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インデックス投資

SBI資産設計オープンに見る分配型の非効率さ

投稿日:2019年8月20日 更新日:

インデックス投資の目的が資産形成であるなら、投資対象から得られる配当金は分配しないでファンド内で再投資した方が有利です。その理由のひとつは配当金に対する課税の繰り延べ効果です。

無分配と公言するのは困難で、目論見書における表現にも温度差がありますが、極力無分配を貫いてくれる方が有利なのは間違いありません。

にもかかわらず、必ず分配金を出す「分配型」のインデックスファンドも存在します。悪名高きグローバル・ソブリン・オープン(毎月決算型)のような特別分配として純資産を切り崩すものは別としても、分配型は生き残っていますし、近年でも新規設定されたりしています。いい加減、分配型を組成するのはやめた方がいいと思いますが、これは分配型に投資する残念な受益者が存在する結果とも言えます。

2008年1月に設定されたSBI資産設計オープンには資産成長型と分配型の2つが存在します。資産成長型は一般的なものですが、過去に分配金を出したこともあります。分配型の決算頻度は年6回で、運用報告書で確認できた2017年以降は決算毎に分配金を出しています。

資産成長型と分配型の違いは決算頻度と配当金の扱いだけのようです。信託報酬は同じ、隠れコストもほぼ同じでした。

では資産成長型と分配型にはどれほどの違いがあるのでしょうか。確認しました。

分配金実績

2017年以降の分配金実績です。

2017年以降の分配金実績

おおむね0.24%ですが、0.71%と4.91%もありました。投資対象の株式、債券から得られる配当金は一旦再投資され(純資産総額の取り込まれ)、年6回ある決算日に純資産総額から取り崩していると思われます。

リターン比較

次は2018年3月1日からの資産成長型と分配型のリターン比較です。

2018年3月1日からの資産成長型と分配型のリターン比較

青のラインはリターン差です。階段状になっているところで分配金が出ており、それによって分配型のリターンが劣化しています。分配金率と劣化の程度は一致しています。(上記表には7月分がなく、グラフにはあります。)

次は比較開始を2017年1月4日にしたものです。

比較開始を2017年1月4日にした

分配金は純資産総額を減らしますから、分配型のリターンが劣化するのは当然です。でも分配型の受益者は保有口数に応じた分配金(課税後)を手にしているのですから、それを無視して議論してはいけないでしょう。

手にできる総額で比較

計算を簡単にするために次の条件で比較します。

  • AさんもBさんも特定口座を利用しました。
  • Aさんは資産成長型を2016年12月1日に100万円購入しました。
  • Bさんは分配型を2016年12月1日に100万円購入しました。
  • Bさんはもらった分配金をそのまま証券口座にプールしていました。
  • AさんもBさんも2019年6月末に全額売却しました。

AさんとBさんが手にした総額はいくらになっていたでしょうか。

次は評価額の推移です。左軸の下限を80万円にしています。

評価額の推移

一括投資のみなので、元本を示す灰色のラインは水平です。分配型は元本割れした時期もありました。

  • Aさんの売却額:1,094,118円
  • Bさんの売却額:1,020,134円

次はBさんが分配型から得た分配金履歴です。もちろん、分配金は20.315%課税されてから証券口座に入金されます。

分配金は合計66,856円になりました。これを1年半利息のもらえない証券口座に放置したBさんを責めないでください。

Bさんの売却益に分配金を加えた総額は1,086,990円でした。よってAさんはBさんより7,128円儲かりました。

  • Aさんの税引き後利益率は9.41%でした。
  • Bさんの税引き後利益率は8.70%でした。

分配金もらってどうするの

上記比較は当然の結果を再確認したにすぎません。配当金を非課税で再投資したのと、定期的に課税して分配するのとを比較したら、前者にかなうわけがありません。

資産を取り崩して現金を手にしたいのなら、必要な分だけ売却すれば良いでしょう。わざわざ分配型を選択する、経済的合理性はありません。

つみたてNISAの適合要件

つみたてNISAの適合要件に「分配頻度が毎月でないこと」があります。そのため隔月分配であればセーフです。金融庁はもっと踏み込んで、分配頻度は年2回までなどもっと厳しい条件にして欲しかったです。

隔月分配、それも奇数月に分配というのは、年金の支給月が偶数月であることから、年金受給者への都合の良いセールストークにされているとの記述を読んだことがあります。嘆かわしいですね。

売れ行きは

資産成長型の純資産総額は295億円ありますが、分配型は1.1億円しかありません。次は設定来の総口数の推移です。

緑のラインが分配型ですが、ほとんど見えません。

2008年に設定されただけあって高コストであり、共に現在ではガチホはともかく新規投資する価値はありません。そして、分配型が売れていないことに妙に安堵するのでした。

おまけ

次は設定来のリターン比較です。

設定来のリターン比較

青のラインは右肩上がりですが、たまにガクっと下がるところは、資産成長型が配当金を出したためだと思われます。また、時間の経過と共に基準価額の変動の影響が表れます。

青のラインが弓なり上に曲がるのは複利効果によるものです。分配金を出すと純資産総額が減りますが、分配金を出さなければその減らなかった分も基準価額の上昇の恩恵を受けて増えるからです。

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