インデックス投資

楽天米国高配当株式は楽天全米株式よりハイリターンですか

2019年8月15日

楽天バンガードシリーズと言えば楽天全米株式と楽天全世界株式を真っ先に思い浮かべると思いますが、他にもあります。楽天米国高配当株式はVYMを買うだけのインデックスファンドです。名前だけ聞くと信託報酬は高いけどそれに見合うリターンが期待できそうな感じがします。

目論見書にある信託報酬は税込み0.1296%と激安で、VYMの経費率を加えた実質的に負担する運用管理費用は税込み0.1896%とあります。でもそれが誇大広告であることはこの業界の習わしです。第一期運用報告書から計算されたトータルコストは税込み0.467%です。第二期以降はいくらか改善されていると思いますが、運用会社に関わらず目論見書にある数値は車の燃費のようにあてにならないと思った方がいいです。

では楽天米国高配当株式のコストがやや高い商品であることは理解した上で、名前が示唆する通り楽天全米株式より儲かるのでしょうか。2010年までさかのぼって比較しました。(何ですと?)

楽天全米株式 vs 楽天米国高配当株式:リターン比較

楽天全米株式は2017年9月に、楽天米国高配当株式は2018年1月に設定されました。次は楽天米国高配当株式の設定直後を避けた2018年3月1日から2019年7月31日までのリターン比較です。

楽天全米株式 vs 楽天米国高配当株式

赤のラインが楽天全米株式、緑のラインが楽天米国高配当株式です。この比較期間だと楽天全米株式の方が有利で、高コストな楽天米国高配当株式をわざわざ買う意味を感じません。

ではもっと前はどうだったでしょうか。

楽天全米株式(偽物)を生成

次は楽天全米株式とVTIトータルリターンの比較です。第二期決算期である2018年7月17日以降です。

楽天全米株式とVTIトータルリターンの比較

青のラインはリターン差で、楽天全米株式ーVTIトータルリターンです。真ん中にある大きなヒゲは無視して下さい。右肩下がりなのは楽天全米株式の方がトータルコストが大きいからです。

次はVTIトータルリターンの運用コストを年率0.22%ポイント増量したものとの比較です。

VTIトータルリターンの運用コストを年率0.22%ポイント増量したものとの比較

青のラインはほぼフラットになりました。このことから、楽天全米株式の第二期決算期以降のトータルコストはVTIの経費率0.03%を加えると税込み0.25%程度になると思われますが、どうせこの推測は外れます。

この記事ではこの運用コストを増量したVTIトータルリターンを楽天全米株式(偽物)とします。

楽天米国高配当株式(偽物)を生成

次は楽天米国高配当株式とVYMトータルリターンの比較です。2018年10月1日以降です。

楽天米国高配当株式とVYMトータルリターンの比較

次はVYMトータルリターンの運用コストを年率0.37%ポイント増量したものとの比較です。

VYMトータルリターンの運用コストを年率0.37%ポイント増量したものとの比較

青のラインはほぼフラットになりました。この運用コストを増量したVYMトータルリターンを楽天米国高配当株式(偽物)とします。

2010年年初から比較

偽物同士の比較です。

2010年年初から比較

2018年より前はほとんど変わりません。

以下、期間を区切って比較します。

2010年年初から2013年末まで

2010年年初から2013年末まで

互角です。

2014年年初から2017年末まで

2014年年初から2017年末まで

互角です。

2018年年初から2019年7月末まで

本物同士で比較した期間と変わりませんがせっかくですから載せます。

2018年年初から2019年7月末まで

明らかに楽天全米株式の方が良いです。

VYMは本当に高配当なの?

次はVTIとVYMの配当金(米国での10%課税後)の利率の推移です。オレンジ色のラインがVYMです。

VTIとVYMの配当金(米国での10%課税後)の利率の推移

日本の証券会社でETFを直接買っている場合はさらに国内課税されます。

どちらも年4回なので、平均して4倍すれば年率になります。VTIは1.6%程度、VYMは2.6%程度です。VYMは高配当というだけのことはありますね。

配当金を再投資しないと

次は配当金を再投資していない、ETFの取引価格(円換算後)の比較です。

配当金を再投資していない、ETFの取引価格(円換算後)の比較

次は配当金を米国課税後に再投資したトータルリターンです。(コストを増量していません。)

当然ですが、配当金を再投資しないとVTIが有利になります。その差は明らかです。

VYMは配当金を再投資してこそ高いパフォーマンスが期待できると言っていいでしょう。(ですからVYMを直接自分で買うよりも楽天米国高配当株式を買った方がいいと思いますが、それはこの記事の主旨ではありません。)

結論

2010年までさかのぼると、もっと差があると予想していたのでこの結果は意外でした。

2010年以降の9年7ヶ月の比較だと互角または楽天全米株式の方が有利だったことが分かりました。未来のことは分かりませんが、楽天米国高配当株式に特段思い入れがないなら楽天全米株式で十分でしょう。

売れ行きは

次は設定来の総口数の推移です。楽天全米株式の圧勝です。(この比較はフェアでないですね。)

設定来の総口数の推移

純資産総額は楽天全米株式の504億円に対し楽天米国高配当株式は17.5億円しかありません。純資産総額が10億円未満のインデックスファンドは掃いて捨てるほどありますが、こんなに低迷するとは楽天投信投資顧問株式会社は思っていなかったことでしょう。

楽天米国高配当株式だけをプロットすると現状が良く分かります。

楽天米国高配当株式だけをプロット

急激に立ち上がりましたがその後まもなく頭打ちになってしまいました。こうなると勢いを取り戻せない商品が多いので、楽天米国高配当株式も苦戦すると思われます。

でも一定数の受益者のニーズに確実に応えられているはずなので、今後も運用コストの削減に取り組んで欲しいものです。

よろしければ次の記事もご覧ください。

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