インデックス投資

含み損が気にならないなら株式100%の方がたいてい儲かります

2019年8月13日

株価は毎日変動します。多くの場合、10%上昇するのに月単位の日数を要しますが、10%下落するのは3週間もあれば十分です。インデックス投資家は、まずこの理不尽な特性に慣れる必要があります。

また、人は同じ割合であっても、含み益よりも含み損に過敏に反応すると言われており、インデックス投資家にとって株価の下落に慣れるのが最初の壁だと思われます。

どんなに良質なインデックスファンドを選択したとしても、買い持ちできなければ、積立投資を継続できなければ大きな利益を得ることはできません。そのことは理解しているつもりでも、実際に自分が投資しているインデックスファンドの含み損が大きくなった時に狼狽売りしたり(最低)、積立設定を解除したり(残念)しないでいられるかは、その時になってみないと分からないものです。

そういう事情もあり、インデックス投資の初心者には株式100%ではなくて、債券を組み入れたバランスファンドが推奨されることがあります。債券を組み入れることで変動率が小さくなるため、狼狽売りのリスクが相対的に小さくなる効果が期待できるからですが、代わりに期待リターンは大きく下がります。

僕もかつてバランスファンドを嗜好していた時期がありましたが、その期待リターンの低さに嫌気が差して株式100%に投資する「債券不要論者」に宗旨変えした経緯があります。株価が大幅に下落して含み損が大きくなっても平気でいられるなら、債券を含むバランスファンドに投資するのは時間と資金の無駄だと言うのが僕の結論です。違う考えを持っている人もいるでしょうから、株式100%が良いのか、債券も含めた方がいいのかは自分自身で勉強して判断して下さい。

MSCIコクサイ

株式100%の代表例として、MSCIコクサイをベンチマークにしている日興インデックスファンド海外株式を取り上げます。2001年10月に設定された運用歴の長い商品です。

セゾングローバルバランスファンド

債券を含むバランスファンドの代表例として、キング・オブ・バランスファンドであるセゾングローバルバランスファンドを取り上げます。2007年3月に設定された息の長い商品で、明らかに高コストになった現在でも総口数を増やし続けています。

セゾングローバルバランスファンドは株式と債券の比率が50:50です。そのパフォーマンスはバランスファンドとしては優秀です。

基準価額の推移

2007年4月からの基準価額の推移です。

基準価額の推移

赤のラインが日興インデックスファンド海外株式、緑のラインがセゾングローバルバランスファンドです。青の丸で囲ったところがリーマンショックによる暴落と低迷期です。黄色の丸で囲ったところはチャイナ・ショックです。緑の丸で囲ったところは2018年10月からの世界同時株安です。

赤のラインは変動率が高く、緑のラインはそれよりはおとなしい動きです。

下落率

次は直近の最高値からの下落率をプロットしたものです。

リーマンショック時にMSCIコクサイは(直近の最高値からは)65%も暴落しました。セゾングローバルバランスファンドは40%暴落しました。どちらも下げ率は強烈なので、MSCIコクサイなら狼狽売りするけどセゾングローバルバランスファンドなら狼狽売りしないとは言い切れない水準です。つまり、暴落時にはバランスファンドだって大きく下落するということです。

チャイナ・ショック時の下落率は大差ないです。世界同時株安の下落率は倍ほど違いますね。

積立投資なら

次は2007年4月から毎月初に3万円を積立投資したシミュレーションです。

2007年4月から毎月初に3万円を積立投資したシミュレーション

リーマンショックの暴落とその後の低迷期を乗り切れれば、赤のラインはチャイナ・ショック時も世界同時株安時も緑にラインより下に行くことはありませんでした。つまり、MSCIコクサイの下落率が大きくてもセゾングローバルバランスファンドより含み益が大きい状態が維持されたのです。

途中でガチホしても

次は2015年からは積立設定を解除してガチホした場合です。たとえばiDeCoで60歳になった後だと思って下さい。

2015年からは積立設定を解除してガチホした場合

リーマンショック後の低迷から抜け出した後の、赤のラインと緑のラインの関係は変わりません。

求めているのはどっち

株式100%のインデックスファンドと、債券を含むバランスファンドでは投資対象が異なるため期待リターンも負うリスクも同じではありません。また、未来には過去とは違った世界が待っているかも知れませんから、株式100%を選択した人にはより忍耐が求められることになるかも知れません。

その忍耐力が試される日は、あと1年以内にも訪れるかも知れません。そして問題は、次の暴落後の低迷期間がどれぐらいになるかは誰にも分からず、FRB(米連邦準備制度理事会)の政策金利への取り組みを見ていると悲観的になってしまいます。

その程度の話でビビるようならバランスファンドの方がいいでしょう。なお、バランスファンドに投資するならスリムバランス(8資産均等型)をおすすめします。

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