バランスファンドで伝統的な組成と言えば株式と債券の比率が50:50のもので、その代表格はセゾングローバルバランスファンドです。株式部分と債券部分の構成(資産比率など)は様々です。
それに対して主要8資産に均等に投資するのが8資産均等型です。スリムバランス(8資産均等型)はスリムシリーズで2番目に売れている人気商品ですが、その成功は大先輩のeMAXISバランス(8資産均等型)の存在抜きには語れません。
次はセゾングローバルバランスファンドとeMAXISバランス(8資産均等型)のリターン比較です。
赤のラインがセゾングローバルバランスファンド、緑のラインがeMAXISバランス(8資産均等型)です。ほぼ互角なので、株式と債券の比率が50:50のバランスファンドを嗜好する人は、8資産均等型が良い選択肢になると思います。
似たような考え方のバランスファンドに4資産均等型があります。
投資対象
8資産均等型は新興国とリートにも投資します。
引用:目論見書
この割り切りは見事という他ありません。
4資産均等型は先進国と国内の株式と債券のみに均等に投資します。新興国にもリートにも投資しません。
引用:目論見書
理由はともかく、投資対象は4資産で良いと考える人にはしっくりくるかも知れません。
8資産均等型 vs 4資産均等型
eMAXISバランス(4資産均等型)は8資産均等型に3年9ヶ月遅れて設定されました。次は4資産均等型の設定直後を避けた2015年9月15日からのリターン比較です。
この比較期間だと8資産均等型の圧勝です。
これら2商品から派生したのが、つみたてんとうシリーズのつみたて8資産均等バランスと、つみたて4資産均等バランスです。なお、4資産均等型はスリムシリーズでは設定されていません。
次はつみたてんとうシリーズの設定直後を避けた2017年9月1日からのリターン比較です。
この比較期間だと前半は4資産均等型が有利でしたが後半は逆転しました。
国内債券の比率
将来、主要8資産のうちどれが成長するか正確に予見することは不可能です。でも国内債券は暴落する可能性が高いです。
国内債券インデックスの基準価額は、債券利率と逆の動きをします。債券利率はマイナス金利政策によりもうこれ以上下げられないほど下がっています。いつになるかは分かりませんが、将来、マイナス金利政策をやめた際には債券利率は上昇します。すると国内債券インデックスの基準価額は暴落します。
そのため、国内債券の比率が高い4資産均等型には不安を感じます。僕には25%もの高い比率で国内債券に投資するのは得策に思えないのです。
他のバランスファンドではこんな感じです。
- セゾングローバルバランスファンドの国内債券比率は5.7%です。
- 楽天バランス(均等型)の国内債券比率は5.5%です。
- SBI資産設計オープン(つみたてNISA対応型)の国内債券比率は20%です。
僕は過去にバランスファンドを嗜好していた時期がありましたが、現在は債権不要論者です。そのためバランスファンドより株式100%インデックスファンドをおすすめしますが、リスク許容度などの理由からバランスファンドを選択する場合であっても4資産均等型は避けた方が良いと思います。
国内債券が暴落したら
もし国内債券インデックスの基準価額が9%暴落し、しばらくそのままだったらどうなるかのイメージをつかみたくてシミュレーションしました。あくまで机上の話です。
- eMAXISシリーズの4資産の基準価額を合成して4資産均等型を作ります。
- 国内債券を9%暴落させ、その後変化なしとしたもので4資産均等型を作ります。
4資産の基準価額の推移です。
ラインは上から先進国株式、国内株式、合成結果、先進国債券、国内債券です。
黄色の丸で囲ったところで9%暴落させて、その後変化なしにしています。この国内債券暴落の影響は想像以上に大きいです。
赤のラインが暴落なし、緑のラインが暴落ありです。全体の25%の資産のひとつが9%暴落しただけなのですが、この比較期間だと7%ポイント以上の差が生まれてしまいました。
将来、国内債券利率が上がった時に、実際どうなるかはその時になってみないと分かりませんが、バランスファンドと言えど、あまり高い比率で投資したくないですね。