インデックス投資

楽天全米株式は運用コストが下がりスリム米国株式(S&P500)より低コストになりました

2019年9月17日

楽天全米株式の第二期運用報告書が公開されました。臨時レポートの内容から予想された通り、(第一期がひどすぎた楽天全世界株式ほどではありませんが)第二期運用コストは第一期に比べて大幅に削減されていました。楽天全米株式が買っているVTI(バンガード社のETF)の経費率を含めても、競争力があります。ただし、9月26日に設定されるSBIバンガードS&P500は大きな脅威です。

大幅に下がった運用コスト

運用報告書から計算した運用コストは、第一期から大幅に削減されました。

運用コスト比較

次は隠れコストの明細です。

隠れコストの明細

大きく下がったものを青字にしています。売買委託手数料の削減が目立ちます。その他費用の「その他」の0.024%がゼロになっていますが、これは印刷費用でした。楽天全世界株式同様、第二期は努力したということでしょう。(第一期は明らかに受益者をナメてましたね。)

VTIトータルリターンとの差

次は楽天全米株式の第二期決算期間である2018年7月18日から2019年7月16日までの、VTIトータルリターンとの比較です。

VTIトータルリターンとの差

青のラインはリターン差で、楽天全米株式ーVTIトータルリターンです。真ん中にある大きなトゲは配当金を取り込む日がVTIトータルリターンと楽天全米株式で違うためで正常です。無視してください。

VTIトータルリターンは楽天全米株式の運用に一切コストがかからず、かつ、一切の無駄もなく運用できた理想的なものです。よって、次の2つの要因でリターン差が生まれ、それが青のラインに表れます。

  • あらゆる運用コスト。
  • 運用コスト以外で、VTIトータルリターンに比べてリターンを劣化させる事象。

VTIトータルリターンのコストを年率0.22%ポイント増量すると、青のラインはほぼフラットになります。

VTIトータルリターンのコストを年率0.22%ポイント増量

そのため、理論値であるVTIトータルリターンと楽天全米株式の現実のリターンとの間には年率0.22%ポイントの差があると考えられます。が、運用報告書から計算されたトータルコストは0.193%なので、0.027%ポイント程度の違いが残ります。これが、運用コスト以外でリターンを劣化させた分だと思っています。

でもこれは僕が勝手にそう考えているだけのことなので、聞き流してもらっていいです。僕も問題視していません。

人気は圧倒的

次は設定来の総口数の推移です。1ヶ月前に設定されたiFree S&P500と、9ヶ月遅れて設定されたスリム米国株式(S&P500)もプロットしています。

設定来の総口数の推移

赤のラインの楽天全米株式の圧勝です。青の丸で囲ったあたりで増加ペースが減速したものの、その後盛り返しています。これは楽天全世界株式にも見られた現象ですが、原因は不明です。

緑のラインのiFree S&P500は人気を獲得しきれませんでした。青のラインのスリム米国株式にもあっさり抜かれてしまっています。iFree S&P500は先行者利益を獲得できなかったのです。リターンが変わらないスリム米国株式に大きく差を付けられたのは、スリムシリーズの戦略勝ちによるものでしょう。

楽天全米株式の圧倒的な人気は、先行者利益とVTIのネームバリューによるものかも知れません。

楽天全米株式の純資産総額は576億円です。スリム米国株式は302億円です。現在の人気のままだと、スリム米国株式は永久に楽天全米株式に追いつけません。

スリム米国株式(S&P500)より低コスト

運用報告書から計算したトータルコストは、スリム米国株式より安いです。

スリムS&P500より低コスト

楽天全米株式は0.2228%、スリム米国株式は0.2419%なのでわずかに楽天全米株式の方が低コストです。

でもベンチマークが異なるため同列の比較はできません。

SBIバンガードS&P500の乱入

事実上、全米株式インデックスファンドは楽天全米株式とスリム米国株式の二択だったのですが、強敵が乱入して来ました。SBIバンガードS&P500です。税抜き運営費用(信託報酬+ETFの経費率)が0.088%と激安です。現在、スリム米国株式の受益者を含めた多くのインデックス投資家は、三菱UFJ国際投信は対抗値下げをしてくれると信じつつも、その発表が遅れていることに不安を募らせていることでしょう。もちろん、僕もその一人です。

SBIバンガードS&P500に対抗するなら、三菱UFJ国際投信は税抜き信託報酬を0.088%に引き下げなければなりません。削減率は41.3%です。スリムシリーズの未来が試されています。スリム先進国株式に集中投資している我が家も無関心ではいられません。

現在先行者利益を満喫している楽天投信投資顧問も、対応に苦慮しているところでしょう。ベンチマークは違いますが、スリム米国株式が登場した時とは状況が違います。

SBIバンガードS&P500の税抜き信託報酬(VOOの経費率を除く)は驚愕の0.058%なので、楽天全米株式の第二期程度の隠れコストがかかるとすると、こんな感じになります。

SBIバンガードS&P500の乱入

予想トータルコストは税込み0.1558%(税率8%)になり、驚異的な安さです。もちろん、隠れコスト部分は通常第一期運用報告書が公開されるまで推測しかできず、期待に反して高コストだということも普通に起こり得ます。(楽天全世界株式も楽天全米株式もそうでした。)でも、このSBIアセットマネジメントの挑戦は全てのインデックス投資家が歓迎すべきことです。

  • 楽天全米株式が信託報酬を対抗引き下げできなければ、SBIバンガードS&P500は楽天全米株式キラーになりえるでしょう。
  • スリム米国株式が信託報酬を対抗引き下げできなければ、SBIバンガードS&P500はスリム米国株式キラーになりえるでしょう。

楽天投信投資顧問と三菱UFJ国際投信は、SBIアセットマネジメントの挑戦にどう応えるでしょうか。

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