インデックス投資

【残念】SBI全世界株式は楽天全世界株式の低コスト版ではありません

2019年9月6日

SBIアセットマネジメントはSBI全世界株式の信託報酬を、税込み0.150%から税込み0.109%に9月26日から引き下げると発表しました。これにより、つい先日たわら全世界株式に対抗して全世界株式3兄弟の信託報酬を引き下げたばかりの三菱UFJ国際投信ですが、再度信託報酬の引き下げを行うと思われます。

そうなるとスリムシリーズの全世界株式3兄弟(オール・カントリー、日本除く、3地域均等型)の受益者には朗報です。でも信託報酬を引き下げるかどうか分からない楽天全世界株式の受益者は不安に思うかもしれません。

ここで、普通のブロガーが指摘しない事実があります。SBI全世界株式は楽天全世界株式の低コスト版ではありません。この2つは似て非なるものです。

リターン実績が示す現実

次はSBI全世界株式が設定された直後を避けて2017年12月20日から2019年8月30日までの、楽天全世界株式とのリターン比較です。

楽天全世界株式 vs SBI全世界株式

青のラインがリターン差ですが、0%のラインをはさんで暴れています。

次は同じ期間における、野村つみたて外国株式投信とeMAXIS全世界株式の比較です。スケールは変えていません。

野村つみたて外国株式投信 vs eMAXIS全世界株式

野村つみたて外国株式投信とeMAXIS全世界株式はベンチマークが同じですが、eMAXIS全世界株式の方が高コストなので青のラインは右肩上がりで推移します。このスケールだと青のラインに大きな暴れは見られません。ベンチマークが同じで極端に先物比率が高くない場合、大きな暴れは観測されないのが普通です。

では楽天全世界株式とSBI全世界株式のリターン比較では、どうしてあのように暴れるのでしょうか。

買っているETFが違います

楽天全世界株式は、楽天VTとも呼ばれるだけあって、VTを買うだけのインデックスファンドです。VTのベンチマークはFTSEグローバル・オールキャップ・インデックスです。このベンチマークは、つみたてNISAの適格条件として認められています。

SBI全世界株式の目論見書によるとベンチマークはFTSEグローバル・オールキャップ・インデックスだとありますが、実際に買っているのは次の3本のETFです。

引用:目論見書

僕はうぶだった頃、これでFTSEグローバル・オールキャップ・インデックスと等価になると思いましたが、後で無理だと気付きました。これらETFの投資先とその割合を調べたところ、とてもFTSEグローバル・オールキャップ・インデックスと等価とは言えないと分かったのです。

素直に3本のETFを買うことで全世界の株式に分散投資できると言えば良いと思うのですが、そうしなかったのは、つみたてNISAの認定をもらうためだと思われます。

それでも3本のETFを買うことでFTSEグローバル・オールキャップ・インデックスと等価だと言う場合、リターン実績が示すあの暴れをどう説明するのでしょう。

ベンチマークを気にしなければ

僕はベンチマークを詐称している時点で誰にもおすすめできませんが、それはどうでも良く、全世界株式に投資できる、よりローコストのインデックスファンドであればベンチマークも気にしない、というのなら、SBI全世界株式は選択肢になります。でもベンチマークが同じでないので、楽天全世界株式とリターン比較をしてどちらが良いとか悪いとかの評価はできません。それは楽天全世界株式に失礼です。

でも現実のリターン比較に0.5%ポイントを超えるような大きな差はなく、基準価額は楽天全世界株式と似たような動きをしているのも事実です。ならば、ローコストな方でいいやと思うか、やっぱりベンチマークが違うのが気になるから敬遠するかは受益者次第となります。

これから数年以内に迎えるであろう暴落時に狼狽売りしないために必要なのは、投資対象を買い持ちしていれば必ず復活すると信じられることです。楽天全世界株式をVTが持つ高い評価を信じて買ったのならば、似て非なるSBI全世界株式に惑わされることなく楽天全世界株式のままで良いでしょう。一番良いのは、楽天全世界株式が重い腰を上げて信託報酬を引き下げることです。

売れ行きは

次は設定来の総口数の推移です。スリム全世界株式(オール・カントリー)もプロットしました。

総口数の推移

赤のラインの楽天全世界株式の圧勝です。純資産総額は245億円あります。信託報酬が安くて、純資産総額がこれだけあると後発組が追い付くのは簡単ではありません。緑のラインのSBI全世界株式は、それだけで見ると順調に総口数を増やしていますが、そのペースは遅いです。後から登場した青のラインのオール・カントリーにあっさり抜かれています。SBI全世界株式の純資産総額は31.5億円、オール・カントリーは61.5億円です。

勢力図は変わるか?

SBI全世界株式の信託報酬が引き下げられ、オール・カントリーが対抗値下げしたとします。楽天全世界株式がどう出るかは読めませんが、信託報酬を引き下げなかったとしましょう。それで勢力図(純資産総額の多い少ない)は変わるでしょうか?僕はそう簡単に変わらない気がしています。総口数の増加ペースに影響を与える可能性は十分ありますが、劇的な変化は見られないと思うのです。その予想が正しいかどうかは時間が経過すれば分かります。

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