてNISAで野村つみたて外国株投信を買っているBさんの場合

Bさんは現在、つみたてNISAで野村外国株投信を買っています。でもスリム全世界株式(除く日本)の信託報酬引き下げをきっかけに心変わりして、2020年からはスリム全世界株式(除く日本)を買うことにしました。20年後の2039年末の評価額はどうなっているでしょうか。

次はスリム全世界株式(除く日本)の場合です。

スリム全世界株式(除く日本)の場合

次は野村つみたて外国株投信の場合です。

野村つみたて外国株投信の場合

どちらも、投資可能期間は最初の1年ですから、2021年年初に約40万円を一括投資した状態に近いです。つみたてNISAで毎年もらえる40万円の非課税枠は独立しているので、並行してつみたてNISAへの投資を継続していても、上のグラフには全く影響を与えません。

評価額には5,313円の差が生まれました。非課税口座なのでこの差はそのまま利益差になります。この差を気にするかどうかは受益者の判断に任されます。

論理的な選択は

先日まで、MSCI ACWI ex Japanをベンチマークにしている商品に投資するなら、間違いなくスリム全世界株式(除く日本)と野村つみたて外国株投信の二択でした。が、スリム全世界株式(除く日本)の信託報酬引き下げにより、論理的に考えればスリム全世界株式(除く日本)一択になります。

が、すでに野村つみたて外国株投信に投資している人は次の理由により、論理的な判断ができなくても不思議ではありません。

  • 自分が投資している商品への愛着。
  • 自分が投資している商品を運用している会社への愛着。
  • いわゆる現状維持バイアスの作用。
  • 保有している商品が増えることへの抵抗。

それらの理由により、引き続き野村つみたて外国株投信を選択するとしても、誰からも非難される筋合いはありませんし、自分のお金を投じるのですから好きなようなすれば良いです。

どちらの商品も素晴らしく、先進国株式+新興国株式の未来を信じる人に素晴らしいリターンをもたらしてくれることは変わりません。そのリターンにわずかな差がある程度です。それに、野村つみたて外国株投信だって信託報酬を引き下げないとは限りませんし、もしそうなるとすでに投資済みでガチホしている(つみたてNISAで19年間寝かしている)ものも恩恵を受けます。最も大切なことは、良い投資対象と商品を選んだら買い持ちを続けることです。そしてつみたてNISAの非課税期間20年は、あなたが買い持ちを継続する強力な動機付けをしてくれます。

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