インデックス投資

楽天全世界株式の運用コストは下がりましたがオール・カントリーの方が低コストです

投稿日:2019年9月16日 更新日:

楽天全世界株式の第二期運用報告書が公開されました。臨時レポートの内容から予想された通り、第二期運用コストは第一期に比べて大幅に削減されていました。が、それは現在の超ローコストインデックスファンドの水準から見ると、激安ではありません。スリム全世界株式(オール・カントリー)の方が安いです。

楽天全世界株式が設定された2017年9月には、税込み信託報酬0.1296%を誰もが安いと思い、絶賛しました。それからもうじき2年ですが、インデックスファンドの低コスト化が一層進んだため、現在では競争力に疑問符が付くようになってしまいました。

大幅に下がった運用コスト

運用報告書から計算した運用コストは、第一期から大幅に削減されました。

運用コスト比較

推定税込みトータルコストは0.209%で、これに本家VTの経費率である0.09%を加えた0.299%が実質的トータルコストになります。

次は隠れコストの明細です。

隠れコストの明細

大きく下がったものを青字にしています。売買委託手数料の削減が目立ちます。その他費用の「その他」の0.036%がゼロになっていますが、これは印刷費用でした。第二期は努力したということでしょう。(第一期は受益者をナメてましたね。)

VTトータルリターンとの差

次は楽天全世界株式の第二期決算期間である2018年7月18日から2019年7月16日までの、VTトータルリターンとの比較です。

VTトータルリターンとの差

青のラインはリターン差で、楽天全世界株式ーVTトータルリターンです。VTトータルリターンは楽天全世界株式の運用に一切コストがかからず、かつ、一切の無駄もなく運用できた理想的なものです。よって、次の2つの要因でリターン差が生まれ、それが青のラインに表れます。

  • あらゆる運用コスト。
  • 運用コスト以外で、VTトータルリターンに比べてリターンを劣化させる事象。

VTトータルリターンのコストを年率0.28%ポイント増量すると、青のラインはほぼフラットになります。

VTトータルリターンのコストを年率0.28%ポイント増量

そのため、理論値であるVTトータルリターンと楽天全世界株式の現実のリターンとの間には年率0.28%ポイントの差があると考えられます。が、運用報告書から計算されたトータルコストは0.209%なので、0.07%ポイント程度の違いが残ります。これが、運用コスト以外でリターンを劣化させた分だと思っています。

でもこれは僕が勝手にそう考えているだけのことなので、聞き流してもらっていいです。僕も問題視していません。

人気は圧倒的

次は設定来の総口数の推移です。スリム全世界株式(オール・カントリー)もプロットしています。

設定来の総口数の推移

赤のラインの楽天全世界株式は、青の丸で囲ったあたりで上昇ペースが低下しましたが、その後盛り返しています。ライバルが登場しても、おおむねその高い人気を維持できていると言えるでしょう。

楽天全世界株式の純資産総額は266億円です。オール・カントリーは69.6億円です。現在の人気のままだと、オール・カントリーは永久に楽天全世界株式に追いつけません。

オール・カントリーの方が低コスト

楽天全世界株式のベンチマークはFTSEグローバル・オールキャップ・インデックス、オール・カントリーはMSCI ACWIと、ベンチマークが違うので同列での比較はできません。が、オール・カントリーのトータルコストは税込み0.2265%と楽天全世界株式の税込み0.299%より安いです。

また、楽天全世界株式には三重課税問題が存在します。VTを買うだけのインデックスファンドだからです。

オール・カントリーには三重課税問題はありません。そのため、次に該当する場合はオール・カントリーの方が有利でしょう。

  • ベンチマークはどちらでも良い。
  • VTという名前を聞いても心がときめかない。
  • 長期投資で運用コスト差が生む複利効果の破壊力の大きさを知っている。

なお、たわら全世界株式はオール・カントリーとベンチマークも信託報酬も同じですが、設定されたばかりなので選ぶならオール・カントリーにしておいた方が無難です。特に第一期は隠れコストが予想外に大きいことが普通にあり得ますから。

楽天全世界株式は信託報酬を引き下げるべきか

信託報酬を引き下げなくても現在の高い人気を維持できるなら、消耗戦とも言える信託報酬引き下げ競争に加わるべきではありません。が、人気が失われたことに気付いてから信託報酬を引き下げても手遅れで、挽回できないかも知れません。楽天投信投資顧問はどうするべきか苦慮している最中ではないでしょうか。

楽天バンガードシリーズは信託報酬を税込み0.1296%で統一していますが、競合する商品に合わせて柔軟に引き下げた方が良いと思います。そもそも統一することに大して意味はないでしょう。

もしかすると、恐れているのはSBIバンガードVTの登場かも知れません。その場合、信託報酬は税込み0.0638%(税率10%)になる可能性が高いです。SBIバンガードVOOと同じにできない理由などないでしょう。その場合、SBIバンガードVTは楽天全世界株式キラーになるのと同時に、僕が嫌いなSBI全世界株式キラーにもなります。

-インデックス投資

Copyright© 個人事業主が節税してインデックス投資 , 2019 All Rights Reserved Powered by STINGER.