インデックス投資

グローバル3倍3分法ファンドの高パフォーマンスは本物か

2019年8月5日

グローバル3倍3分法ファンドは2018年10月4日に設定された、これまでになかったタイプのバランスファンドです。いわば、受益者から集めた資金を使って目論見通りのリターンが得られるかどうか実験するようなものですが、これまでのところ素晴らしいパフォーマンスを発揮しています。

急速に売れ始めたのは3月中旬からですが、その頃から投資した人もリターンの高さに満足しているはずです。次は2019年3月15日からの、グローバル3倍3分法ファンドとスリムS&P500のリターン比較です。

2019年3月15日からの、グローバル3倍3分法ファンドとスリムS&P500のリターン比較

赤のラインがグローバル3倍3分法ファンドです。圧勝です。

なお、次の記事を読まれていない方は先に目を通すと良いと思います。

グローバル3倍3分法ファンド vs スリム先進国株式

あえてグローバル3倍3分法ファンドの設定直後から2019年8月2日までの比較です。赤のラインがグローバル3倍3分法ファンドです。

グローバル3倍3分法ファンド vs スリム先進国株式

グローバル3倍3分法ファンドの圧勝です。上昇率は同程度なのに、下落率がとても低く感じられます。赤のラインが何かのアクティブファンドのものだと言われたら、そのファンドマネージャーを褒めるのではないでしょうか。どうしてそうなるのかは別にして、パフォーマンスが素晴らしいことは確かです。

次は比較開始を2018年12月25日にしたものです。世界同時株安で株価が底値を記録した日です。

比較開始を2018年12月25日にしたもの

底値からの回復はスリム先進国株式の方が早いのですが、中国のちゃぶ台返しにトランプ大統領が激怒して株価が下落した時の下落率が異様に小さいため、そこで逆転しています。

この傾向が維持されるなら、比較期間が長期になれば確実にグローバル3倍3分法ファンドが有利になるような気がします。

グローバル3倍3分法ファンド vs スリムS&P500

比較対象がスリムS&P500ならどうでしょうか。グローバル3倍3分法ファンドの設定直後から2019年8月2日までの比較です。

スリムS&P500と言えど勝負になりません。米国株価も時々下落しますが、そのたびに差を広げられてしまいます。

リターン差を見るとよく分かります。

青のラインがリターン差で、グローバル3倍3分法ファンドースリムS&P500です。黄色に塗ったところは株価が下落傾向ですが、グローバル3倍3分法ファンドは下落率が低いので青のラインが右肩上がりです。

人気の高さは異常

次は設定来の純資産総額の推移です。売れ始めたのは設定後半年を過ぎた頃からですが、その後の増加率は異常です。

赤のラインは1年決算型、緑のラインは経済的合理性に欠ける隔月分配型です。純資産総額は1年決算型が1,233億円、隔月分配型が602億円です。

キング・オブ・MSCIコクサイのニッセイ外国株式の純資産総額が1,260億円ですが、8月中にあっさり抜かれるでしょう。

僕は隔月分配型の存在、それも異常なペースで売れていることを考えると、受益者がどういう経緯でこれらの商品に投資することになったのか気になるところです。でも、信託報酬は良心的と言える税込み0.4572%ですし、金融機関を選べばノーロードです。これまでのところ素晴らしいパフォーマンスを発揮していることから「怪しいからダメ」とは言えないでしょう。

3分法を合成してみた

グローバル3倍3分法ファンドの資産に近いものをスリムシリーズとeMAXISシリーズから選んで合成してみました。債券部分は先進国債券で代用しています。

3分法を合成

赤のラインがグローバル3倍3分法ファンド、緑のラインがスリム先進国株式、青のラインが3分法の合成結果です。青のラインの日々の値動きを3倍にすると、グローバル3倍3分法ファンドの値動きに近くなるでしょうか。

やってみました。次の青のラインは緑のラインの日々の値動きを3倍に拡大したものです。

日々の値動きを3倍に拡大した

僕の計算方法がグローバル3倍3分法ファンドの運用方法と違うからでしょう、上昇率は同程度ですが、下落率が大きくなってしまいました。

次の暴落時にどうなるかは予測不可能

あと1年以内には次の暴落を経験できると思っていますが、その時、そしてその後しばらくグローバル3倍3分法ファンドがどのような値動きになるのかは予測不可能です。普通の株式100%のインデックスファンドよりひどいことになるかも知れませんし、その逆になるかも知れません。

でもリスクは従来の3分法ファンドよりも高い(目論見書にはリスクとリターンがほぼ3倍になるとあります)ので、場合によってはより大きく下落し、より回復に時間がかかるかも知れないことは覚悟すべきでしょう。それを理解している受益者は少ない気がします。

早く信託期間を無期限にして欲しい

信託期間は2028年9月21日までです。あと9年2ヶ月しかありません。どうしてそんな短期間の設定としたのか分かりませんが、信託期間が終わればその時の基準価額で売却されてしまいます。もし含み損なら損失が確定します。含み損だけど我慢してガチホして世界経済の復調を待つということができません。

これだけ高い人気を獲得したのですから、受益者本位で信託期間を無期限に変更して欲しいものです。たとえばiFree NEXT FANG+インデックスがそうしたように。

もし信託期間が無期限になったら

では、もし信託期間が無期限になったらどうでしょうか。以下は僕の偽らざる感想です。

  • この新しい試みには非常に興味をそそられます。二匹目のどじょうを狙った類似ファンドが出てきてもおかしくないでしょう。
  • アクティブファンドはファンドマネージャーの能力と運任せですが、このファンドはそうではありません。運用手法の好き嫌い、負うリスクと期待されるリターンで買うのか買わないのかを決めれば良いと思います。
  • 投資対象の資産配分は全く好みではありません。同じ手法で、先進国株式+先進国リート+先進国債券で組成してくれたら心が激しく乱れると思います。
  • 僕はコア・サテライト戦略(資産の一部を主力でない投資先に振り向けること)に否定的で、スリム先進国株式100%が良いとしているため対象外ですが、サテライトの投資先に選ぶのは悪くないと思います。
  • このファンドを主力の投資対象にするのは(リスクが高くなりすぎるので)やめた方がいいでしょう。

結論

僕は買いませんが、今後の推移にはとても興味があります。100円すら投資しなくても、1,000億円を超えるファンドが今後どうなるかを外野から見学できるのっていいですよね。

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