インデックス投資

楽天全世界株式の運用報告書に現れない(隠れた)コストとは

2019年9月8日

楽天全世界株式はVT(バンガード社のETF)を買うだけのインデックスファンドで、2017年9月29日に設定されました。VTはそれ一本で全世界株式に投資できる評価の高いETFですが、海外ETFであるため国内のインデックスファンドのように手軽に買えませんでした。楽天全世界株式は受益者に代わってVTを買うだけのインデックスファンドを組成したことで圧倒的な人気を獲得しました。

  • あのVTがインデックスファンドとして買える。
  • 信託報酬が税抜き0.12%+VTの経費率(設定当初は0.10%)と激安。

その後SBI全世界株式、スリム全世界株式(3地域均等型)、スリム全世界株式(オール・カントリー)、たわら全世界株式が設定されたのは、楽天全世界株式の成功に刺激されたことは間違いないでしょう。

が、インデックスファンドでは往々にしてあることですが、楽天全世界株式の第一期の運用はひどかったことが明らかになります。

VTの経費率0.1%を含めたトータルコストが税込み0.501%にもなったのです。目論見書にある数値は隠れコストを除いて税込み0.2296%だったので多くの受益者(と傍観者)をがっかりさせました。

ひどかった第一期

次は楽天全世界株式の設定日直後を避けて2018年10月16日から第一期最終日の2018年7月17日までの、VTトータルリターンとの比較です。

設定日直後はもっと恥ずかしいことがあったのですが、それは程度の差こそあれどのファンドでも散見されることなのでここでは振り返りません。

VTトータルリターンは、VTを買い、配当金を米国課税のみで再投資するという運用に、コストが一切かからなかった場合に得られる理想的なものです。為替手数料もVTの購入手数料もゼロなので現実にはありえまえん。このVTトータルリターンとの差を見ることで、楽天全世界株式の運用でかかっている真のコストが分かると思っています。

安定している第二期

次は楽天全世界株式の第二期開始日である2018年7月18日から2019年8月30日までの、VTトータルリターンとの比較です。

2018年7月18日から2019年8月30日までの、VTトータルリターンとの比較

青のラインの下がり方は第一期より明らかにゆるやかで、これは第二期の運用コストが第一期より大幅に減少したことを示唆しています。

コストを増量

次はVTトータルリターンのコストを年率0.28%ポイント増量したものとの比較です。

VTトータルリターンのコストを年率0.28%ポイント増量

青のラインはほぼフラットです。このことから、楽天全世界株式の運用で実際にかかっているコストは年率0.28%だと推定します。VTの経費率0.09%を加えたトータルコストは税込み0.37%になります。

運用報告書に現れない、隠れたコスト

僕が生成しているVTトータルリターンは、VTの取引価格、配当金実績、ドル円の為替データから一切の無駄がない状態で計算したものです。実際には為替手数料や売買手数料や監査費用などがかかります。でもそれらのコストは楽天投信投資顧問株式会社が把握しているので運用報告書に現れるはずです。

が、運用報告書には全てのコストは記載されない悪しき慣習があることが知られています。それを考慮しても、楽天全世界株式の臨時レポートにある数値とVTトータルリターンとの差には開きがあります。どうしてでしょうか。

これは僕の想像ですが、楽天投信投資顧問が運用コストと認識していない要因によってリターンが劣化しているのではないでしょうか。たとえばVTからは年4回配当金が出ますが、トータルリターンの計算ではすぐにVTを買い増ししています。楽天全世界株式が配当金をすぐに純資産総額に取り込んでいるのは確かですが、配当金全額で遅延なく買い増ししているかどうかは分かりません。仮にいくらか現金で保持していたらそれは株価上昇の恩恵を受けない(下落の影響も受けませんが)のでトータルリターンとの差の要因となります。でもそれは楽天投信投資顧問が運用コストとは認識しませんから、運用報告書にも現れません。

理由はどうであれ、運用報告書から計算されるトータルコストは僕が推定しているものより小さくなると思われます。

もしSBIバンガードVTが設定されたら

100%ないと言い切れないと思いますが、もしSBIアセットマネジメントがVTを買うだけのインデックスファンドをバンガード社と手を組んで組成したら面白いです。原資産がVTで同じなので、リターン比較結果はまさに運用の上手い下手を含む運用コストを示すからです。

そもそも楽天投信投資顧問とバンガードの提携が独占契約でないのは明らかですから、SBIバンガードS&P500がOKでSBIバンガードVTがNGだとは思えません。どうせバンガード社のETFを買うだけなので、現物株運用の新規マザーファンドを設定するよりははるかに気楽にやれます。

僕は密かに期待しています。

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