個人事業主が節税してインデックス投資

個人事業主のリアルな節税やインデックス投資、お金についてお話しします

インデックス投資

楽天全米株式とスリムS&P500のどちらが良いか迷っている人へ

投稿日:2019年7月23日 更新日:

米国株式に投資するのに、楽天全米株式とスリムS&P500のどちらが良いか迷っている人も少なくないと思います。そのような方のために数値、データによる判断材料をお見せします。(精神論は聞き飽きたという方でもお楽しみ頂けます。)

楽天全米株式とVTI

楽天全米株式はバンガード社のETFであるVTIを買うだけのインデックスファンドです。VTIのベンチマークはFTSEグローバル・オールキャップ・インデックスです。楽天全米株式は米国でVTIを買い付け、配当金を米国での10%課税後に国内課税を適用しないで再投資します。そして毎営業日、楽天全米株式固有の運用コストを純資産総額から天引きします。

楽天全米株式固有の現在の運用コストは、運用レポートからは0.2%程度だと思われます。

この記事ではその値は無視して、VTIの取引価格、配当金実績、ドル円の為替データから計算したVTIトータルリターンとの差を見ます。

スリムS&P500とVOO

スリムS&P500のベンチマークはS&P500種指数で、現物株運用です。複数ある、S&P500種指数をベンチマークにしているETFとは無関係です。スリムS&P500と良く比較されるiFree S&P500は、最新の月報によると25.5%はIVVです。

最近、スリムS&P500の第一期運用報告書が公開されました。それから計算されたトータルコストは期待を裏切らないものでした。

推定トータルコストは税込み0.2419%です。僕はこの数値には疑問を持っていますがこの記事ではそれは忘れて、VOOのトータルリターンとの差を見ます。VOOはS&P500種指数をベンチマークにしているバンガード社のETFです。スリムS&P500はVOOと無関係ですが、VOOのトータルリターンとの差はスリムS&P500の運用コストについて一定の示唆を与えてくれます。

VTI vs VOO

どちらもバンガード社のETFで、現在の経費率は0.03%で同じです。これらのトータルリターンを比較すると、ベンチマークの違いを把握できるはずです。

VTI vs VOO

2011年年初から2019年6月末までの比較です。赤のラインがVTIトータルリターン、緑のラインがVOOトータルリターンです。ほとんど変わりませんが、違いは投資対象から生まれています。VTIの銘柄数は3,637もありますが、VOOは509です。厳選された500銘柄に投資するのと、より幅広く米国全体に投資するのとどちらが良いかは好みによっても分かれるでしょう。

リターンの差を見ると違いが明らかになります。

VTI vs VOO、リターン差

青のラインがリターン差で、VTIーVOOです。この比較期間ではVTIの方がリターンが高い時期が多いことが分かります。でも、青のラインは右肩上がりではなく、主にプラス圏ではあるものの変動を繰り返しているので、VTIの方が儲かるかどうかは売却時期に左右される、運次第だと言えるでしょう。

よって、ベンチマークとしては、厳選された500銘柄に投資するのと、より幅広く米国全体に投資するのでどちらが好みに合っているかを判断基準にするといいでしょう。

楽天全米株式 vs VTIトータルリターン

スリムS&P500と公平な比較をしたかったので、スリムS&P500に合わせて2018年7月17日から2019年6月末までの比較です。

楽天全米株式 vs VTIトータルリターン

青のラインはリターン差で、VTIトータルリターンー楽天全米株式です。真ん中にある大きなヒゲは無視してください。楽天全米株式固有の運用コスト分だけリターンが劣化するため、青のラインは右肩上がりになっています。

次はVTIトータルリターンのコストを0.20%ポイント増量したものです。

VTIトータルリターンのコストを0.20%ポイント増量

青のラインはほぼフラットになりました。よって、この記事では、VTIの取引価格の推移がベンチマーク通りだとするなら、楽天全米株式はベンチマークに対して(VTIの経費率を考慮して)総運用コスト0.23%程度だとします。

スリムS&P500 vs VOO

スリムS&P500はベンチマークに従って現物株を買います。VOOもそうですが、配当金の扱いがVOOとは違うので、リターン差が暴れるのは当然です。でも長い目で見れば、リターンはほぼ同じ推移になるのが期待値です。

スリムS&P500 vs VOO

青のラインは右肩上がりで、スリムS&P500の運用コストはVOOのそれよりも高いことを示しています。

次はVOOトータルリターンの運用コストを0.25%ポイント増量したものです。

VOOトータルリターンの運用コストを0.25%ポイント増量

まだ増量し足りないようです。次は0.30%ポイント増量したものです。

VOOトータルリターンの運用コストを0.30%ポイント増量

これでほぼフラットになりました。よって、この記事では、VOOの取引価格の推移がベンチマーク通りだとするなら、スリムS&P500はベンチマークに対して(VOOの経費率を考慮して)総運用コスト0.33%程度だとします。

人気は

次は設定来の総口数の推移です。

設定来の総口数の推移

赤のラインの楽天全米株式は絶好調でしたが、黄色の丸で囲ったあたりで少し勢いに陰りが見られました。でも現在は以前の勢いを取り戻しており、総口数の増加ペースはスリムS&P500と互角です。

スリムS&P500は、楽天全米株式の成功を踏まえて設定されたと推測されますが、スリムシリーズではあっても楽天全米株式の勢いを止めることはできていません。

純資産総額は487億円、238億円ありますから安定した運用が期待できますし、早期償還のリスクはほぼないでしょう。ただし、意地悪な人は、バンガード社と楽天投信投資顧問会社との契約内容によっては将来何か困ることがあるかも知れないと言うかも知れません。僕はそれは考え過ぎだと思います。

積み立てシミュレーション

では現実の積み立て投資ではどうなっていたでしょうか。次はスリムS&P500が設定された翌月から毎月初5万円を積み立て投資したシミュレーションです。

積み立てシミュレーション

利益率は楽天全米株式の2.81%に対してスリムS&P500は3.33%でした。でもこれは比較期間によって逆転するはずです。

それで結果としてはどちらが良いの?

これはあくまで現時点での判断です。特にスリムS&P500の信託報酬は同率首位戦略と、純資産総額が500億円を超えると自動的に漸減される仕組みによって下がる可能性があることに留意して下さい。

上から順に読んで、決まったらそこで終わりです。その先を読むと迷います。

  • VTIまたは楽天VTIという単語に心がときめくなら、楽天全米株式で決まりです。
  • どちらかのベンチマークに好き嫌いがあるなら、好きな方を選んで下さい。
  • スリムS&P500の運用報告書の内容を信じるなら、スリムS&P500の方が安心でしょう。
  • 現実の基準価額が示すコストの安い方が良いのなら、楽天全米株式をおすすめします。

迷いは解消されたでしょうか。

-インデックス投資

Copyright© 個人事業主が節税してインデックス投資 , 2019 All Rights Reserved Powered by STINGER.