インデックス投資

一般人はVOOよりもSBIバンガードS&P500を買う方が儲かります

2019年9月2日

SBIバンガードS&P500は9月26日に設定されるVOO(バンガード社のETF)を買うだけのインデックスファンドです。まだ登場前ですが断言します。SBIアセットマネジメントが期待通りの運用をするなら、毎月の投資可能額が5万円から10万円程度の一般人の場合、VOOよりSBIバンガードS&P500の方が儲かります。

そして、VOOの購入を勧めるETFマニアの甘言に乗ってはいけません。極めて高い確率で損します。それは仕組みを理解すれば納得できます。

仮想SBIバンガードS&P500を生成

次の手順で仮想SBIバンガードS&P500を生成します。

  • 2011年1月5日に10,000円でVOOを買ったことにします。扱う株数は「端株数」です。つまり、VOOの取引価格が12,000円なら0.8333株買ったことになります。
  • 配当金が出たら米国での10%課税後のドルを再投資します。税引き後の配当金でVOOを端株数で買うのです。そうして保有株数を増やします。保有株数が増えるのは配当金を再投資した時だけです。
  • 円をドルに替える為替手数料もVOOの購入手数料もゼロとします。
  • 評価額は円換算して求めます。
  • 評価額の推移を指数化します。

これでVOOトータルリターンが生成できます。これにSBIアセットマネジメントが、SBIバンガードS&P500の運営費用として純資産総額から天引きするコストを適用します。そんなの分かるわけないと思いますよね。

楽天投信投資顧問株式会社が楽天全米株式で受益者に負担してもらっている運営費用のうち、信託報酬を除いた隠れコストは税込み0.062%と予想されます。

SBIバンガードS&P500の税抜き信託報酬(VOOの経費率を除く)は驚愕の0.058%なので、楽天全米株式の第二期程度の隠れコストがかかるとすると、SBIアセットマネジメント側の運営費用は税込み0.125%となります。

比較方法

次の条件で比較します。

  • 国内の特定口座での比較です。
  • 仮想SBIバンガードS&P500またはVOOを購入する月額予算を5万円とします。
  • 円をドルに転換する為替手数料は4銭とします。SBIネット銀行+SBI証券でしか4銭にはできないと思います。
  • 購入時手数料は購入代金の0.45%で最低0セント、最高20ドルとします。
  • 毎月の購入予算5万円ぴったりにはETFを買えませんが、端数は翌月に回しません。
  • VOOの保有株数に応じてもらえる配当金に10%の米国課税を適用、さらに20.315%の国内課税を適用します。
  • 配当金の再投資は毎月初の積み立て時にまとめてVOOを購入することで行います。
  • 仮想SBIバンガードS&P500の積み立て金額は、VOOと比較するため、VOOの購入にかかった費用(=購入代金+為替手数料+購入時手数料)とします。これ以上公平な比較方法はないでしょう。
  • 外国税額控除は無視します。

説明の都合上、全比較期間で上記ルールを適用します。

VOO vs 仮想SBIバンガードS&P500

過去3年間の積み立て比較です。比較期間は2016年8月1日から2019年7月末までです。

次のグラフの青のラインは、VOOを自分で買った場合の評価額と、仮想SBIバンガードS&P500の評価額の差を示しています。

VOO vs 仮想SBIバンガードS&P500

青のラインがオレンジの0%のラインより上側にある時は、仮想SBIバンガードS&P500の評価額の方が高いことを意味します。0.5%程度より上を推移していますし、傾向は右肩上がりです。この青のラインはVOOより仮想SBIバンガードS&P500の方が儲かることを示しています。

比較期間の最初から0.5%近い差がありますが、どうしてそうなるのでしょうか。VOOを購入する毎月の予算は5万円ですが、VOOは1株の取引価格の整数倍でしか買えません。比較期間の初日は2016年8月1日ですが、VOOの取引価格は199.28ドルでした。予算5万円で買えるのは2株で、円をドルに替える為替手数料と取引手数料とその消費税を加えた41,045円を証券会社に払います。でもその日のVOOの評価額は、保有している2株✕取引価格を円換算した40,832円です。

公平な比較のため、同じ日に仮想SBIバンガードS&P500を41,045円買った(約定した)ものとしています。仮想SBIバンガードS&P500はもちろんノーロードなので手数料ゼロで購入でき(為替手数料は請求されません)、その日の仮想SBIバンガードS&P500の評価額は41,045円です。

そのため初日から為替手数料と取引手数料分の差ができるのです。為替手数料は1ドルあたり4銭、取引手数料は0.45%(税込み0.486%)ですから、青のラインが0.5%あたりから始まるのは当然です。

配当金の再投資

VOOを自分で買う場合に圧倒的に不利なのが配当金の再投資効率の低さです。短期間に1,000万円単位で投資し、その後長期間ガチホする投資スタイルなら話は別ですが、毎月の投資可能額が5万円程度だと、再投資はほとんどできません。

次は上記シミュレーションにおける、VOOから受け取った配当金(ドルベース)の履歴です。

配当金の履歴

VOOの配当金は年4回出ます。保有株数に応じたものが米国10%課税、国内20.315%課税後にドルで口座に入ります。右端の列が貯まった配当金です。毎月数株(5万円で買えるだけ)買っているので、もらえる配当金の額も増えますが、VOOの取引価格はそもそも200ドル近くしたし、さらに(期待通りに)上昇するのでなかなか再投資できません。ETFは一株単位でしか買えないからです。行を赤くしたところで263ドル貯まり、2019年4月月初にようやく一株再投資できました。

結局、過去3年間、毎月5万円の予算でVOOを買い続けて配当金で追加購入できたのはたったの一株でした。

配当金の再投資はできるだけ早くした方が有利ですが、ETFは株なので一株単位でしか買えないことが大きな障壁になります。一方、インデックスファンドは配当金に国内課税を適用しないで1円の無駄もなく再投資しています。ここには絶望的な差があります。このことを軽視しているブロガーが多いことをとても残念に思います。

課税の繰り延べ効果については次の記事で検証しています。

ガチホ中の保有コストはVOOの方が有利

VOOの積み立て投資が完了してガチホに入ると、保有コストはVOOの方が有利です。VOOの経費率しかかからないからです。SBIバンガードS&P500はVOOの経費率に加えて、SBIバンガードS&P500固有の信託報酬と隠れコストが必要です。

でも、ガチホ中にも得られる配当金の再投資効率を考えると、SBIバンガードS&P500の保有コストは負担するに値すると思います。

売却時にも手数料が必要

SBIバンガードS&P500の場合、解約時信託財産留保額はないと思われるので、ほぼ制約なく好きな分だけ手数料なしで売却できます。

VOOの場合、売却は一株の整数倍でしかできませんし、取引手数料と為替手数料が必要です。

一般人はインデックスファンド一択で

VTにもVTIにも言えることですし、VOOだってS&P500種指数への投資で考えれば、iFree S&P500かスリムS&P500の方が有利です。もう何年も前から、一般人はインデックスファンド一択で良かったのです。新たにこのフィールドに乱入するSBIバンガードS&P500は、圧倒的に低い信託報酬で(隠れコストは相応に低いことを期待します)より有利になりますが、勝負はもうとっくの昔についていました。それに気付かずETFマニアの甘言に乗ってしまった人は、いつかどこかでひどく後悔するはずです。

海外ETFのデメリット

ETFマニアの甘言に乗ってはいけない理由を解説しました。

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