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恒久化された一般NISAとつみたてNISAではどちらが儲かりますか?

2019年9月4日

報道によると金融庁は2020年度税制改正要望で、一般NISAとつみたてNISAの恒久化を求めるそうです。

が、この「恒久化」が示す内容が明確に書かれていません。そこで、この記事では「恒久化」が意味するものを、ごく自然な解釈で考え、同じリスク資産に投資する場合にどちらが儲かるのか試算します。

一般NISAの恒久化とは

次の図は楽天証券からの引用です。

NISA活用イメージ

引用:楽天証券

一般NISAの恒久化とは、普通に考えれば、この図が2024年以降も継続することを意味するはずです。

  • 非課税投資総額は年間120万円✕5年の最大600万円のまま。
  • 5年の非課税期間終了時に、課税口座に払い出すかロールオーバーするか選択可能。
  • ロールオーバーは評価額全額に対して無限に行える。
  • ロールオーバーしなければ新たな非課税枠(年間120万円)が付与される。

2024年以降も継続するなら、5年間の非課税期間が終了するたびに課税口座に払い出して新規非課税枠をもらうか、ロールオーバーするか(その混在も可能)の選択も継続されるはずです。つまり、2016年以降に一般NISAを利用し始めた人は最大元本600万円を寿命が尽きるまでロールオーバーさせることが可能になります。もちろん評価額全体が非課税です。それって凄くないですか。

つみたてNISAの恒久化とは

一般NISAとの違いは、つみたてNISA適格となる条件や、積み立てでしか買えない点を除くと、こうなります。

  • 2018年に開始。
  • 非課税投資総額は年間40万円✕20年の最大800万円。
  • 非課税期間は20年。
  • 20年の非課税期間終了後は非課税口座に払い出される。ロールオーバーなし。新たな非課税枠の付与もなし。

2018年に開始して非課税枠が付与されるのが20年なので、2037年までとなっています。この時限を撤廃するのが恒久化なら、次のようになると考えるのが自然です。

  • 非課税投資総額は年間40万円✕20年の最大800万円。
  • 20年の非課税期間終了時に、課税口座に払い出すかロールオーバーするか選択可能。
  • ロールオーバーは評価額全額に対して無限に行える。
  • ロールオーバーしなければ新たな非課税枠(年間40万円)が付与される。

つまり、最大元本800万円を寿命が尽きるまでロールオーバーさせることが可能になります。もちろん評価額全体が非課税です。それって凄くないですか。

どちらが儲かるの?

一般NISAには受益者保護の観点が欠如しているため、商品選択に自信を持てない人、金融機関にカモにされたくない人はつみたてNISAの選択が無難です。では商品選択に自信がある場合はどうでしょうか。

年間の投資可能額が40万円程度ならつみたてNISA一択でしょう。120万円なら一般NISAのはずです。何しろ無限にロールオーバーできるのですから、ロールオーバーする限り非課税期間は余命に等しいのです。よって、より早くより大きな元本を投資した方が(統計的には)儲かります。

では、つみたてNISAで20年かけて800万円投資、その後20年ガチホするのと、一般NISAで5年かけて600万円投資、その後35年ガチホするのとでは(どちらも投資期間40年)、どのような違いが生まれるでしょうか。これを頭の中で計算できる高IQの人もいると思いますが、僕には無理なのでプログラムを書いてシミュレーションしました。

比較方法

  • 数学的に計算した、期待リターン2から5%の基準価額データを使います。
  • 2022年年初から2061年末までの40年間の評価額、リターンの差を調べます。
  • 一般NISAは2022年から毎月初10万円積み立てるのを5年間継続、2061年末までガチホします。
  • つみたてNISAは2022年から毎月初33,333円積み立てるのを20年間継続、2061年末までガチホします。
  • どちらもロールオーバーを繰り返します。

期待リターン3%の場合

無限にロールオーバーできるので、非課税枠を分けて考えなくてすみます。

期待リターン3%の場合

緑のラインは一般NISAの評価額、赤のラインはつみたてNISAの評価額の推移です。毎月初の積み立て額が10万円と33,333円の違いがあるため、緑のラインは急激に立ち上がります。緑の矢印のところで600万円の投資が完了し、後はガチホに入ります。

黄色の矢印のところでつみたてNISAの評価額が一般NISAの評価額を超えます。赤の矢印のところでつみたてNISAは約800万円の投資が完了し、ガチホに入ります。

投資を開始してから40年後の年末の評価額は、つみたてNISAの方が150万円ほど多いですが、利益率は一般NISAの方が1.39倍と高いです。リターン差は57%ポイントもあります。

期待リターン2%の場合

期待リターン2%の場合

期待リターンが下がるとリターン差が小さくなります。一般NISAの方が儲かることは変わりませんが、そのお得度が下がるということです。

期待リターン5%の場合

期待リターン5%の場合

右軸のスケールを変更しています。期待リターンが5%にもなるとグラフは複利効果によって明らかに弓なりに曲がります。赤のラインは、元本に約200万円もの差があるにも関わらず、緑のラインの下側を推移しています。一般NISAの圧勝です。リターン差は180%ポイントにもなりました。

5年で600万円投資する方が、20年かけて800万円投資するより圧倒的に期待リターン5%のメリットを活かせるということです。

結論

無限にロールオーバーできるようになると、非課税枠の総額に200万円の差があっても、3倍の速度で(つみたてNISAの年40万円対一般NISAの年120万円)早く投資する一般NISAの方が儲かる(利益率が高い)ことが分かりました。その傾向は期待リターンが高いほど強くなります。

もし一般NISAが恒久化され、この記事の理解の通りの場合、入金力に余裕のある人なら一般NISAの方が儲かります。(入金力が低いけど若くて余命が長いならつみたてNISAで問題なし、入金力が高いけど余命が短い人は一般NISAが向いている、と考えるのがいいでしょう。)

それから、このシミュレーション結果、事前に頭の中で描けませんでした。結果に満足しています。

寿命が尽きるとどうなるの?

非課税口座は相続できないため、相続人の課税口座に払い出されるはずです。その後の税務処理は別のテーマになります。

魅惑の無限ロールオーバー

無限ロールオーバーできるようになると、より時間が生み出す複利効果を味方に付けることが可能になります。金融庁のみなさん、一般NISA、つみたてNISA制度の恒久化の実現よろしくお願いします。応援しています。

もし無限ロールオーバーまで考えていない場合は是非考えて下さい。一般投資家が狂喜乱舞します。

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