個人事業主が節税してインデックス投資

個人事業主のリアルな節税やインデックス投資、お金についてお話しします

インデックス投資

国内リートインデックスに見る商品選択の難しさ

投稿日:2019年8月31日 更新日:

読者の方から頂いたコメントに、勝間和代さんがYoutube動画で国内リートインデックスを強力に推しているとありました。次の記事に書きましたが、僕は勝間和代さんが動画で言ってる「配当が高い」と「配当を再投資」の部分がどうにも理解できませんでした。

読者の方によると、勝間和代さんはSMT J-REITインデックスを積み立てていたのではないかとのことでした。この商品はたまたまですが、上記記事に登場しませんでした。

おことわり

この記事は、勝間和代さんが自身の経験談で参照していたのがSMT J-REITインデックスであると仮定して書いています。この仮定が間違っている場合は失礼な指摘をしていることになります。その際はご容赦頂きたく思います。また間違っている場合、どの商品のことを言われていたのか教えて頂けると幸いです。

SMT J-REITインデックス

SMT J-REITインデックスが設定されたのは2008年1月と古いです。設定当初からそうだったかは確認できませんでしたが、2015年の信託報酬税抜き0.40%でした。

トータルコスト比較

おそらく2011年以降に国内リートインデックスへの投資を考えた人は、選択肢に上記3商品があったと思われます。ここでは信託報酬は横並びだったとしましょう。そうするとどれを選んでも変わらないように思えてしまいます。

信託報酬やトータルコストが同じでもパフォーマンスは同じにならないのがこの世界です。特に国内リートインデックスは他に例を見ないほど、トータルコストと実際のリターンが符合しません。

実はこれら3商品には解約時信託財産留保額が設定されています。SMT J-REITインデックスは0.05%、他は0.3%です。このことを意識してSMT J-REITインデックスを選んだ人もいるかも知れません。

勝間和代さんが国内リートインデックスに投資し始めた時にはeMAXIS国内リートもFunds-i J-REITも設定されていなかったかも知れません。2011年以降になっても、信託報酬が同じだから乗り換えるという考えにはならなかったと推測されます。

分配金実績

eMAXIS国内リートとFunds-i J-REITは設定来、分配金を出していないと思います。一方、SMT J-REITインデックスは4回だけ出しています。

分配金実績

毎回たったの20円で、利率は0.2%未満でした。設定当初に100万円を一括投資していたとしても税込み2,000円✕4回でしかありません。失礼ながら、勝間和代さんが動画で言った「配当が高い」と「配当を再投資」の部分は誤解によるものではないでしょうか。

  • 配当が高いというのは国内リートのことであって、国内リートインデックスは分配金をほとんど出しておらず、受益者のために再投資してくれています。残念ながらSMT J-REITインデックスは4回だけ分配金を出しましたが、出さない方が受益者にとって経済的合理性があります。
  • 動画にある配当を再投資というくだりからは相応に高い分配金が定期的に得られたことを想像させますが、SMT J-REITインデックスはそんなことはありませんでした。

Funds-i J-REIT vs SMT J-REITインデックス

Funds-i J-REITの設定日直後を避けた2010年12月10日から2019年8月23日までのリターン比較です。

Funds-i J-REIT vs SMT J-REITインデックス

赤のラインがFunds-i J-REIT、緑のラインがSMT J-REITインデックスです。青のラインはリターン差で、Funds-i J-REITーSMT J-REITインデックスです。8年8ヶ月で8%を超えるリターン差が生まれています。

eMAXIS国内リート vs SMT J-REITインデックス

比較期間は同じです。

eMAXIS国内リート vs SMT J-REITインデックス

8年8ヶ月で5%を超えるリターン差が生まれています。

分配金を出している様子

SMT J-REITインデックスは年2回決算があり、分配金が出るならそのタイミングで受益者に支払われます。分配金は純資産総額から出されるので、基準価額は下がります。

次は分配金が出された2013年から2016年のリターン比較を拡大したものです。青の矢印の位置で分配金が出ています。

分配金を出すことで基準価額が下がるため、リターン差を示す青のラインは上がります。でも、Funds-i J-REITとのリターン差が開く様子は分配金による要因以外が支配的です。運用報告書から計算したトータルコストは変わらないのにどうしてこのような大きな差が生まれるのかは不明ですが、Funds-i J-REITの方が圧倒的に有利です(儲かります)。

積み立てシミュレーション

では2011年年初から特定口座で毎月5万円積み立て続けていたら2019年8月23日の評価額はどうなっていたでしょうか。

次はSMT J-REITインデックスの場合です。分配金を4回受け取っていますが、それらは次の月初のタイミングで再投資しています。

税引き後の配当金合計は17,678円でした。利益率は70.83%でした。

次はFunds-i J-REITとeMAXIS国内リートの場合です。分配金は出ていないはずなので再投資もありません。

元本はどちらも520万円です。Funds-i J-REITの利益率は73.43%、eMAXIS国内リートの利益率は72.54%でした。

SMT J-REITインデックスも、受益者から見れば元本は520万円です。(税制上の元本には再投資分を含めます。)その520万円から見た含み益はこうです。

  • SMT J-REITインデックス:3,695,570円
  • Funds-i J-REIT:3,818,152円
  • eMAXIS国内リート:3,772,238円

Funds-i J-REITの含み益はSMT J-REITインデックスより122,582円も多かった(税引前ですよ)ことになります。

まとめ

Funds-i J-REITのパフォーマンスが他の商品より高いことは事前には分かりませんでした。分かるのはしばらく運用した後です。よって、最初に選択したのがSMT J-REITインデックスだったとしても、Funds-i J-REITの方がパフォーマンスが良いと分かった時点で乗り換えるのが賢明だったと言えます。乗り換えと言ってもすでに投資した分はガチホして、新規投資分から新しい商品に変更すれば良いだけです。

国内リートインデックスはトータルコストと実際のパフォーマンスの差が極端ですが、一般的にインデックスファンドの商品選択は(投資対象のベンチマークが決まった後でも)難しいです。

  • 信託報酬だけではパフォーマンスは分からない。
  • 運用報告書が公開されてトータルコストが計算できてもそれが全てとは限らない。
  • 信用できるのは基準価額データだけなので、基準価額の差(リターン差)を確認しないとどちらが得か分からない。

その意味でも「ほったらかし」はいけません。より有利な商品が登場したり信託報酬が引き下げられたり、税制が変更になったり、状況は変わります。「ほったらかし投資」はどこかの出版社の編集者が本のタイトル用に創作したものかも知れません。ほったらかしにするということは、状況が変わって損することになっても気にしませんよ、ということです。

-インデックス投資

Copyright© 個人事業主が節税してインデックス投資 , 2019 All Rights Reserved Powered by STINGER.