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僕の妻がiDeCoでどれだけ得するつもりか知りたいですか?

2019年8月3日

ブログでも書籍でもそうですが、iDeCoについての説明は不十分または不適切なものが散見されます。注意しないと泣く可能性の高い落とし穴を説明しなかったり、逆に強調し過ぎて回避不可能に思えたりします。

iDeCoは使いにくいことは確かですが、制約を上手に回避できればとんでもなく有利な制度です。その制約のひとつを、厚生労働省は改善してくれるかも知れません。

また、iDeCo嫌いの人が声高に強調する特別法人税の復活はありえないと考えています。

あの左派ポピュリズム政党のれいわ新選組だって、特別法人税のことは口にしていないはずです。(企業年金加入者全員を敵に回しますからね。)

妻のiDeCo

長い人生の中では、後になってみて間違いだったと気付く選択をしてしまうことも少なくありません。僕は個人事業主になった時に、妻にiDeCoではなくて国民年金基金に加入するように言いました。

国民年金基金は良い選択肢ではありませんでした。最悪なのは、一度加入すると完全に脱退できない地獄仕様であることです。最小限の口数に減らすことはできますが、妻の場合それで20,930円です。国民年金基金と確定拠出年金は合計で月額68,000円までなので、僕より遅れて始めたiDeCoの毎月の拠出額は47,000円に制限されます。

スリム先進国株式

我が家はiDeCoもスリム先進国株式に切り替えたくなり、わざわざ口座を松井証券に移管しました。

そうして楽天証券のたわら先進国株式から松井証券のスリム先進国株式に乗り換えたわけですが、良い判断だったと思っています。

積み立てシミュレーション

妻の実際とは少し違いますが、それに近い設定でシミュレーションします。2018年1月からスリム先進国株式を毎月47,000円、松井証券のiDeCo口座で60歳になる前月まで買い続けたとします。

スリム先進国株式の未来の基準価額データはないので、期待リターン年率5%で数学的に発生させたもので代用します。

期待リターン年率5%で数学的に発生させたもの

期待リターン年利5%で18年間だと複利効果により単純平均年利は8.1%になります。

スリム先進国株式の期待リターンはそんなに高いのか?と思われるかも知れませんね。現実のMSCIコクサイの過去10年間はこうでした。

過去10年間の強気相場には低迷もチャイナ・ショックと呼ばれる小規模な暴落もありましたが、通してみれば素晴らしい10年でした。単純平均年利はなんと19.1%です。これからの10年、20年が暴落をはさみながらもこのような高い成長率を残せるかどうかは未来にならないと分かりません。でも期待リターンを年率5%としてシミュレーションするのは悪くないと思います。

現行制度のままの場合

拠出できるのは60歳の誕生日の前月までです。元本は455万円です。70歳になるまでの10年間のどこかで一括で売却します。退職所得控除を受けるためです。

退職所得控除は、iDeCoの拠出期間20年以内は年額40万円です。次の課税所得の計算式より、

課税所得=(資産額ー退職所得控除額)÷2

課税所得はそれなりの金額になってしまいます。次の表は60歳から69歳の年末に売却した際に、評価額や税額がどうなるかをまとめたものです。利益率は税引き後です。

60歳から69歳の年末に売却した際に、評価額は税額がどうなるかをまとめたもの

実効税率は、利益に対する税額の割合です。特定口座だと現在20.315%ですから、それよりはずっと低いです。

iDeCoの場合、評価額全体(から控除した半分)が課税対象になるので、この場合、実効税率は利益が増えれば増えるほど軽減されます。(でも所得税は超過累進課税なので単純ではありません。)この場合は、できるだけ長くガチホしてから売却するのが手取り額も増えてお得ですが、暴落して評価額がどーんと下がると気分最悪なので、もうこれだけ儲かったらいいかなというあたりで、たとえば67歳あたりで、売却するのが良いでしょう。

67歳の年末に無事に売却できると、税引き後利益率は74.7%です。

65歳まで拠出可能になった場合

現在60歳になると拠出できなくなる制約を65歳まで5年延長する(緩和する)話があります。

年金受給開始が65歳ですから、延長されて当然です。早ければ2024年から施行されるようですが、運良く妻がこれに間に合った場合、どうなるでしょうか。60歳以降は国民年金基金への拠出が終了するので、やろうと思えば68,000円に増額できますが、(シミュレーション用プログラムがその条件に対応していないので)この記事では60歳以降も47,000円のままとします。

積み立て期間が5年伸びるメリットは大きいです。

複利効果により利益率も高くなります。実効税率も上がりますが、それは計算式上(税制上)仕方ないです。

65歳から74歳の年末に売却した際に、評価額は税額がどうなるかをまとめたもの

拠出時の所得控除

妻は年間56.4万円をiDeCoに拠出しています。妻は個人事業主で確定申告時にその全額を所得控除額に算入しています。それにより仮に所得税10%、住民税10%の計20%節税できているとしましょう。年額11.28万円です。現行制度のままだと拠出期間は約8年なので総額90万円程度節税できたことになります。ただし、この計算は年齢がそれぐらい高くなっても課税対象となる収入がある場合の話です。

iDeCoでより得できる条件

まず可能な限りiDeCoの意地悪仕様に引っかからないようにするのがポイントです。退職所得控除額が大きく変わります。

そしてできるだけ早く、可能なら20歳からiDeCoを利用すべきです。その際の拠出金額は5,000円でも構いません。何故ならそれは拠出年数を稼ぐのが主目的だからです。

年金制度として設計されたiDeCoの退職所得控除額の計算方法はまさに退職金の考え方です。

  • 20年以内は年額40万円
  • 20年超は年額70万円

実際の拠出額は関係ありません。拠出年数だけで決まります。もし20歳からiDeCoを開始して65歳まで拠出可能だとすると、退職所得控除額はこうります。

40万円✕20年+70万円✕25年=2,550万円

よって、iDeCoの資産を一括で売却する時の評価額が2,550万円以下なら非課税になります。そうできる権利を獲得できるのです。

そしてこれを邪魔する制約のひとつが改善される希望が出てきました。(しつこくてごめんなさい。でもその素晴らしさを理解して欲しいのです。)

意地悪仕様を避けるのは働き方が関係するので難しいですが、例をあげると次の2パターンはどちらも引っかかりません。(退職所得控除をフルに受けられます。)

  • 50歳で退職し、65歳以降にiDeCoを売却する。(iDeCoの受け取り前14年以内に他の退職所得がないのでセーフ)
  • 60歳でiDeCoを売却し、64歳以降に退職する。(退職金を受け取る前年以前4年内にiDeCoを含む他の退職金を受け取っていないのでセーフ)

また、たとえ重複しても退職所得控除額に余りがあればそれは使えます。(この話は気が狂いそうになるでしょうね。)とにかく制度が複雑で、制約を上手に回避できるかどうかで税額が大きく変わってしまいます。

そのため、つみたてNISAの時限が撤廃され、かつ、非課税期間が無期限になったらiDeCoなんて要らねえんじゃね、と思うぐらいです。

怖いのは左派ポピュリズム政党

インデックスファンドは超ローコスト化が進みましたし、マニアを除いて米国籍ETFに手を出さなくても良いぐらい、投資対象資産も増えてきました。つみたてNISAやiDeCoの制度の拡充・改善も期待されます。総じて、現在は次のことができるほとんどの人は(特に若い人は)非課税制度を利用したインデックス投資で、満足な老後資金を準備できるはずです。(不可抗力でできない人のためにあるのがセーフティネットです。それは「ばらまき」ではありません。)

  • 勤勉に働く。
  • 節約に励む。
  • 最低限の金融リテラシーを身につける。
  • 頑張って貯蓄する。
  • 非課税制度+インデックス投資を長期間継続する。

でも怖いのは左派ポピュリズム政党です。

立憲民主党の枝野代表は、れいわ新選組と連携できると言い出しています。怖いですよ。れいわ新選組のメンバーには極端過ぎる主張をする人もいます。MBA太郎さんのブログで知り、絶句しました。

流石に大西つねき氏の主張が具現化することはないと思いますが、金融所得を目の敵にする左派には恐怖を感じます。彼らが標的にするのは富裕層や大企業ですが、自助努力で資産形成を行う一般人をも血祭りにあげてしまいます。全てのインデックス投資家は、次の衆議院選挙までに自分に何ができるのか見直すべきでしょう。

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